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Japan

2019年3月の星空

明け方の南東の空に木星・土星・金星が並んでいます。月初めと月末には月も近づき、4天体を一度に眺められます。宵空の星座は冬から春へと移り替わりつつあります。少しずつ暖かくなる陽気を感じながら空を見上げてみましょう。

星空写真

房総にて
2つの島の間から、かに座が昇ってきました。かにの甲羅にあるプレセペが目立ちます。潮騒が心地よかったです。

2018年1月5日 20時2分
ニコン D800E+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(24mm、ISO 3200、露出30秒、f/2.8)
撮影者:鈴木 祐二郎

3月の星空

南の空

南の空

2019年3月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(21日)、上弦(14日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年3月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(土) 未明~明け方、細い月と土星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
3日(日) 明け方、細い月と金星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
7日(木) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
11日(月) 夕方~宵、月と火星が並ぶ
13日(水) 夕方~深夜、月とアルデバランが大接近
14日(木) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
19日(火) 未明、月とレグルスが並ぶ
21日(木) 満月。次の満月は4月19日です
春分
22日(金) 深夜~翌23日明け方、月とスピカが並ぶ
27日(水) 未明~明け方、月と木星が接近
28日(木) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
29日(金) 未明~明け方、月と土星が接近
31日(日) このころ、夕方~宵に火星とプレアデス星団が接近(「今月の星さがし」で解説)

3月の惑星

水星

太陽に近いため、見えません。

金星

明けの明星として、未明から明け方の南東の空に見えます。

日の出1時間前(東京で朝4時50分ごろ)の高度は約10度ほどとかなり低めですが、非常に明るいので、建物などに遮られなければ見つけるのは簡単です。見晴らしの良いところで探してみましょう。日の出30分前まで待てばもう少し高くなるので見つけやすくなります。

3日に月齢26の細い月と大接近します。細い月と金星の共演はとても美しい光景ですので、ぜひ眺めたり写真に撮ったりしてみましょう。また、土星との並び方の変化を追うのも楽しみです。

火星

「おひつじ座」から「おうし座」へと動いていきます。夜19時ごろに西の空に見え、深夜22時ごろに沈みます。明るさは約1.3等級です。

下旬ごろから「おうし座」のプレアデス星団の近くに並んで見えるようになります。「今月の星さがし」を参考にして眺めてみましょう。また、「おうし座」のアルデバランや「オリオン座」のベテルギウスと、赤さ明るさを見比べてみましょう。

11日に月齢5の月と並びます。

木星

「へびつかい座」にあります。未明1時ごろに昇り、4時ごろに南南東の空に見えます。明るさは約マイナス2.1等級です。

見やすい時間帯にはそれほど高くないので、天体望遠鏡での観察には向いていません。双眼鏡では、木星の周囲を回る4個のガリレオ衛星のうちいくつかが見えるかもしれません。

27日に下弦前の半月と接近します。

土星

「いて座」にあり、明け方の南東の低空に見えます。明るさは約0.4等級です。低いため、天体望遠鏡での観察には向いていません。

2日に月齢25の細い月と大接近して見えます。また、29日にも月齢22の下弦過ぎの半月と接近して見えます。それぞれ、早起きして眺めてみましょう。明け方の南東の空には木星や金星も見えており、とくに金星との間隔が日々広がっていく様子はよくわかりますので、こうした変化も楽しんでみましょう。

今月の星さがし

先月に続き、明け方の空に金星、木星、土星が見えています。月初めと月末には月も接近しますので共演を楽しみましょう。宵の西の空では下旬ごろから、火星とプレアデス星団が並びます。

明け方の木星、土星、金星と月

先月から明け方の南東の空に、木星、土星、金星と3つの惑星が並んで見えるようになっています。南寄り(南東から右方向)にあって一番高いのが木星、東寄り(左方向)で一番低く、そして最も明るいのが金星で、その間にあるのが土星です。

惑星は星座の中を動いていくので、この3つの惑星の並び方は毎日少しずつ変化していきます。とくに金星と土星の間隔が開いていく様子がわかりやすいでしょう。惑星の色や明るさの違いを比べたり、並び方の変化を追ったりしてみましょう。

2月28日から3月3日まで、朝5時の南東の空の様子(場所は東京)。囲み内は月と惑星のズームアップ(直径5度)。3日の星図の小さい囲みは月と惑星の拡大イメージ(惑星は月の10倍強調)

また、2日には土星のそばに細い月が、3日には金星のそばに細い月が、それぞれ並びます。2月28日には木星と月が並ぶので、毎日のように月と惑星の共演が見られるわけです。並ばない1日は「3惑星と月が一直線に並ぶ」日になるので、やはり見ものです。月がだんだん細くなっていく様子にも注目してみてください。肉眼でもよく見えますが、双眼鏡やフィールドスコープを使うと月の模様なども見えるので、いっそう楽しくなります。地上風景を入れて月と惑星が並んでいる写真を撮ってみるのも面白いでしょう。

月と惑星の接近は月末にも起こります。月初めと月末では惑星の高さや惑星同士の間隔、月の形や空の暗さが変わるので、記憶と記録を頼りに比較してみてはいかがでしょうか。

宵空で火星とプレアデス星団が接近

肉眼で見やすい4つの惑星のうち3つは明け方に見えますが、残る1つの火星は、夕方から宵の空に見えます。下旬ごろから火星は「おうし座」の領域に入り、「すばる」という名前でも知られているプレアデス星団の近くを通り過ぎていきます。火星とプレアデス星団が最接近するのは31日から4月1日ごろですが、前後しばらくの間は並んでいる様子が楽しめます。

3月25日から4月6日まで、2日ごとの西の空の様子(夜19時30分、場所は東京)。囲み内は双眼鏡で見たイメージ(直径7度)

プレアデス星団は比較的明るい星団なので肉眼でも見えます。火星の近くにある、星が数個集まっているところを探してみましょう。街明かりや月明かりの強さにもよりますが、3~6個ほどの星が見えるはずです。

双眼鏡を使うとより多くの星が見えるので、さらに美しい眺めになります。火星の赤っぽい色と星々の青白い色との対比も見ものです。じっくりと観察してみてください。

この時期、宵の西の空には「おうし座」のアルデバランや「オリオン座」のベテルギウスといった赤っぽい星が輝いています。火星と星団の赤青比べだけでなく、赤い3つの星の見比べも面白そうですね。

今月の星座

かに座

6月下旬から7月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「かに座」、宵空で見やすくなるのは3月ごろです。3月中旬の夜20時から21時ごろに、南の空の高いところに昇ります。

「かに座」

「かに座」は一番明るい星でも3.5等級しかないので、街明かりがあるところでは見つけられないかもしれません。「ふたご座」のポルックス、「しし座」のレグルス、「こいぬ座」のプロキオンという3つの1等星でできる三角形の中あたりあるので、位置の見当はつけやすい星座です。

暗い星座ですが形は比較的わかりやすく、かにの甲羅にあたる小さな四角形やそこから伸びる手足の位置に星が並んでいます。目を凝らして探してみてください。

プレセペ星団M44

甲羅の4つの星の部分には、たくさんの星々が集まっています。「かいば桶(馬の餌桶)」という意味の語に由来する「プレセペ」という名前が付けられた散開星団(星の集まり)で、プレセペの南北にある星(2匹のロバ)が“かいば”を食べている姿に見立てたものとされています。英語では「ビーハイブ(蜂の巣)星団」とも呼ばれ、メシエカタログという天体リストの44番目の天体なので「メシエ44、エム44」という番号でも知られています。

プレセペ星団は、空の条件が良い所では肉眼でも存在がわかるほど明るく立派な天体です。「ふたご座」のポルックスと「しし座」のレグルスの間あたりを眺めてみましょう。街中でも、双眼鏡を使えば見つけられるはずです。天体望遠鏡で見る場合には、低倍率にして広い視野で観察するとよいでしょう。

散開星団M67

プレセペ星団だけでなく、かにの南側のはさみの先あたりにもM67という星団があります。プレセペ星団ほどではないものの、こちらも比較的見やすく、空の条件が良いところでは双眼鏡で簡単に見つけられます。双眼鏡や天体望遠鏡で、2つの星団を見比べてみましょう。

二重星かに座ι星

かにの北側のはさみの先にあるι(イオタ)星は黄色っぽい4等星と白い6等星が並んだ二重星で、小型の天体望遠鏡でも見やすい、春の名天体の一つです。天体観察会などで見せてもらえるチャンスがあるかもしれませんので、ぜひ覚えておいてください。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は3月中旬の深夜1時ごろの星空です。4月中旬の深夜23時ごろ、5月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2019年3月中旬 深夜1時ごろの星空

南の空に「春の大三角」が大きく広がっています。三角形を作る星の一つ、2等星のデネボラは「しし座」の尾の位置にあり、そこから西に目を移して1等星レグルスなどをつなぐと、天を駆けるライオンの姿が描けます。

北の空に注目すると、高いところに「北斗七星」が見えています。ひしゃくの柄のカーブを南へと延ばすと、「うしかい座」のアルクトゥールス、「おとめ座」のスピカへと連なる「春の大曲線」が描けます。頭の真上にかかるアーチをたどってみてください。

また北東の空の低いところには、「こと座」のベガと「はくちょう座」のデネブも見えています。東の空には木星も見え始めています。夜更かしした日には、こうした星々も見つけてみてください。そのまま起きていると「わし座」のアルタイルや土星、金星も昇ってきますが、寝不足にはご注意を。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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