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2019年9月の星空

月が美しい季節です。50年前のアポロ11号の偉業にも思いを馳せながら、近くて遠い私たちの「おとなりさん」を眺めてみましょう。木星と土星はシーズン後半ですが、まだまだ見ごろです。

星空写真

裏磐梯にて
雲が地上の光をさえぎり、天空の星々が光り輝いていました。流れ星がやぎ座を貫いています。

2018年8月12日 0時22分
ニコン D800E+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(14mm、ISO 6400、露出30秒、f/2.8)
撮影者:鈴木 祐二郎

9月の星空

南の空

南の空

2019年9月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(14日)、上弦(6日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年9月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(月) 夕方、細い月とスピカが並ぶ
6日(金) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~宵、月と木星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
8日(日) 夕方~深夜、月と土星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
13日(金) 中秋の名月(「今月の星さがし」で解説)
14日(土) 満月。次の満月は10月14日です
20日(金) 深夜~翌21日明け方、月とアルデバランが大接近
22日(日) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
23日(月) 秋分
24日(火) 未明~明け方、月とポルックスが並ぶ
25日(水) 未明~明け方、細い月とプレセペ星団が大接近
27日(金) 未明、細い月とレグルスが並ぶ
29日(日) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)

9月の惑星

水星

太陽に近く、見えません。次は10月上旬ごろから、夕方の西南西の低空に見えるようになります。

金星

太陽に近く、見えません。次は10月中旬ごろから、宵の明星として夕方の西南西の低空に見えるようになります。

火星

太陽に近く、見えません。次は11月上旬ごろから、明け方の東南東の低空に見えるようになります。

木星

「へびつかい座」にあります。夜19時ごろに南南西の空に見え、22時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.1等級です。

観察シーズンの終盤です。夜20時ごろには南西の空の低いところに移ってしまうので、空が暗くなり始めたらなるべく早いうち、木星の高度が比較的高いうちに観察するとよいでしょう。双眼鏡では木星の周囲を回る4個のガリレオ衛星のうちいくつかが見え、天体望遠鏡を使うと衛星のほかに本体の縞模様も見えます。

6日の夕方から宵のころに上弦の半月と大接近して見えます。肉眼でもよくわかるので、気軽に見たり撮ったりしてみてください。

土星

「いて座」にあります。夜19時ごろに南の空に見え、日付が変わるころに沈みます。明るさは約0.3等級です。

宵のころに見やすい高さにあり、引き続き観察の好期です。科学館や天文台の天体観察会に参加して、天体望遠鏡で環を観察してみましょう。

空の条件が良ければ、木星と土星の間に天の川が流れている光景も見えるでしょう。また、8日の夕方から深夜には、月と土星が大接近する様子が肉眼や双眼鏡で楽しめそうです。

今月の星さがし

秋はとくに月が美しい季節です。13日の中秋の名月や14日の満月を眺めましょう。宵空ではまだ木星と土星がよく見えていて、それぞれに月が大接近する現象も起こります。

6日に半月と木星が大接近、8日には月と土星が大接近

夏の間に見ごろを迎えていた木星と土星は、9月になっても引き続き見やすい状態が続いています。どちらも夜遅くには沈んでしまうため一晩中見ることはできなくなりましたが、これは言い換えれば夜の早い時間帯に見やすい高さにあるということです。科学館や天文台で開催される天体観察会などで、木星の縞模様や土星の環を観察してみましょう。

9月6日 20時、8日 20時、22日 20時(場所は東京、ただし22日は暗い場所のイメージ)の空の様子。囲み内は拡大イメージと、さらに惑星だけを拡大したイメージ

肉眼や双眼鏡では、月と惑星の大接近を眺めるのがおすすめです。6日に上弦の半月と木星が、その2日後の8日に月と土星が、それぞれ大接近します。どちらの接近現象も、月の見かけサイズの3~4個分まで近づくので見ごたえがあるでしょう。

ところで、月と惑星の接近はこの星空案内で春先から毎月のようにご案内していますが、最初は「未明から明け方ごろに、下弦前後の月と接近」していた惑星が「深夜ごろに、満月前後の月と接近」するようになり、その後さらに今月のように「宵のころに上弦前後の月と接近」するようになります。ちなみに来月以降は「夕方に三日月前後の細い月と接近」です。興味のある方は、なぜこのような変化になるのかを考えてみましょう。難しいことはとりあえず考えず、毎月起こる接近にも変化があることを少し意識してみるだけでも、夜空の見方や感じ方が変わってくるかもしれませんね。

また、月明かりがないタイミングで空の暗いところで星空を見上げるチャンスがあれば、木星と土星の間に天の川が流れている光景もお見逃しなく。

13日、中秋の名月

7月の七夕や8月の伝統的七夕、ペルセウス座流星群が夏の風物詩とすれば、秋の風物詩と言えるのが「中秋の名月(十五夜の月)」です。空気の澄んだ秋の夜、白く輝く丸い月は、たいへん美しいものです。街中からでも月はよく見えるので、お月見は気軽に楽しむことができます。

「中秋」とは、秋のちょうど真ん中を指す言葉です。日本でかつて使われていた暦(いわゆる旧暦)では7~9月が秋なので、旧暦の8月15日が中秋ということになります。現行の暦(新暦)では毎年異なる日付になり、今年は9月13日になります。そしてこの夜の月が「中秋の名月(十五夜の月)」と呼ばれています。

※旧暦は現在公的には使われていないため、中秋の名月の日は「太陽太陰暦と同じような方法で求めた8月15日に近い日」として、太陽の位置や月の満ち欠けをもとにして決められます。

ところで十五夜の月は必ずしも満月になるとは限らず、今年の場合は翌14日が満月です。13日の夜に天体望遠鏡で月を観察すると縁が少しだけ欠けているのがわかるかもしれませんが、肉眼では「丸い月」に見えるでしょう。

9月13日深夜、真南の空高く上った中秋の名月。赤い字は主な地形の名前、青い字はアポロ○○号の着陸地点

十五夜以降の月にも様々な呼び名が付けられています。翌日の月は十五夜よりやや遅く昇ることから、「ためらう」という意味の「いざよい(十六夜)」と呼ばれ、さらに翌日は「立って待っていると昇ってくる」ので「たちまちづき(立待月)」(以降、「いまち(居待)」「ねまち(寝待)」「ふけまち(更待)」)となります。こうした呼び方を覚えると、月が古来から身近に親しまれてきたことが実感できるでしょう。

満ち欠けによる形の変化や「月のウサギ」として有名な表面の暗い模様は肉眼でもわかりますが、望遠鏡で観察すると、海と呼ばれる暗い部分(ウサギの正体)や数々のクレーターも見ることができます。さらにしっかりと観察すると、月の縁に近い部分の見え方が変わったり見かけの大きさが変化したりすることもわかるかもしれません。縁付近の見え方が変わるのは月が地球に向けている面が微妙に変わるため、大きさが変わるのは月と地球との距離が変わるからです。近年、一年のうちで最も大きく見える満月が話題になることがありますが、9月14日の(名月翌日の)満月はその反対で「今年最も小さく見える満月」になります。

9月の月の見え方(日本時間21時の形)。満ち欠けだけでなく、縁に近い模様の見え方や、見かけの大きさが変わることがわかる

普段、星空を見るにはまぶしすぎるため月明かりはないほうが嬉しいのですが、反対にその明るさから、月はどんな場所からでも手軽に楽しむことができる天体です。また今年は、人類が初めて月に足を踏み入れたアポロ11号の着陸から50周年という節目にあたり、映画や書籍、科学館の展示などで月が大注目されています。秋の夜長、じっくりと月を観察したり、月について知識を深めたりしてみてはいかがでしょうか。

今月の星座

やぎ座

12月下旬から1月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「やぎ座」、宵空で見やすくなるのは9月ごろです。9月中旬の夜21時ごろに南の空に見え、下向きにとがった三角形を描くように星々が並んでいます。

「やぎ座」

「やぎ座」は一番明るい星でも3等星なので、街中で見つけるのは少し難しいかもしれません。おおまかな目安は、南西の空の高いところに見える「わし座」の1等星アルタイルと、南東の空の低いところに輝く「みなみのうお座」の1等星フォーマルハウトの間あたりです。今年の場合はさらに、南西の空に見える土星も加えた明るい星3つでできる大きい三角形の中に、「やぎ座」の三角形があるイメージです。肉眼でわかりにくければ、オペラグラスや双眼鏡を使うと見つけやすくなります。ページ上部の「星空写真」では、ちょうど流れ星の辺りに「やぎ座」が広がっているのですが、見つけられるでしょうか(流れ星の先にある明るい星は、撮影時の2018年夏に地球と大接近していた火星です)。

「やぎ座」のモデルは、牧神パーンが変身した姿といわれています。怪物に襲われそうになり泳いで逃げようとしたパーンですが、慌てたせいか変身に失敗し、上半身が山羊、下半身が魚という不思議な格好になってしまいました。「やぎ座」が少し目立たないのは、パーンが恥ずかしがっているからかもしれません。

やぎの頭の二重星

「やぎ座」の頭のところにある星は、それぞれ二重星です。

α(アルファ)星の「アルゲディ」は、黄色い4等星が並んだ二重星です。空が暗ければ肉眼でも分離して見えますが、双眼鏡を使えば街中でも簡単に2つに分かれます。

β(ベータ)星の「ダビー」は黄白色の3等星と青白色の6等星のペアです。アルゲディより暗く間隔が小さいですが、やはり双眼鏡があれば楽に見えます。

双眼鏡ではアルゲディとダビーが同一視野に入るので、2組の二重星が一緒に見えます。明るさや色の違いに注目しながら眺めてみましょう。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は9月中旬の深夜1時ごろの星空です。10月中旬の深夜23時ごろ、11月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2019年9月中旬 深夜1時ごろの星空

宵空で目立っていた木星、土星は沈んでしまい、「夏の大三角」も西の空に低くなりました。宵のころ、高いところにあるときに見た印象よりも大きく感じられるでしょう。さらに今月ご紹介した「やぎ座」も、南西の空に沈みかけています。

頭の真上辺りには、秋を代表する星の並び「秋の四辺形」が見えます。秋の四辺形の西側(図では右側)の辺を南に向かって伸ばしていくと、秋の唯一の1等星、「みなみのうお座」のフォーマルハウトにぶつかります。反対に秋の四辺形から頭の真上を越えて北の空を見上げると、「カシオペヤ座」の星が並んでいるのが目に付くでしょう。図ではW字形に見えますが、北の空を向くと(星図の北を下にすると)M字形になります。

残る方角、東の空には冬の星々が見え始めており、たいへんにぎやかです。低空まで見晴らしがよければ、「オリオン座」や「ふたご座」が横倒しで昇ってくるのも見えるかもしれません。

深夜になれば暑さも和らぎ、涼しさが感じられそうです。心地よい初秋の星見をお楽しみください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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