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2019年11月の星空

南西の低空に宵の明星の金星と木星が見え、中旬から下旬にかけて間隔を縮めていきます。左上にはやや離れて土星もあり、さらに月末には細い月も3惑星に加わります。晩秋の夕暮れ、月や惑星の共演を楽しみましょう。

星空写真

秩父にて
凛とした冷たい空気の中、月光に照らされて星々が輝いていました。武甲山が見おろす秩父の街の灯りも負けていません。

2017年11月4日 23時10分
ニコン D750+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(24mm、ISO 1250、露出8秒×700枚を比較明合成、f/4)
撮影者:鈴木 祐二郎

11月の星空

南の空

南の空

2019年11月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(12日)、上弦(4日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年11月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(土) 夕方~宵、月と土星が大接近
4日(月) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
8日(金) 立冬(こよみの上で冬の始まり)
11日(月) このころ、未明~明け方に火星とスピカが接近
12日(火) 満月。次の満月は12月12日です
14日(木) 未明~明け方、月とアルデバランが並ぶ
宵~深夜、月とアルデバランが並ぶ(明け方とは並び方が変わります)
17日(日) 深夜~翌18日未明、月とポルックスが並ぶ
20日(水) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
未明~明け方、月とレグルスが接近
24日(日) このころ、夕方に金星と木星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
未明~明け方、細い月とスピカが並ぶ
25日(月) 明け方、細い月と水星が接近
27日(水) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
28日(木) このころ、明け方の南東の低空で水星がやや見やすい
夕方、細い月と金星、木星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
29日(金) 夕方~宵、細い月と金星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
30日(土) 夕方~宵、細い月と土星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)

11月の惑星

水星

20日ごろから明け方の東南東の低空に見えるようになります。日の出30分前(東京で朝5時50分ごろ)の高度は10度を超えており、太陽から大きく離れることがない水星としては好条件です。

とはいえ、10度というのはかなり低空なので、見つけるのは難しいかもしれません。見晴らしの良い場所で、スマートフォンのアプリなどで位置をよく確かめて探しましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

25日の明け方、新月前の細い月と接近して上下に並びます。

金星

「宵の明星」として夕方の西南西の低空に見えています。

とても明るく輝いていますが、日の入り30分後(東京で夕方17時ごろ)の高度が10度前後と低いため、山や建物などに隠されてしまうかもしれません。スマートフォンのアプリなどで位置を確かめ、見晴らしの良い場所で探してみましょう。

20日ごろから木星と接近して見えるようになり、24日ごろに最接近します。明るい2惑星が共演する光景を眺めてみましょう。28日と29日にはこの2惑星の近くに細い月も並びます。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

火星

「おとめ座」にあり、10日ごろから、明け方の東南東の低空に見えるようになります。明るさは約1.7等級です。

日の出1時間前(東京で朝5時20分ごろ)の高度は10~15度と低く、あまり明るくもないため、見やすいとはいえません。来年の秋に地球と最接近して明るく見やすくなるので、今月からおよそ1年かけて変化を追ってみると面白そうです。

18日ごろまでは「おとめ座」の1等星スピカと並んで見えます。低空で見づらいですが、空気が澄んでいれば、火星の赤っぽい色とスピカの青白い色の違いがわかるかもしれません。肉眼や双眼鏡で観察してみましょう。

木星

「へびつかい座」から「いて座」へと動きます。夕方の南西の低空に見え、明るさは約マイナス1.9等級です。

日の入り1時間後(東京で夕方17時30分ごろ)の高度が10度前後しかないため、見やすくはありません。春から夏の宵空に君臨していた木星を、いよいよ見送る1か月となりそうです。

20日ごろから、宵の明星の金星と接近して見えるようになり、24日ごろに最接近します。明るい2惑星が共演する光景を眺めてみましょう(明るいほうが金星です)。28日には木星の右下に細い月も並び、3天体の集合が楽しめます。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

土星

「いて座」にあります。夕方17時30分ごろに南西の空のやや低いところに見え、夜20時ごろに沈みます。明るさは約0.5等級です。

2日の夕方から宵に月と大接近します。また、30日の夕方から宵にも細い月と並んで見えます。肉眼や双眼鏡で共演の様子を眺めてみましょう。空が暗くなるころには低くなってしまうため、天体望遠鏡での観察はそろそろ見納めです。

今月の星さがし

どんどん低くなっている木星と少しずつ高くなっている金星が、下旬に南西の空ですれ違います。日々並び方が変わる様子を確かめてみましょう。月末には細い月も加わり、美しい夕景が見られます。

夕方の南西の低空で金星と木星が大接近、月や土星も

夏ごろに宵の南の空で輝いていた木星が、夕方のうちに沈むようになります。木星はマイナス2等級ほどと明るい惑星ですが、太陽が沈んでからあまり時間が経っていない南西の空の中では、思ったほどは目立ちません。

一方で、もう一つの明るい惑星の金星が、先月ごろから宵の明星として夕空に見え始めています。マイナス4等級と木星の6倍以上も明るいので、低空ではありますがかなり目立ちます。

この2つの惑星が、中旬から下旬にかけて夕方の南西の空で接近します。木星は日々高度を下げ、反対に金星は日々高度を上げていくので、だんだん間隔が小さくなっていって24日ごろに最接近し、26日ごろに高さが同じになり、その後は遠ざかっていきます。この変化を追うと、空に動きが感じられて面白いでしょう。地上風景を目印にすると変化の様子がよくわかります。撮影して記録に残すのも良いでしょう。視界が開けたところで観察してみてください。

11月20日から28日まで2日ごとの、夕方の南西の空の様子。囲み内は拡大イメージ(双眼鏡で観察したイメージ)

28日と29日には、この2惑星の近くに細い月も近づいてきます。とくに28日は3天体が双眼鏡の視野の中に入ってしまうほどの集合となります。双眼鏡がなくても肉眼でもよく見えるので、気軽に眺めてみましょう。金星と木星の左上のほうには土星も見えていて、30日には土星と月が並びます。

11月28日から30日までの、夕方~宵の始めごろの南西の空の様子。囲み内は拡大イメージ(双眼鏡で観察したイメージ)。月はやや大きめに描いている。上の図の約30分後で、空がかなり暗くなっていることがわかる

夕方は、ほんの数分で空の色や明るさがどんどん変わっていきます。そうした変化や雲の動き、風の流れなども感じながら、秋の夕暮れの美しい共演をお楽しみください。

今月の星座

うお座

2月下旬から3月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「うお座」、宵空で見やすくなるのは11月ごろです。11月中旬の夜20時から21時ごろに南の空の高いところに広がっています。

「うお座」(銀河の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「うお座」は一番明るい星でも4等星なので、街中で見つけるのは少々難しい星座です。空が暗いところでも、月明かりがある夜には見つけられないかもしれません。双眼鏡などを使って、じっくりと星を探してみましょう。

「うお座」を見つける目印となるのは、周囲に広がる星座に含まれる2等星(星図中にカッコ付きで名前を書いている星々)や、アルフェラッツとマルカブを含む「秋の四辺形」です。「うお座」の星々は、秋の四辺形の東側(南を向いて四辺形の左)と南側(四辺形の下)の辺に沿うように並んでいますので、位置の見当を付けてみてください。

星座の絵には2匹の魚が描かれていますが、ギリシャ神話では神の親子が変身した姿とされています。変身したときに離れ離れにならないように尾をリボンで結び、そのリボン込みで星座として空に上げられました。4等星アルリシャは「結び目」という意味の言葉に由来する名前で、その名のとおりの位置にあります。

渦巻銀河 M74

アルリシャの上(北)のほうに、渦巻銀河のM74があります(Mはカタログの名前です)。正面から渦(腕)を見る位置関係にあるので美しく整った形が見えますが、とても暗いため実際の空で見つけるには熟練した技術や鋭い観察眼が必要です。インターネットに公開されている画像や写真集などで楽しむのがおすすめです。

変光星ミラ

アルリシャの左下(南東)に赤っぽく輝くミラは、「くじら座」に属する星です。ミラは約11か月周期で明るさが変わる変光星で、暗い時には天体望遠鏡でなければ見えませんが、明るい時には肉眼でもよく見えます。そしてちょうどこの11月前後に、一番明るくなって見ごろを迎えます。

ミラが明るいおかげで「うお座」の範囲もわかりやすくなっています。12月中旬ごろまでは比較的見やすい明るさが続くので、ぜひお見逃しなく。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は11月中旬の深夜1時ごろの星空です。12月中旬の深夜23時ごろ、来年1月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2019年11月中旬 深夜1時ごろの星空

深夜になると街明かりが減り、暗い星も見やすくなるのですが、それでも西から南西の空は星が少なく感じられます。目を凝らして「秋の四辺形」や「うお座」を探してみましょう。

対照的に、頭の真上から南東の空には「オリオン座」や「冬の大三角」などを形作る色鮮やかで明るい冬の星々が輝いていて、とても華やかです。西天の静かで落ち着いた光景、東天の生き生きとしたダイナミックな様子の、両方を味わうことができます。

また、東の空に「しし座」が、北東の空に「北斗七星」が見え始めました。どちらも地平線から立ち上がって格好良く見えますね。

深夜にはすっかり冬の寒さです。暖かい服装や防寒具、携帯カイロなどを準備して、星空を見上げてみましょう。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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