Nikon Imaging
Japan

2019年4月の星空

明け方の東の空に水星と金星が並びます。かなり低空ながら、金星を目印に水星を見つけるチャンスです。早起きして探してみましょう。宵の西の空では火星が「おうし座」の中を動いていきます。「しし座」や北斗七星など、春を代表する星々が見ごろです。

星空写真

横手山にて
標高2,307メートルの横手山山頂からの撮影です。手前から白根山、本白根山、浅間山の活火山を前景に、薄明前に昇ったばかりの夏の銀河を配しました。標高約2,300メートルは透明度が高く、夏の銀河の色がカラフルに描写されました。

2018年4月21日 3時37分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 24mm f/1.4G ED(ISO 12800、露出8秒を6枚合成、f/2.5)
撮影者:高岡 誠一

4月の星空

南の空

南の空

2019年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(19日)、上弦(13日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(火) 明け方、細い月と金星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
3日(水) 明け方、細い月と水星が接近(「今月の星さがし」で解説)
5日(金) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
9日(火) 夕方~宵、細い月と火星、アルデバランが接近(「今月の星さがし」で解説)
13日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
15日(月) このころ、夕方~宵に火星とアルデバランが並ぶ
夕方~翌16日未明、月とレグルスが接近
17日(水) このころ、明け方に水星と金星が接近(「今月の星さがし」で解説)
19日(金) 満月。次の満月は5月19日です
24日(水) 未明~明け方、月と木星が接近
26日(金) 未明~明け方、月と土星が大接近
27日(土) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)

4月の惑星

水星

明け方の東の低空に見えます。

日の出30分前(東京で朝4時40分ごろ)の高度は約5度と非常に低いのですが、近くに輝く金星が目印になるので、地平線近くまで見晴らしが良ければ見つけられるでしょう。水星と金星が最接近するのは17日ごろです。観察に適した場所を探しておきましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。「今月の星さがし」も参考にしてください。

また、3日の明け方に月齢27の細い月と接近します。

金星

明けの明星として、明け方の東の空に見えます。

日の出30分前(東京で朝4時40分ごろ)の高度は約8度とかなり低いため、建物などに遮られてしまいがちですが、見晴らしが良いところであれば、非常に明るいので見つけられるでしょう。水星と同様に、観察に適した場所を探しておきましょう。

中旬ごろを中心に水星と接近します。金星と水星が最接近するのは17日ごろです。「今月の星さがし」を参考に、水星と金星の両方を見つけてみましょう。

また、2日の明け方に月齢26の細い月と並びます。やや間隔は広めですが、美しい光景なので、ぜひ早起きして眺めてみてください。

火星

「おうし座」を動いています。夜20時ごろに西の空の低いところに見え、深夜22時ごろに沈みます。明るさは約1.5等級です。

上旬は「おうし座」のプレアデス星団の近くに並んで見え、中旬には1等星アルデバランと並んで見えます。アルデバランは赤っぽい星なので、火星と赤さや明るさを見比べてみましょう。

9日に月齢4の細い月と接近します。この日は月の近くにヒヤデス星団の星々もあり、双眼鏡で観察すると火星・細い月・星団の星々が見えて楽しめます。「今月の星さがし」も参考にしてください。

木星

「へびつかい座」にあります。深夜23時ごろに昇り、未明1時ごろに南東の空、明け方4時ごろに南の空に見えます。明るさは約マイナス2.4等級です。

日付が変わる前に昇るようになり、少しずつ見やすくなってきています。空が明るくなり始める直前の時間帯(東京で未明3時半ごろ)が、木星が高いので見やすいでしょう。双眼鏡を使うと、木星の周囲を回る4個のガリレオ衛星のうちいくつかが見えるかもしれません。天体望遠鏡では表面の縞模様が見えます。意欲のある方は観察してみてください。

24日に月齢18の月と接近します。

土星

「いて座」にあります。未明1時ごろに昇り、明け方4時ごろに南東の空に見えます。明るさは約0.3等級です。

見やすい時間帯にはそれほど高くないので、天体望遠鏡での観察にはあまり適していませんが、望遠鏡を向ければ環が見えるでしょう。機会があれば木星と共に観察してみてください。

26日に月齢20の下弦前の月と大接近して見えます。

今月の星さがし

明け方の東の低空で水星と金星が並んで見えます。月初めには細い月と共演し、中旬ごろには互いに接近します。金星を目印に水星を見つけてみましょう。また、9日の宵には細い月と火星が「おうし座」のヒヤデス星団の星々に近づきます。

明け方の水星と金星

春先ごろから明け方の東~南東の空に、木星、土星、金星と3つの惑星が見えています。このうち金星はどんどん高度が下がっているため、明けの明星と呼ばれるほどの金星でも、少し見つけにくくなってきています。地平線近くまで開けた場所で眺めましょう。

今月はこの金星の近くに、水星も見えます。水星は見かけ上太陽から大きく離れることがないので、日の出前の東の低空か日の入り後の西の低空という、明るい空の中にしか見えません。そのため、肉眼でも見える明るい惑星でありながら、水星を見つけるのはなかなか難しいのです。今月は金星が目印になるので、低空ではありますが水星を見るチャンスです。

まず、月初めの2日と3日に、金星と水星それぞれに細い月が近づきます。金星や月、夜明け空の美しさや色の変化を楽しみながら、水星も探してみましょう。

4月2日と3日の、朝5時ごろの東の空の様子(場所は東京)。線は10度間隔(腕を伸ばして握りこぶしを見た幅くらいの間隔)。囲み内は双眼鏡で見たイメージ(直径7度)

水星と金星は8日ごろから、双眼鏡の同一視野内に見えるくらいに近づきます。水星は金星よりも暗くて低いためにわかりにくいので、最初は双眼鏡で探すと良いでしょう。金星を双眼鏡の視野の右上に入れると、水星が左下に見えるはずです。両惑星が最接近するのは17日ごろです。

4月8日から23日まで、3日ごとの東の空の様子(日の出30分前、場所は東京)。線は10度間隔(腕を伸ばして握りこぶしを見た幅くらいの間隔)。囲み内は双眼鏡で見たイメージ(直径7度)

高さの点では決して好条件ではなく、春霞のために空気の透明感もいまいちではあるものの、金星という目印のおかげで、今月は水星を見つけるチャンスです。新年度のスタート、早起きして、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。

9日、宵空で細い月と火星、ヒヤデス星団が接近

南の空に「しし座」が高く昇る宵のころ、西の空には「おうし座」や「オリオン座」などが見えます。その「おうし座」の中を、火星がゆっくりと動いています。先月末から今月初めにかけて、火星は「おうし座」のプレアデス星団(すばる)の近くを通り過ぎていきます。火星の明るさは(四捨五入で)2等級まで暗くなっていて、同じく赤っぽく見える「おうし座」のアルデバランや「オリオン座」のベテルギウスよりも控えめに輝いています。

9日の宵のころ、プレアデス星団から少し遠ざかった火星の近くに、月齢4の細い月がやってきます。月と火星が並ぶ光景は肉眼でもよく見えますが、双眼鏡を向けてみると、月の近くに星がいくつか集まっている様子がわかります。この星々は、牛の顔にあたる部分に広がる「ヒヤデス星団」という天体の一部です。

4月9日 夜20時の西の空の様子(場所は東京)。囲み内はヒヤデス星団付近の拡大イメージ(直径5度)で、星団の星に対する月の動きを表している。実際には、東京では22時前に月が沈む

このように9日の細い月は、火星だけでなくヒヤデス星団とも並びますが、時間の経過とともに星団の星の手間を通って隠していきます。こうした現象は恒星食と呼ばれ、とくに今回の場合は「ヒヤデス星団食」と呼ばれます。どの星が何時ごろ隠されたり再び現れたりするのかは観察する場所によって異なりますが、だいたい夜20時~22時ごろ(月没ごろ)まで見られます。

星団の星が月に隠される瞬間や月から現れる瞬間を詳しく観察するには天体望遠鏡が必要ですが、星々の間を月が動いていく様子は双眼鏡でもわかります。アルデバランと月の位置関係が変化する様子は肉眼でもわかりますので、双眼鏡がなくても眺めてみましょう。

月がヒヤデス星団の星々に対して数時間のうちに動いていくのは月が地球の周りを公転しているため、そして火星がプレアデス星団やヒヤデス星団に対して数日かけて動いていくのは地球と火星が太陽の周りを公転しているためです。それぞれの天体がどういう位置関係になっているのか、ぜひ考えてみてください。

今月の星座

しし座

7月下旬から8月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「しし座」、宵空で見やすくなるのは4月ごろです。4月中旬の夜20時から21時ごろに、南の空の高いところに昇ります。

「しし座」「こじし座」
(星雲の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「しし座」の目印は、ライオンの胸に輝く青白い1等星レグルスです。このレグルスの上、オレンジ色の2等星アルギエバが輝いているあたりがライオンの頭です。さらに、レグルスの左(東)が胴体で、白い2等星デネボラが尻尾にあたります。レグルス、アルギエバ、デネボラは街中でも見つけやすいので、頭、胸、尻尾がわかるでしょう。

空の条件が良ければ、「ししの大鎌」と呼ばれるクエスチョンマークを左右反対にしたような星の並び(頭から胸のあたり)や、足の部分の星もたどってみましょう。「しし座」の上にある「こじし(小獅子)座」も、暗い星ばかりですが見つけられるかもしれません。春の夜空を駆ける、雄大なライオンの姿を思い描いてみてください。

二重星アルギエバ

アルギエバに天体望遠鏡を向けると、オレンジ色の2等星と黄色の4等星が並んで見えます。とても美しい二重星ですので、天体望遠鏡をお持ちの方はぜひ観察してみましょう。

M66銀河群、M96銀河群

ライオンの後ろ足の付け根あたりには「M65、66、NGC 3628」という3つの銀河が集まっています(MやNGCというのはカタログ名です)。また、お腹のあたりにも「M95、96、105」という3つの銀河が集まっています。いずれも9~10等級の明るさで、空の条件の良いところでは口径10cm程度の望遠鏡で見ることができます。

この3つずつの銀河はそれぞれ、見かけ上の位置が近いだけでなく、宇宙空間内でも実際に近い距離にあります。このような小規模の銀河の集まりを「銀河群」といい、前者は「M66銀河群」に、後者は「M96銀河群」に属しています。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は4月中旬の深夜1時ごろの星空です。5月中旬の深夜23時ごろ、6月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星は少し動きます/月が見えることもあります)。

2019年4月中旬 深夜1時ごろの星空

「しし座」が西の地平線へと空を駆け下りています。宵のころに空高く駆けるライオンは雄々しく見えますが、沈んでいくところにも風格を感じられます。ライオンの尾の星デネボラと「おとめ座」のスピカ、「うしかい座」のアルクトゥールスを結ぶと、南西の空に大きな「春の大三角」が描けます。スピカとアルクトゥールスは、北斗七星から続く「春の大曲線」の一部でもあります。

南東の空には「さそり座」が見え始めました。「しし座」の胸に輝くのは青白いレグルスですが、「さそり座」の胸には赤いアンタレスが光ります。その左のほうに、木星の圧倒的な輝きも目に付くでしょう。地平線まで見晴らしが良ければ、土星も見つかるかもしれません。

東の地平線近くには「夏の大三角」も見えています。春夏それぞれの大三角に木星、土星など、深夜の空にも見どころがいっぱいです。新年度早々に夜更かしをされている方は、ちょっと一息入れて、星空を見上げリラックスしてみてはいかがでしょうか。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

星空観察のワンポイントアドバイス