Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2017年6月

百々 俊二 写真展

写真
日本海
5/24 (水) ~6/6 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

『楽土紀伊半島』を一部とし、『大阪』を二部、そして三部は、『日本海』を撮ると決めていた。8×10の大型カメラ、モノクロームの表現方法を選択した理由は、三脚を据えて、カメラを真ん中に被写体と相対する。どうしても見たい撮りたい対象を選び、持続的に成立させたい関係を求めるためだ。
日本地図をひっくり返して大陸側から見ると、日本海は大きな湖のようだ。日本列島は大陸や朝鮮半島とつながっているように見える。日本海沿岸は、かつて大陸からの文化が入ってくる表玄関だった。
「魂になってもなお生涯の地に留まる」
旅の中で見知る、ここを故郷とする人々と風土の記憶、日本文化の源の神話と伝説の地―日本海沿岸は、少子高齢化と過疎化が厳しい形で進んでいる現実がある。でも萩市のしだれ桜の下で菜園を楽しむ90才、佐渡の海の見える棚田の畝の草を刈る85才、吹雪の利尻島でひっそりと暮らす高齢の夫婦たち。それぞれの土地で根を張り悠々閑々と生きている。その姿は堂々としている。少年少女、子供たちはいつの時代もそうであるようにそこにいる、と感じられる嬉しい出会いがあった。(百々俊二)

モノクロ 55点。

作者のプロフィール

百々 俊二(ドド シュンジ)
1947年大阪府生まれ。
九州産業大学芸術学部写真学科卒業。98年ビジュアルアーツ専門学校・大阪 学校長就任。15年入江泰吉記念奈良市写真美術館館長就任。
主な写真展に、78年「大阪・天王寺」(銀座・大阪ニコンサロン)、85年「新世界むかしも今も」(銀座・大阪ニコンサロン)、92年「衆生遊楽バンコク」(銀座・大阪ニコンサロン)、95-96年「楽土紀伊半島」(新宿・大阪・札幌コニカプラザ)、99年「千年楽土」(銀座・大阪ニコンサロン)、2000年「千年楽土紀伊半島」(奈良市写真美術館)、01年「.com NY」(新宿ニコンサロン)、03年「沙羅双樹」ビジュアルアーツギャラリー、06年「花母」(Gallery OUT of PLACE)、07年「花母」「ベジタブル・キッチン」(Gallery Bauhaus/東京)、07年「Ha-Ha」(FOCALE galerie /スイス)、10年「大阪」(銀座・大阪ニコンサロン、Gallery OUT of PLACE、ZEN FOTO GALLERY)、16年「それぞれの時『大阪』~森山大道・入江泰吉・百々俊二~」(入江泰吉記念奈良市写真美術館)がある。
受賞歴に、96年日本写真協会年度賞、99年第24回伊奈信男賞、07年日本写真芸術学会芸術賞、11年第23回写真の会賞、第27回東川賞

主な著書に、71-77年『地平』1-10号、86年『新世界むかしも今も』(長征社)、93年『HORIZON』(共著)、95年『楽土紀伊半島』、99年『千年楽土』(以上、ブレーンセンター)、03年『沙羅双樹』(組画)、06年『花母』(Gallery OUT of PLACE)、09年『菜園+桜』(VACUUM PRESS)、01年『大阪』(青幻舎)、12年『遥かなる地平』、14年『日本海』(以上、赤々舎)

京嶋 良太 写真展

写真
静けさの先にあるもの
6/7 (水) ~6/20 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

ひっそりとした空気のなか、山にはどこか懐かしく静かな音が溢れていた。
立ち並ぶ複雑な形の樹木と鳥たちのさえずり。木々の間を通り抜ける冷たい風と揺れる草木の音。艶を纏ったやわらかな落葉の匂いと走り抜ける獣の足音。それをかき消すように轟く滝の音と鏡のような水面の光。突然鳴り響く銃声音に静まり返る生き物の気配。物寂しく佇む砂防堰堤から力を合わせた人々の唄が聞こえる。一斉に芽吹く若葉の輝きと山村から聞こえてくる春の賑わい。取り残された生活の痕跡から、祈り、恐怖、悲しみ、不安、怒り、安らぎの声が響く。
山に響く一つひとつの音には、抒情的で美しい自然の神秘が含まれている。そこには力強い生命力と人の温かさ、命の尊さ、そして、全てを受け入れる寛容さにつつまれている。 (京嶋 良太)

作者のプロフィール

京嶋 良太(キョウシマ リョウタ)
1979 山梨県生まれ
2006 写真家として独立
2013 写真、イラスト展「ゆめみしま」(座・高円寺 ギャラリーアソビバ)
2013 アートマガジン「MONTEM」の制作にかかわる
2014 写真展「URASHIMA」(ニコンサロンJuna21新宿・大阪)

現在、神奈川県在住、都内中心に活動。
WEBSITE http://www.kyoshiman.com

鈴木 恵理子 写真展

写真
ナム ジャイ
6/21 (水) ~7/4 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

それは、前触れもなくやってくる。
バンコクという街の「匂い」、「風」、それから「人」に触れたい、ふれられたいという衝動。
私はその衝動に駆られるたびに、かの地を訪れ、五感に従って歩き続ける。
2015年、タイの人々を恐怖に陥れたテロの時も、プミポン国王が亡くなった時も気が付いたら私はバンコクにいた。

何が私を引き寄せるのだろうか。

自国が恐怖や哀しみに包まれた空気の中で、かの国の人々は、旅人の乾き震える胸裏に、てらいなく「水」を手向けてくれる。
その思いやりの「水」は、この土地で長く養われた、この土地の人々が持ちあわせる真心ではないだろうか。

その昔、バンコクでは、「ナム ジャイ」と呼ばれる無料給水所が街のあちらこちらにあったという。
給水所は街の発展とともに姿を消して、繁栄を続ける街に、ナム(水)ジャイ(心)「心の水」という意味の言葉が残った。

見返りを期待せずに持てるものを人と分かち合う「心の水」、私はこの水に触れ、ふれられていたことに気づいている。  (鈴木 恵理子)

カラー約40点。

作者のプロフィール

鈴木 恵理子(スズキ エリコ)
1960年 東京都生まれ
慶応義塾大学文学部卒業
大正大学大学院人間科学修士課程修了
日本航空国際線客室乗員部を退職後、教育研修の講師を務める。
現在、アジアを中心に写真活動を展開している。

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