Nikon Imaging
Japan

2019年10月の星空

金星が夕方の西の空に戻ってきます。低いところではありますが何日から見え始めるか、観察に挑戦してみましょう。夜空の星々は少し暗めですが、控えめで落ち着きのある秋らしい世界を味わえます。

星空写真

渋峠にて
標高約2,100メートルの渋峠から、西に傾きかけた秋の銀河と木立のシルエットをシンプルに切り取ってみました。

2016年9月10日 3時19分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED(ISO 12800、露出8秒を4枚合成、f/2.5)
撮影者:高岡 誠一

10月の星空

南の空

南の空

2019年10月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(14日)、上弦(6日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年10月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

3日(木) 夕方~宵、月と木星、アンタレスが並ぶ
4日(金) 夕方~宵、月と木星が並ぶ
5日(土) 夕方~宵、月と土星が接近
6日(日) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~宵、月と土星が並ぶ
14日(月) 満月。次の満月は11月12日です
17日(木) 宵~翌18日明け方、月とアルデバランが接近
21日(月) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
22日(火) オリオン座流星群の活動がピーク(「今月の星さがし」で解説)
24日(木) 未明~明け方、細い月とレグルスが接近
28日(月) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
29日(火) 夕方、細い月と金星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
31日(木) このころ、夕方に水星と金星が接近(「今月の星さがし」で解説)
夕方、細い月と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)

10月の惑星

水星

夕方の西南西の低空に見えますが、日の入り30分後(東京で夕方17時30分ごろ)の高度が5度未満と低いため、見つけるのはかなり困難です。見晴らしの良い場所で、スマートフォンのアプリなどで位置をよく確かめて探しましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

下旬には「宵の明星」の金星と並ぶようになり、明るい金星を目印にして水星の位置の見当が付けやすくなります。ただし金星も低いので、やはり見晴らしの良い場所を選ぶのがポイントです。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

金星

中旬ごろから、「宵の明星」として夕方の西南西の低空に見えるようになります。

とても明るく輝いていますが、日の入り30分後(東京で夕方17時30分ごろ)の高度が5度未満と低いため、山や建物などに隠されてしまうかもしれません。スマートフォンのアプリなどで位置を確かめ、見晴らしの良い場所で探してみましょう。なお、南西の空には木星も比較的明るく見えていて金星と紛らわしいのですが、金星は18時ごろ(東京の場合/大阪では18時30分ごろ)には沈むので、それ以降にも見えていれば木星です。

下旬に水星と並びます。また、29日に月齢1のとても細い月と並びます。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

火星

太陽に近く、見えません。次は11月上旬ごろから、明け方の東南東の低空に見えるようになります。

木星

「へびつかい座」にあります。夕方18時ごろに南西の空の低いところに見え、夜20時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2等級です。

空が暗くなり始めるころには木星が低くなってしまうため、今シーズンの天体望遠鏡による観察はそろそろ終了ですが、見つけるだけならまだしばらくは楽しめます。一見すると「宵の明星」の金星だと思うかもしれませんが、今月はまだ金星は非常に低いので、空が暗くなっても見えていれば木星でしょう。

3日と4日の夕方から宵に、やや細めの月と並んで見えます。また31日の夕方にも、月齢3の細い月と接近する光景が見られます。

土星

「いて座」にあります。夕方18時ごろに南の空のやや低いところに見え、夜22時ごろに沈みます。明るさは約0.4等級です。

観察シーズンの終盤です。夜20時ごろには南西の空の低いところに移ってしまうので、空が暗くなり始めたらなるべく早いうちに観察するとよいでしょう。

5日の夕方から宵に月と接近します。また、翌6日にも並んで見えます。肉眼や双眼鏡で共演の様子を眺めたり、天体望遠鏡でそれぞれを拡大してクレーターや環を観察したりしてみましょう。

今月の星さがし

22日ごろ、オリオン座流星群の流れ星が見えるかもしれません。条件はあまり良くありませんが、気にかけておきたい現象です。月末ごろには夕空で、水星と金星が並んで見えます。

21~22日ごろ、オリオン座流星群

10月下旬になると深夜には「オリオン座」が東の地平線から昇ってきます。その「オリオン座」の方向を中心として飛ぶ流れ星が見られるのが「オリオン座流星群」で、毎年10月21日ごろに活動がピークとなります。8月中旬のペルセウス座流星群や12月中旬のふたご座流星群ほど多くの流れ星が見られるわけではありませんが、有名な「オリオン座」の名が付いていることもあって何かと話題になりやすい流星群です。

今年の活動のピークは22日朝9時ごろと予想されています。この時間帯は日の出後なので、実際に見やすいのは22日の未明から明け方にかけてということになります。ただし、下弦の月が夜空を照らしているため、目にできる流れ星の数は少なくなりそうです。空が開けたところでも1時間に5~10個ほどで、郊外などでは数個しか見えないかもしれません。

10月22日3時ごろの東京の空。流れ星は、放射点の位置するオリオン座の方向だけではなく、放射点を中心とした空全体に飛ぶように見える

オリオン座流星群の流れ星は、「オリオン座」の方向にある「放射点」と呼ばれる天球上の一点を中心としてあちらこちらに飛びます。狭い範囲を集中して見るのではなく、月や街灯から離れた方向を中心として、なるべく広い範囲をゆったりと眺めましょう。広く見ることが大切ですから、双眼鏡や天体望遠鏡は不要です。

数はあまり多くない可能性が高いですが、1つでも明るい流れ星が見えれば印象に残ります。防寒の備えを念入りにして、無理のない範囲で、流れ星を待ってみてはいかがでしょうか。

夕方の西の低空で、水星と金星が接近

7月初めごろまで明け方の空に見えていた金星は、その後しばらくの間、地球から見て太陽と同じ方向にあったので見ることができませんでしたが、今月中旬ごろから再び夕方の西の低空に見えるようになってきます。「宵の明星」が見えるのは昨年の秋以来で、ずいぶん久しぶりの印象です。

今月の金星はまだ低く、日の入り30分後(東京で夕方17時30分ごろ)の地平線からの高さは5度ほどしかありません。見晴らしの良いところで探してみてください。とても明るいので、視界が開けてさえいれば肉眼で見つけられます。

10月23日から31日まで2日ごとの、夕方の南西の空の様子。囲み内は拡大イメージ(双眼鏡で観察したイメージ)。月はやや大きめに描いている

さて、夕方の西の低空には、金星だけでなく水星も見えています。水星も比較的明るい惑星なので肉眼でも見つけられますが、金星ほど目立つわけではないので、慣れないとなかなかわかりません。今月下旬ごろには金星と並ぶので、金星を目印にして探してみましょう。双眼鏡があると見つけやすくなります。

また、29日に月が金星や水星の右に並ぶ現象も見ものです。月齢1の非常に細い月なので、これもなかなか見つけられないかもしれません。金星を目印に、その右のほうを探してみましょう。秋の夕空に細い月と宵の明星が並んで見える光景には風情が感じられます。その2日後には少し太くなった月が木星と接近して見えるので、こちらもお見逃しなく。

今月の星座

みずがめ座

1月下旬から2月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「みずがめ座」、宵空で見やすくなるのは10月ごろです。10月中旬の夜20時から21時ごろに南の空に広がっています。

「みずがめ座」。水色の円は標準的な双眼鏡の視野(直径7度)を表している(星雲、星団の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「みずがめ座」は一番明るい星でも3等星なので、街中で見つけるのは少し難しいかもしれません。目印となるのは、南の低空にポツンと光っている「みなみのうお座」の1等星フォーマルハウトです。この星は水瓶から流れ出た水を飲む魚の口のところに位置しているので、ここより北(上)に「みずがめ座」がある、と見当をつけることができます。

また、頭の真上あたりには「秋の四辺形」が見えていて、これも「みずがめ座」を見つける目印になります。秋の四辺形とマルカブ、エニフ(どちらも「ペガスス座」の2等星)といった星を頼りに、双眼鏡で「みずがめ座」の星をたどったり、「このあたりに広がっているはず」と想像したりしてみましょう。

「みずがめ座」の星座絵には水瓶を持つ少年が描かれており、モデルはギリシャ神話で大神ゼウスに仕えたガニュメデスと言われています(また、瓶に入っているのは水ではなく御神酒だとされています)。星座名からはガニュメデスの存在が消えてしまっていますが、夜空を見上げたときには彼のことも思い出してください。

幸運の星々

星座絵でガニュメデスの両肩のところに光る3等星のサダルメリクとサダルスウドは、それぞれ「王の幸運」「幸運中の幸運」という言葉に由来する名前です。どちらも、双眼鏡を使えば街中でも簡単に見つけられます。星図を参考に探し出して、ぜひ一目ご覧ください。

球状星団 M2、らせん状星雲NGC 7293

サダルスウドの少し上(北)に、多くの星がボール状に集まっている球状星団のM2があります(Mはカタログの略号です)。空が暗いところであれば、双眼鏡でも少しにじんだ感じに見え、普通の恒星とは違うことがわかります。天体望遠鏡で観察すると星の大集団であることを感じられるでしょう。

また、NGC 7293は、見かけの大きさが満月の半分ほどもある大きな星雲です。二重の螺旋(らせん)のように見えることから「らせん状星雲」という愛称があり、その美しい姿から観望や天体写真のターゲットとして人気の天体です。とても淡いので、空の条件が良いところで中型以上の天体望遠鏡を使わなければ見えませんが、意欲のある方は探してみてはいかがでしょうか。

海王星

太陽系の8惑星の中で、太陽から(地球からも)最も遠いのが海王星です。太陽からの平均距離は約45億kmで、太陽~地球の30倍も離れています。このように遠い天体ではありますが、明るさは約8等級ある(極端に暗いわけではない)ので、位置さえわかれば、双眼鏡や小型の天体望遠鏡でも見つけることができます。

今秋の海王星は「みずがめ座」の領域内に位置しています。星図を参考にして、周りの星との位置関係から海王星を見つけ出してみましょう。日付や時刻によっては、図を傾けないと実際の見え方と一致しないことがあるので、星の配列をよく確かめるのがポイントです。

見つけられたかどうか自信がないときには、数日おいてから再び探してみてください。位置が変わっていれば、間違いなく海王星だとわかります。望遠鏡で観察すると青っぽい小さな円盤状の姿をとらえることができます。公開天文台や科学館で見られるチャンスがあるかもしれませんので、天体観察会などに参加してみるのもいいでしょう。

「みずがめ座」、M2、らせん状星雲、海王星はどれも見つけるのに少し苦労する天体ですが、それだけに見えたときの喜びも大きいものです。この秋、ぜひ観察に挑戦してみてはいかがでしょうか。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は10月中旬の深夜1時ごろの星空です。11月中旬の深夜23時ごろ、12月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2019年10月中旬 深夜1時ごろの星空

西半分と東半分で、夜空のにぎやかさが極端に異なります。秋の星座がメインの西半分(図の右半分)はもの寂しい印象で、明るい1等星は南西の地平線に沈みかけている「みなみのうお座」のフォーマルハウトと北西に見える「はくちょう座」のデネブしかありません。木星と土星も、深夜になる前に沈んでしまっています。

一方の東半分には冬の星座が揃って姿を見せており、「オリオン座」や「冬の大三角」を形作る明るい星々がたくさん輝いています。カラフルで豪華な星空を、冬が訪れる前に眺めてみましょう。

また、天頂付近の「アンドロメダ座」や「ペルセウス座」「おひつじ座」といった星座に含まれる2等星も意外と目につきます。郊外でも、建物や雲にじゃまされなければ、全天で30個ほどの星が数えられるでしょう。

深夜には気温がかなり下がります。暖かい服装で星空散歩をお楽しみください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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