第67回ニッコールフォトコンテスト

受賞作品

第1部 モノクローム

ニッコール大賞 「おふくろ」

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第2部 カラー

ニッコール大賞・長岡賞 「ヒトスジの想い」

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第3部 ネイチャー

ニッコール大賞 「アフリカを生きる」

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第4部 TopEye & Kids

ニッコール大賞 「きらめきの向こう側へ」

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総評 佐藤 倫子

プリントで作品をつくることの重要性

 今年度のニッコールフォトコンテストも見応えのある多くの作品が集まりました。昨年から大きく変わった点は、応募部門の変更といえるでしょう。デジタル時代になり、昨今のフォトコンテストでは、インターネットで写真データを送信する「Web応募」が増えてきています。しかしニッコールフォトコンテストはあえて、2017年から2年間実施したWeb応募をとりやめ、今年はプリント作品のみを募集しました。なぜなら、プリントまで含めた作者の表現を大事にしたいという思いがあるからです。また、プリントまで丁寧に仕上げた写真表現は、これからの時代、とても貴重になるかもしれません。データでなくプリントのみの応募にしたことで、作品の質に大きな影響はなかったと私は思います。
 さて今回の審査は、ニッコールクラブ顧問の大西みつぐ、ハナブサ・リュウ、小林紀晴、三好和義、佐藤倫子のほか、写真家の星野佑佳氏、写真雑誌『フォトコン』編集長・藤森邦晃氏の2名をゲスト審査員に迎えて行われました。審査員一同、作品を見つめ、数多くの力作の中から優れた作品を選び、何度も話し合って各賞を決定いたしました。どの作品もコンセプトがしっかりしており、優劣つけ難い作品ばかりでした。
 その中から、ニッコール大賞に輝いた作品をご紹介します。第1部モノクローム部門、荒井俊明さんの「おふくろ」は、91歳の母親を作者独自の視点でとらえた組写真です。優れた観察力と適度な距離感が、絶妙な感覚で写し出されていました。第2部カラー部門の吉村俊祐さんの「ヒトスジの想い」は、涙の跡と流れ星を重ねた2枚組です。美しい色の表現が魅力で、作品の世界に引き込まれます。第3部ネイチャー部門は、秋山ゆき子さんの「アフリカを生きる」が受賞しました。4枚組に80-400mmのニッコールレンズ1本で挑み、しっかりした構図でシャッターチャンスをとらえていました。第4部TopEye&Kids部門は、田中碧さんの「きらめきの向こう側へ」。まぶしい光の中、スローシャッターで写した独特な一枚です。キラキラした光が希望を感じさせます。
 賞に選ばれた作品からは、それぞれ撮影時からどのようなかたちに仕上げるかをイメージして取り組んだ様子が感じられました。作品をつくろうという意識が、なんとなくシャッターを切っただけの写真とは違い、表現として表れてくるのが写真の面白さではないでしょうか。心情をどうやって写真に表現するかは一見難しく感じられますが、実は、素直に自分へ問いかけることが大切ではないかと思います。
 歴史あるニッコールフォトコンテストは、これからもその時代ならではの写真表現が集う、貴重な場となっていくのでしょう。この度受賞した皆さま、おめでとうございます。また来年、2020年らしい作品が生まれることを期待するとともに、皆さまの今後の活躍を楽しみにしています。