Nikon Imaging
Japan

2019年1月の星空

新しい一年の始まり。さっそく最初の1週間に、注目の天文現象が続きます。2日の明け方に細い月と明けの明星が大接近し、4日の明け方はしぶんぎ座流星群が見ごろ、そして6日の朝から昼にかけて国内では3年ぶりの日食が起こります。しっかりと準備して観察してみましょう。

星空写真

安曇野にて
明け方、空が徐々に明るくなり、北アルプスが現れてきました。おうし座、オリオン座、おおいぬ座が西に傾き、天の光と地の明かりが競い合っています。至福のひとときです。

2018年11月11日 5時14分
ニコン D800E+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(14mm、ISO 3200、露出8秒、f/2.8)
撮影者:鈴木 祐二郎

1月の星空

南の空

南の空

2019年1月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(21日)、上弦(14日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2019年1月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

1日(火) 初日の出
2日(水) 未明~明け方、細い月と金星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
3日(木) 未明~明け方、細い月と木星が並ぶ
4日(金) しぶんぎ座流星群の活動がピーク(「今月の星さがし」で解説)
6日(日) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
部分日食(朝8時半ごろ~昼12時ごろまで。「今月の星さがし」で解説)
13日(日) 夕方~宵、月と火星が並ぶ
14日(月) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
17日(木) 夕方~翌18日未明、月とアルデバランが大接近
21日(月) 満月。次の満月は2月20日です
23日(水) 未明~明け方、月とレグルスが接近
宵、月とレグルスが並ぶ(明け方とは並び方が異なります)
このころ、未明~明け方に金星と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)
27日(日) 未明~明け方、月とスピカが並ぶ
28日(月) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
31日(木) 未明~明け方、細い月と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)

1月の惑星

水星

5日ごろまで、明け方の東南東から南東の低空に見えます。

日の出30分前(東京で朝6時20分ごろ)の高度は5度前後と低く、目印になるような明るい天体が近くにないために見つけるのは少し難しそうです。水星から離れたところに輝いている金星や木星との位置関係を参考にしながら、星図アプリなどで位置をよく確かめて探してみましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

金星

明けの明星として、明け方の南東の空に見えます。

日の出1時間前(東京で朝5時50分ごろ)の高度は約25度あり、非常に明るいこともあって目立ちます。冬の早朝の張り詰めた空気の中で見る明星は、輝きがいっそう強く感じられるでしょう。

2日に月齢26の細い月と大接近します。細い月と金星の共演はとても美しく、新年2日目の朝から早速良い気分になれそうです。ぜひ眺めたり写真に撮ったりしてみましょう。また、1月の後半から木星と並ぶ様子も楽しみです。明るい惑星が2つ、明け方の空に輝く光景を、早起きして観察してみてください。

火星

「うお座」を動いています。夜19時ごろに南西の空に見え、深夜23時ごろに沈みます。明るさは約0.7等級です。

明るい星が少ない宵の西の空で、印象的な赤い色がよく目立ちます。東の空に昇ってくる華やかな冬の星々だけでなく、火星を起点に西の空にも注目してみましょう。見かけの大きさが小さくなったため、天体望遠鏡で模様を観察するのは難しいですが、望遠鏡では肉眼よりも色や明るさを強く感じられるでしょう。

15日の夕方から宵にやや細めの半月と並んで見えます。

木星

「へびつかい座」にあり、明け方の南東の低空に見えます。明るさは約マイナス1.8等級です。

まだ低いため、天体望遠鏡での観察には向いていません。存在は肉眼でもよくわかるので、早起きして金星と一緒に眺めてみましょう。金星と最も近づいて見えるのは23日ごろです。

また、今月は3日と31日の2回、細い月と木星が並ぶ機会があります。ぜひ見たり撮ったりしてみてはいかがでしょうか。

土星

中旬ごろまでは太陽に近いため、見えません。

下旬ごろから明け方の南東の低空に見えるようになりますが、日の出1時間前(東京で朝5時40分ごろ)の高度は5度前後しかないため、見つけにくそうです。探す場合には水星と同様に星図アプリなどで位置をよく確かめてから探してみましょう。

今月の星さがし

新年最初の1週間に注目の現象が続けて起こります。寒さ対策や体調管理に気をつけながら楽しみましょう。

2日未明から明け方、細い月と金星が大接近

2019年の前半は、金星が「明けの明星」として見えます。夕空の「宵の明星」に比べると目にする機会が少ないかもしれませんが、早起きした日に夜明けの東の空でキラキラ輝いている金星を見ると、とても良い気分になるものです。

2日の朝、その明けの明星のすぐそばに、月齢26の細い月が並びます。その間隔は月の見かけの大きさ1~2個分ほどという大接近で、とても印象的な光景です。肉眼でも美しく見えますし、双眼鏡やフィールドスコープを使うと月の模様や月の暗い側がほんのりと光る地球照もよく見えるでしょう。初日の出だけでなく新年2日目の朝も早起きして眺めてみてください。日常とは少し異なる、お正月の街の風景と一緒に写真に収めるのも面白そうです。

1月2日 朝5時30分の南東の空の様子(場所は東京)。囲み内は月と金星のズームアップ(直径2度、フィールドスコープや低倍率の天体望遠鏡で見たイメージ)

細い月と明けの明星の共演は6月ごろまで、毎月初めに起こります。今後もお楽しみに。

さて、明け方の空には金星の他にも木星や水星(5日ごろまで)、土星(下旬ごろから)が見えます。とくに木星は金星に次いで明るく、だんだん高度も上がってくるので見やすくなります。日にちが経過するにつれて金星が下がり木星が上がっていくと、25日ごろに金星と木星が横並びになります。明けの明星を観察するときには、木星との並び方の変化にも注目してみてください。3日と31日には細い月と木星が接近するので、こちらも楽しみです。

1月1日から31日まで、6日ごとの南東の空の様子(6時、場所は東京)。線は10度間隔(腕を伸ばして握りこぶしを見た幅くらいの間隔)。囲み内は双眼鏡で見たイメージ(直径7度)

4日未明から明け方、しぶんぎ座流星群

流星(流れ星)は、地球の周りにある小さな粒が地球の大気に突入し、発光して見える現象です。粒が多く集まっているところに地球がやってくると、たくさんの流星が見えることになりますが、粒が多い場所は大体決まっているので、地球が毎年そこを通るときには普段より多くの流星が飛びます。これが「流星群」です。

流星群は100個以上が知られていますが、そのうちとくに活動が活発で「見やすい」流星群の一つが毎年1月初めに見られる「しぶんぎ座流星群」です。8月の「ペルセウス座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と並んで年間三大流星群とされています。「しぶんぎ座」という星座は現存しておらず、この流星群にだけ名前を残しています。現在の星座では「うしかい座」「りゅう座」付近に当たります。

1月4日 未明5時ごろの全天の様子(場所は東京)。流れ星は「うしかい座」「りゅう座」のあたり(放射点)を中心とした空全体に飛ぶように見える

しぶんぎ座流星群は活動期間が短く、ピークの前後に出現が集中します。2019年の場合は4日午前11時がピークと予想されており、4日の未明から明け方には比較的多くの流れ星を見ることができるでしょう。3日の宵から深夜や4日の宵以降にはほとんど見えない可能性が高いです。

今回は月明かりの影響がないという点で好条件です。街明かりも少ない時期なので、いつも以上に流れ星が見やすいかもしれません。見晴らしが良い場所なら1時間に20個くらい目にできそうです。放射点(流れ星が飛ぶ中心となる点)は北東にありますが、流れ星は空全体に飛びます。狭い範囲を見つめるのではなく、空を広く見渡すようにすると、流れ星が見られる確率が高くなります。

流れ星をじっと待っていると非常に冷え、注意力が低下したり体調を崩したりしやすくなります。手袋にマフラー、重ね着、靴下の重ね履き、携帯カイロなど、防寒の準備を万全にして、冬から春の星々観察と共に楽しみましょう。流れ星を見つけて、良い一年のスタートを切れますように。

6日の朝から昼ごろ、全国で部分日食

6日の朝8時半ごろから昼12時ごろにかけて、太陽の一部が月に隠される部分日食が全国で見られます。日本国内で日食が見られるのは2016年3月9日の部分日食以来、約3年ぶりです。日曜日なのでお休みの方も多く、見やすいのではないでしょうか。

太陽が欠け始める時刻や、欠け具合が最も大きくなる(食最大の)時刻は、観察する場所によって異なりますが、おおむね8時半から9時ごろに始まり、10時ごろに最も大きく欠けます。北の地方ほど大きく欠け、日食の時間が長くなります。

主な地点での、欠け始めの時刻と最も大きく欠ける時刻、および最も大きく欠けた時の太陽の形。終わりの時刻は示していないが12時ごろ

札幌から見た日食

日食中の太陽は、南東から南の方向にあります。太陽の位置は数日~1週間前の同時刻の太陽とだいたい同じ方位、高さなので、建物に邪魔されないかどうかなどを事前に調べておきましょう。冬なので太陽は低めですが、日食が始まる時刻にはとくに低いので注意が必要です。

さて、日食観察は太陽を見ることと同じなので、「日食グラス」など安全性が確認された専用の道具を正しく使う必要があります。不適格な道具では、太陽のまぶしさは抑えられても紫外線や赤外線などを防ぐことはできず、目を傷める可能性があります。

日食グラスを使うと、太陽以外は見えなくなります。太陽を見ていないときにグラスを外すのはもちろんのこと、段差や歩行者、車など、安全にも配慮が必要です。とくに子供が観察する際には、日食グラスの正しい使い方や周囲の様子の確認など、大人がしっかりと気配りしましょう。また、木漏れ日やピンホール投影の像でも欠けた太陽の形がわかり、これは道具を使わなくても安全に見られます。

今年は年末12月26日の夕方ごろにも全国で部分日食が見られます。日食に始まり日食に終わる一年にできるといいですね。他の現象ももちろんですが、ぜひとも好天に恵まれますように。

今月の星座

おうし座

4月下旬から5月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「おうし座」、見やすいのは冬の時期です。1月中旬の夜20時から21時ごろに、南の空の高いところに見えます。

「おうし座」。それぞれの囲み円の表す範囲は異なる
(星雲の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「おうし座」の目印は赤っぽく輝く1等星アルデバランで、星座の絵では牛の右目にあたる位置にある星です。アルデバランの周辺に広がるV字型の星の配列が牛の顔にあたり、そこから東(図では左)に2本の角が長く伸びています。足や体の後ろ半分はあまり目立たないので、立派な目や角に注目してみましょう。

ギリシャ神話ではこの牛は、大神ゼウスが変身した姿だとされています。

ヒヤデス星団

牛の顔の位置に集まっている星々は、偶然同じ方向に見えているのではなく、実際の宇宙空間でもまとまって存在しています。こうした星の集まりを「星団」と呼び、この付近の集まりには「ヒヤデス星団」という名前がつけられています。ただし、アルデバラン(距離約67光年)は星団の星々(距離約150光年)よりずっと手前にあり、星団には含まれません。

肉眼や双眼鏡で、星が集まっている様子を眺めてみましょう。

プレアデス星団、すばる

牛の肩の位置にも星団があります。清少納言が『枕草子』で「星はすばる……」と記した「すばる」は、夏の「織り姫星、彦星」などと並び日本で最もよく知られた天体の名前でしょう。ハワイの「すばる望遠鏡」や楽曲のタイトル、文学作品の登場人物、自動車のメーカー名などにも「すばる」という名前が使われています。

日本ではこのほかに「羽子板星」や「六連星(むつらぼし)」などの呼び名もあります。西洋名は「プレアデス」といいますが、これはギリシャ神話に登場する7人姉妹の名前です。英語では「セブン・シスターズ」とも呼ばれます。

空の条件が良ければ、肉眼でも6個ほどの星が見えます。双眼鏡ではさらに多くの星が見え、青白い星々の美しい眺めを楽しめるでしょう。キラキラとした輝きを、ぜひ堪能してください。

かに星雲

すばるの星々は誕生から数千万年ほど経った「若い」天体です(太陽の約45億歳と比べてみましょう)。一方、牛の角先あたりに位置する「かに星雲」は、重い星が超新星爆発によって「一生を終えた」後の残骸です。この爆発は西暦1054年に観察され、しばらくの間は昼でも見えるほど明るかったという記録が残っています。

空の暗いところで口径10cm程度の天体望遠鏡を使うと、淡い光のシミのように見えます。機会があれば観察してみましょう。「若い」すばると「生涯を終えた後の」かに星雲という2つの天体に、星の一生の一部を想像してみてください。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は1月中旬の深夜1時ごろの星空です。2月中旬の深夜23時ごろ、3月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2019年1月中旬 深夜1時ごろの星空

冬の星座たちが西の空に移り、東には「しし座」や「おとめ座」「うしかい座」といった春の星座が登場しています。「うしかい座」のアルクトゥールス、「おとめ座」のスピカ、「しし座」のデネボラを結んでできる「春の大三角」と、南西の空に見えている「冬の大三角」とで、三角形の大きさや星の明るさ、色を見比べてみましょう。

北東の空の高いところには「北斗七星」が見えています。冬の間は地平線の近くにあってなかなか目にする機会のない北斗七星ですが、深夜には見やすくなっています。夜中に空を見上げることがあれば、忘れずに探してみましょう。また、明け方になれば東の空に、明けの明星の金星と木星が並ぶようにして昇ってきます。とくに、細い月と並ぶ日には忘れずに眺めてみましょう。

美しさに見とれて夜更かしをして、新年早々に体調を崩さないようお気をつけて、今年最初の深夜の星めぐりをお楽しみください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

星空観察のワンポイントアドバイス

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員

このアカウントでは一部サービスがご利用になれません。ログインID統合のお手続きをお願いいたします。
ログインID統合手続きはこちら