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新宿ニコンサロン 2016年10月

juna21 米山 洋平 写真展

写真
光景
9/27 (火) ~10/3 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

川口駅から10分ほど自転車をこいだところに自分のアパートがあり、そこからさらに10分ほど歩くと川があり、畑もあります。これはそんな自分の近所を歩き回って撮った写真です。

何故、近所を撮ったのかと問われれば、すごく簡単に言うとなんか気楽だったからです。
写真を撮れなくても川の近くに行けば釣りをしているおじさんや、犬を散歩しているおばさんがいて、そののんびりとした雰囲気はどことなく故郷鹿児島に似ているところがあり、それに引き寄せられたのかもしれません。
少なくない距離を歩いたような気もしますが、それでもこの街のことは何も知らない気がします。
ただたくさんの光景を見ました。
そして、それにシャッターを切るということは自分とこの街を一度切り離し、それと同時に目で名づけなおすことだったように思います。    (米山洋平)

モノクロ35点。

作者のプロフィール

米山 洋平(ヨネヤマ ヨウヘイ)
1983年鹿児島県生まれ。
写真展に、2010年「3.141」(Juna21新宿ニコンサロン、Juna21大阪ニコンサロン)、13年「サンポスル」(コニカミノルタプラザ)がある。

望月 茂 写真展

写真
神と仏の風景
10/4 (火) ~10/17 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

日本人の祖先たちは、遥かな遠い昔から自然との関わりの中で、森羅万象の全ての中に神が宿ると信じてきた。自然崇拝を根本とする信仰に仏教が伝来し、古来の神と仏が共存し、または一部では習合して修験道などが生まれ、土俗的な神々は地域の風土の中で生まれ、民衆の中で信仰されてきた。
2015年、新宿ニコンサロンにおいて写真展「野に在る神仏像」を作者は開催したが、それは神や仏を信仰する人々が作り願を掛けてきた、野に在る神仏像が主体のテーマであった。今回は、神や仏たちを信仰する人々が生み出した世界、宇宙を風景として捉え表現した。
日本人は、周囲を海に囲まれ四季の織りなす美しい自然の中で、長い歴史と独自の文化を育ててきた。私たちは何かを一心に祈る時に、ふと「神様仏様」と願う。神と仏は全く別なものであるのに、何の疑問もなく受け入れているこの不思議さ。
赤い鳥居や注連縄、田園の中にある鎮守の森、野辺に佇む石仏たち。これらは信仰する人々によって生み出された世界である。人工物のこれらも長い時の流れの中で自然と溶け合い美しい日本の原風景を形作っている。今もこの風景は人々に安らぎを与え、心を癒し、願いを託す場である。
日本の神々は、美しい自然の中に宿る。仏もまた然り。
悠久の時の流れの中にある世界の前では、自分は瞬きの間に佇む旅人のごとくではあると作者は思う。古より信じられてきた素朴な信仰の心に寄り添う気持ちで、作者は一瞬のシャッターを切る。
カラー52点。

作者のプロフィール

望月 茂(モチヅキ シゲル)
1946年静岡県静岡市生まれ。千葉県東金市在住。76年東京綜合写真専門学校卒業。
写真展(個展)に、2015年「野に在る神仏像」(新宿ニコンサロン)がある。受賞歴に16年JPS展奨励賞がある。

金山 貴宏 写真展

写真
While Leaves Are Falling...
10/18 (火) ~10/31 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

その日は突然やって来た。その日以降、私が知るそれまでの母は私の記憶の中に永遠に閉じ込められることになる。

両親の離婚後、私は母、祖母、2人のおばの4人の女性に育てられた。
そして1991年、私が20歳になってまもなく母は統合失調症(精神分裂病)と診断された。発症後の母は言動も行動も昔の母とはまったく違う別人のようで、家族と交わす会話も意味不明で支離滅裂だった。学生時代から仲良くしてきた母の友人らは、彼女の言動や行動が以前とは違うと感じると猛スピードで去っていった。まるで彼女がそれまで歩んできた人生が一度に抹消されたかのように…。母が過去に存在した痕跡は、家族の記憶の中に漂う母と発症以前に撮られた写真のみとなり、母の主な居場所は実家ではなく精神病院へと変わった。

1999年春、4人の女性の長である祖母が死んだ。

祖母の死後、私はそれまで撮影することがなかった家族の写真を撮り始めた。それらの写真のほとんどは、私がアメリカから日本に里帰りするたびに母と2人のおば、犬のケリーと共に旅行した際に撮ったものである。遠出を好まなかった祖母の存在は一家そろって旅行することを困難にさせたため、2001年から始まった家族旅行は欠如していた思い出を補うかけがえのない経験となっている。旅行先はほぼ毎年同じで、祖母を含む家族全員で唯一来たことがある箱根や日光、福島、京都など、母とおばが若い頃から行きたかった場所が多い。

自分の家族は幼い時の記憶の中にあるまま永遠に不変だ、と道理なく思っていた私にとって、祖母の死は過ぎ去っていった時間を鋭く意識させる出来事となった。これらの写真は、過去と現在の時間の往還を実現させてくれる大切な乗り物であると同時に、過去と変わりゆく現実に向き合うための試みでもある。  (金山貴宏)

カラー38点。

統合失調症について:
「統合失調症」は幻覚や幻聴、妄想が常に患者につきまとう精神疾患で、以前は「精神分裂病」と呼ばれていた。症状が慢性化するにつれ、それらの症状が一層強くなっていく。患者が体験する幻覚や幻聴、妄想は、患者にとっては実体験のごとく感じられ、耐えられないほどの不安や悶絶するほどの痛みを身体に引き起こすこともある。また、物事に対し何の感情もわかないなど、自分や他人の感情についての理解に障害があるため、社会や家庭で人と接しながら日常生活を営むことに支障をきたすケースが多い。

作者のプロフィール

金山 貴宏(カネヤマ タカヒロ)
1971年東京都生まれ。93年に映画制作を学ぶためにアメリカへ留学。97年ニューヨーク市立大学学士課程 (写真科)を修了する。2001年School of Visual Arts大学院(ニューヨーク)写真科修士課程修了後、03年国際写真センター(ICP)のドキュメンタリー写真科に籍を置く。
写真展に、07年Japan Society「Making a Home: Japanese Contemporary Artists in New York」(ニューヨーク)、09年「SHUMAFURA」(Miyako Yoshinagaギャラリー/ ニューヨーク)、2012年『Shades of The Departed』(同ギャラリー)がある。
受賞歴に、2013年東京インターナショナル・フォトグラフィ・コンペティション審査員賞がある。16年NYFA (New York Foundation For The Arts)の写真部門のフェローシップを獲得、同年Light Work Artist-In-Residence(ニューヨーク州シラキュース)に参加。
2016年10月、写真集『While Leaves Are Falling…』(赤々舎)を刊行予定。17年6月Miyako Yoshinagaギャラリー(ニューヨーク)で個展「While Leaves Are Falling…」を開催予定。

トークショー開催のお知らせ

作者の金山貴宏氏と写真研究者・小林 美香氏のトークショーをニコンプラザ新宿 セミナールームにて開催いたします。
ぜひご参加下さい。

日時:10月23日(日)15:00~16:00
出席:金山貴宏 × 小林美香(コバヤシ ミカ)
会場:ニコンプラザ新宿 セミナールーム
※入場無料・予約不要です。当日は直接会場にお越し下さい。

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