Nikon Imaging
Japan

2019年2月の星空

明け方の南東の空に金星・木星・土星が並びます。細い月が近づくタイミングでは、いっそう美しい光景になります。寒い時期ではありますが、惑星同士の間隔が日々変化する様子を確かめてみましょう。宵空でカラフルに輝く、冬の明るい星々も美しく楽しめます。

星空写真

北軽井沢にて
厳冬期の北軽井沢でマイナス10℃以下に冷え込んだ中、105mmの中望遠レンズで浅間山とプレアデス星団を配しました。厳冬の凛とした雰囲気が表現できたように思います。

2018年2月13日 23時57分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED(ISO 12800、露出2秒を4枚合成、f/1.4)
撮影者:高岡 誠一

2月の星空

南の空

南の空

2019年2月1日ごろの22時、15日ごろの21時、28日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(20日)、上弦(13日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年2月1日ごろの22時、15日ごろの21時、28日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

1日(金) 未明~明け方、細い月と金星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
2日(土) 明け方、細い月と土星が接近(「今月の星さがし」で解説)
4日(月) 立春(こよみの上で春の始まり)
5日(火) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
13日(水) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
このころ、夕方~宵に火星と天王星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
14日(木) 夕方~翌15日未明、月とアルデバランが接近
19日(火) このころ、未明~明け方に金星と土星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
夕方~翌20日明け方、月とレグルスが接近
20日(水) 満月(今年最大の満月、「今月の星さがし」で解説)。次の満月は3月21日です
26日(火) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
27日(水) このころ、夕方の西の低空で水星がやや見やすい
28日(木) 未明~明け方、月と木星が接近

2月の惑星

水星

15日ごろから、夕方の西の低空に見えます。

日の入り30分後(東京で夕方18時ごろ)の高度は10度前後で、太陽から大きく離れることがない水星としては好条件です。とはいえ、10度というのは相当低いので(腕を伸ばして握りこぶしを見た幅くらいの間隔)、西の空の見晴らしが良いところで探すようにしましょう。金星のような明るい目印がないので、星図アプリなどで位置をよく確かめて、双眼鏡を使って見つけてみてください。

金星

明けの明星として、未明から明け方の南東の空に見えます。

日の出1時間前(東京で朝5時30分ごろ)の高度は約15度ほどと低めですが、非常に明るいのでよく目立ちます。建物などに隠されなければすぐに見つけられるでしょう。空がかなり明るくなっても、見えるかもしれません。

1日に月齢26の細い月と大接近します。細い月と金星の共演はとても美しい光景ですので、ぜひ眺めたり写真に撮ったりしてみましょう。また、木星や土星との並び方の変化を追うのも楽しみです。金星と土星は19日ごろに大接近するので、こちらも早起きして観察してみましょう。

火星

「うお座」から「おひつじ座」へと動いていきます。夜19時ごろに西の空に見え、深夜22時30分ごろに沈みます。明るさは約1.0等級です。

明るい星が少ない宵の西の空で、印象的な赤っぽい色がよく目立ちます。南の空に輝く華やかな冬の星々だけでなく、火星の色や明るさにも注目してみましょう。

また今月中旬ごろは、火星を目印にして天王星を見つけるチャンスです。「今月の星さがし」を参考に、双眼鏡で探してみてはいかがでしょうか。

木星

「へびつかい座」にあり、未明から明け方の南南東の空に見えます。明るさは約マイナス1.9等級です。

まだそれほど高くないので天体望遠鏡での観察には向いていません。存在は肉眼でもよくわかるので、早起きして金星や土星と一緒に眺めてみましょう。双眼鏡では、木星の周囲を回る4個のガリレオ衛星のうちいくつかが見えるかもしれません。

28日に下弦過ぎのやや細い月と接近します。

土星

「いて座」にあり、明け方の南東の低空に見えます。明るさは約0.5等級です。かなり低いため、天体望遠鏡での観察には向いていません。

10日ごろから金星と接近して見えます。最接近は19日ごろで、その前後の日からは土星のほうが高く見えるようになります。やや離れたところにある木星を含めた3惑星の、並び方の変化を追ってみましょう。また、2日に月齢27の細い月と接近する現象も見逃せません。早起きしてしっかり防寒をして、眺めてみてください。

今月の星さがし

明け方の東の空に金星、木星、土星が見えています。細い月も並ぶ、にぎやかな光景を楽しみましょう。もう一つの見やすい惑星の火星は、宵空で天王星と大接近します。

明け方の金星と木星、土星/1日と2日には細い月も接近

今月も「明けの明星」の金星が、明け方の南東の空でキラキラ輝いています。どの季節、どの時間帯に見る金星の輝きも印象的ですが、冬の早朝という冷たい空気の中で見る光は、とくに美しく感じられるものです。

この金星の右上のほうには木星も見えています。金星よりは控えめながら、木星も明るいので、明け方の空がさらに華やかさを増しています。また、金星の左下のほう(19日ごろからは金星より上)には土星もあります。土星は木星よりも暗いですが、1等級なので肉眼でもよく見えます。

惑星は星座の中を動いていくので、この3つの惑星の並び方は毎日少しずつ変化していきます。数日おきにでも観察してみると、よくわかるでしょう。とくに、金星と土星が19日ごろに大接近する光景は見ものですので、ぜひご覧ください。

2月4日から24日まで、5日ごとの南東の空の様子(5時30分、場所は東京)。線は10度間隔(腕を伸ばして握りこぶしを見た幅くらいの間隔)。囲み内は双眼鏡で見たイメージ(直径7度)

1日と2日には、金星と土星のそばに細い月が並びます。1月31日には木星と細い月が並ぶので、3日続けて細い月と惑星の接近現象が見られるということになります。月の形や月と惑星の間隔、空の明るさや雲の様子などは毎日変化するので、ぜひ3日とも観察してみましょう。肉眼でも美しく見えますし、双眼鏡やフィールドスコープを使うと月の模様や月の暗い側がほんのりと光る地球照もよく見えます。写真撮影にもトライしてみてはいかがでしょうか。目で見たように撮るのは難しいかもしれませんが、たとえ少しくらいブレたりピントがずれたりしていても、いい思い出になるはずです。

1月31日から2月2日まで、朝5時45分の南東の空の様子(場所は東京)。囲み内は月と惑星のズームアップ(直径5度)

宵空で火星と天王星が大接近

肉眼で見やすい4つの惑星のうち3つは明け方に見えますが、残る1つの火星は、夕方から宵の空に見えます。昨年夏の地球最接近から半年が過ぎ、当時に比べればかなり暗くなりましたが、それでもまだ1等級の明るさがあるので、同じ時間帯に南から南東の空に見える冬の星々にも引けを取っていません。

今月中旬ごろ、この火星のすぐ近くに天王星も見えます。天王星の明るさは約6等級なので肉眼で見るのは困難ですが、双眼鏡を使うと楽に見えます。多少の街明かりや月明かりがあっても見つけられるので、今月はぜひ火星を目印にして天王星を探してみましょう。

2月9日から17日まで、2日ごとの西の空の様子(夜20時、場所は東京)。囲み内は双眼鏡で見たイメージ(直径7度)

火星は圧倒的に明るいので見間違えることはありませんが、天王星に似た明るさの星は近くにいくつかあるので、間違えないように気をつけてください。双眼鏡で見たイメージ図を参考にして、星の並び方をよく確かめると良いでしょう。最接近する13日ごろの前後は、低倍率の天体望遠鏡の同一視野内に入るほどの大接近となりますので、両方を一緒に見るのも面白そうです。チャンスがあれば試してみてください。

見かけ上大接近する火星と天王星ですが、地球からの距離は実際には約28億km(13日)も離れています。先にご紹介した金星と土星の接近や月と惑星の接近も、地球からそれぞれの天体までの距離はもちろん大きく異なっています。天体の接近現象を眺めるときには、こうしたことにも少し想像を巡らせてみましょう。

19~20日、今年最大の満月

月は約1か月の間に、満ち欠けによって形(光っている部分)が大きく変化します。それに加えて、月の「見かけの直径」も日々変化しています。月が地球の周りを回る軌道は楕円なので、月と地球の距離が変化し、それによって見かけの大きさが変わるのです。

つまり、月と地球が一番近づいたタイミングの前後で満月になれば、とくに大きな(直径が大きく、光っている面積の割合も大きい)月が見える、ということになります。今年の場合は2月19日の宵から20日の明け方にかけての月が「今年一番大きい満月」にあたります。

2019年の満月の大きさ比較。いずれも「地球の中心」から見た「満月の瞬間の月」を表示している。細い円は2月20日(最大の満月)の大きさを表す

今年満月として最小となる9月14日と、最大となる2月20日の比較

今年最小の満月(9月14日の明け方もしくは夕方)と比べると、19~20日の満月は直径で14%、面積で約30%も大きくなります(地球の中心から見た大きさで比較)。図を見るとずいぶん差があるように思えるでしょうが、実際の空で月を2つ並べて観察することはできないので、その差は実感しにくいものです。

最大の(一番近い)満月だからといって何か特別なことが起こるわけではありませんが、やはり「一番」というものには普段以上の魅力を感じてしまうのも事実です。冷たい冬の空にキリっと輝く大きな満月を、ぜひ眺めてみてください。

今月の星座

ふたご座

5月下旬から6月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「ふたご座」、見やすいのは冬から春の時期です。2月中旬の夜20時から21時ごろに、南の空の高いところ、「冬の大三角」の上のほうに見えます。

「ふたご座」
(星雲の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「ふたご座」の目印は、2つ仲良く並んで輝く、まさに双子のような明るい星です。黄~オレンジ色に見える明るいほうの星が弟ポルックス(1.2等級)、ポルックスよりは暗く、白っぽい色に見えるのが兄カストル(1.6等級)です。日本には「きんぼし・ぎんぼし」という呼び方もあります。

この2つの星を兄弟それぞれの頭として、「オリオン座」のほうに向かって胴や足が伸びています。ポルックスの足先の星アルヘナも2等星でよく目立ちます。

毎年12月中旬に多くの流れ星を見せてくれる「ふたご座流星群」は、カストルのあたりを中心として流れ星が飛ぶように見えます。また、カストルは六重連星系で、6個の星が複雑に巡りあっているという不思議な世界が広がっています。

一方ポルックスには、その周りを600日弱で公転している惑星が見つかっています。双子の兄弟の星は、連星であったり惑星を持っていたりと、それぞれの友達も近くにいるようですね。

散開星団M35

カストルの足先に、美しい散開星団(星の集まり)のM35があります。M35とはフランスの天文学者メシエが作成したカタログの35番目の天体という意味です。

比較的明るい星団なので、多少の街明かりがあるような場所でも双眼鏡を使えばボンヤリとした像を見ることができます。街明かりを離れ空の条件の良いところで天体望遠鏡を使って観察すると、より暗い星まで見え、すばらしい眺めを堪能できます。星団全体が見渡せるように、倍率は低め(30~50倍程度)が良いでしょう。機会があれば、ぜひ観察してみてください。

くらげ星雲

カストルの足の先にはM35のほかに、「くらげ星雲」という愛称で呼ばれる天体もあります。重い星が一生の最期に大爆発を起こし、広がった物質が見える超新星残骸の一つです。

見かけ上は満月よりも大きいのですが、淡いので観察するのは難しいでしょう。インターネットで画像を検索し、くらげのお皿や足の部分に広がる繊細なフィラメント状構造をじっくり眺めてみましょう。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は2月中旬の深夜1時ごろの星空です。3月中旬の深夜23時ごろ、4月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2019年2月中旬 深夜1時ごろの星空

「冬の大三角」が西の空に大きく傾きました。「ふたご座」は西の空で、地平線に足を向けて立っているような姿に見えます(星図で、西を下にしたところをイメージしてみてください)。

沈みゆく冬の星座たちに代わり、南から南東の空には春の星座が広がっています。南の空の高いところに「しし座」が駆け、南東の空に「春の大三角」が大きく広がっています。

北の空の高いところには「北斗七星」も見えています。高く昇った北斗七星は、春の訪れを感じさせる星の並びの一つです。実際にはまだしばらく寒い日々が続きますが、星空の世界で一足先に春を感じてみてはいかがでしょうか。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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