Nikon Imaging
Japan
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大阪ニコンサロン 2016年7月

juna21 野口 健吾写真展

写真
Family Affair
6/30 (木) ~7/6 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

ある人は生まれ育った村でずっと畑仕事をし、ある人は村を離れ遠くの地まで出稼ぎに行く。
ある夫婦は健康な子供に恵まれ、ある夫婦はなかなか子供ができずに嘆く。第二夫人を迎えたり、離婚したりする。
村にはヒンドゥー教を信仰する家もあれば、仏教徒の家もある。
崩れてきた自分の家に押しつぶされてしまう人もいれば、一方で生き残る人もいる。
何がよいということはない。そして悪いということもないだろう。それは家庭の事情であったり、自然の摂理だったりするから。だから皆こうやって助け合っていく。脈々と祖先から受け継がれてきた血で親兄弟は繋がっているし、そして村もひとつの家族であるから。
本展では、2015年4月25日に起きたネパール地震から1カ月半後に、震源近くにある小さな村、シンドパルチョーク郡ラタンコット村にて作者が撮影した家族写真を展示する。また、同時期に首都カトマンズ近郊の世界遺産である古都バクタプルで撮影した、宿屋の主人の映像も一点展示する。

作者のプロフィール

野口 健吾(ノグチ ケンゴ)
1984年神奈川県生まれ。立教大学社会学部卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修了。受賞歴に、2012年 「第7回写真「1_WALL」展」ファイナリスト、同年「MEC Award 2012」ファイナリスト、2015年「BRIGHT PHOTO AWARDS 2015」グランプリがある。
ホームページ http://www.kengonoguchi.com

小林 紀晴写真展

写真
伝来/消滅
7/7 (木) ~7/13 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

本展では、古代からの宗教の伝来を切り口とした、風景や建築を主とした作品を展示する。撮影地はインドやタイ、インドネシア、香港、東ティモールなどである。
インドで生まれた仏教は5世紀頃から衰退し、その後イスラムの攻撃を受けて壊滅。イスラム王朝は中世に繁栄したが、消滅した。タイは13世紀から上座部仏教の勢力が強まり、その後ミャンマーとの戦いで寺院が多く破壊された。バリ島では土着の信仰とヒンドゥー教が結びつき、爛熟。東ティモールは国民のほぼすべてがキリスト教徒で、インドネシアからの独立の要因のひとつとなった。
伝来の痕跡や破壊、消滅して人の記憶から消え去っていったもの、あるいは共存していくさまに、人間の欲望や願い、意思といったものを作者は感じた。作者はできるだけそれらの正面に立ち、遠い過去の声に耳を傾けた。たとえ破壊されたものであっても、どういうわけか安らぎを覚えもした。
現在もなお、宗教が対立や紛争、テロなど数々の問題を引き起こす因になっていることは否定できない。だからこそ、残された遠いかたちを通し、連綿と続く人間の姿に目を向けたいと作者は思う。
カラー約60点。

作者のプロフィール

小林 紀晴(コバヤシ キセイ)
1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真科卒業。新聞社に勤務後、アジアを旅し作品を制作する。2000年から02年に渡米。東京工芸大学芸術学部写真学科教授。ニッコールクラブ顧問。
写真集・著書に、『ASIAN JAPANESE』(新潮社)、『homeland』(NTT出版)、『days new york』(平凡社)、『写真学生』(集英社)、『はなはねに』(情報センター出版局)、『昨日みたバスに乗って』(講談社)、『写真と生活』(リブロアルテ)、『メモワール』(集英社)、『kemonomichi』(冬青社)などがある。
受賞歴に、『DAYS ASIA』で日本写真協会賞新人賞、写真展「遠くから来た舟」で第22回林忠彦賞がある。

中西 建太郎写真展

写真
『赤岩』知床昆布番屋の夏
~漁師、家族、婆+わんこ~
7/14 (木) ~7/20 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

日本最東北端、北海道知床岬を少しばかり南へ回り込んだ場所に位置する『赤岩』。
手付かずの大自然に育まれたその北の海は、日本一の誉れ高き羅臼昆布の一大産地であり、夏の間、その入江は多くの昆布漁船で賑わいをみせる。
しかし、かつてこの地で数十軒を数えた昆布番屋も合理化という時代の流れの中で、今は最後の二軒二家族と伝説の一老婆を残すのみとなった。
道路をはじめ電気、ガス、水道などの公共のインフラが一切ない、地の果てを思わせる陸の孤島での番屋暮らしは過酷を極めるが、この地に最後まで踏みとどまった漁師とその家族、老女+わんこたちの胆力と、彼らが織り成す海辺の世界は、地の果てで人知れず坦々と繰り広げられるお伽話の挿絵さながらの風景であった。
これは、そんな風景たちを昆布番屋で働く人間の目線から作者が撮影した8回の夏の記録である。
モノクロ約45点。

作者のプロフィール

中西 建太郎(ナカニシ ケンタロウ)
1971年京都府生まれ。1994年日本大学芸術学部写真学科卒業。93年「第8回コニカ画像科学振興財団奨学金」により「インド亜大陸」を制作。
94年「原発銀座若狭より」で金丸重嶺賞を受賞。以降はフリーで東南アジアを中心に活動する。96年「アジア淡々」が「ヤング・ポートフォリオ」(清里フォトアートミュージアム)に入選。2000年「アジア淡々」が同展入選。2015年世界旅写真展入選。

中筋 純写真展

写真
The Street View. -Chernobyl to Fukushima-
7/21 (木) ~7/27 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

「二年経て 浪江の町を散歩する Googleストリートビューを駆使して」(三原由起子)

これは、福島県浜通り、浪江町出身の女流歌人が詠んだ短歌の一首である。原発事故でふるさとが無機質なバリケードで囲われ、帰省という行為が強制的にスマートフォンの小さな液晶パネルというバーチャルな空間に閉じ込められる。つのる思い出に、湧き上がる悔しさ、もどかしさ、やるせなさ・・・。

その歌を思い出しながら、作者は無人となった浜通りの街々の写真をここ数年撮り続けてきた。車窓を流れるストリートビューは、悲喜こもごものロードムービーだ。故郷を愛した人々の記憶、太古からの歴史を刻んだ大地の記憶が変幻する。「地球の傷」を癒すかのように湧き上がる緑の胎動に未来への僅かな光を作者は感じるものの、うずたかき「汚染物」なる黒いフレコンバッグに、いまだ必死に抗おうとする人間のおろかな現実を垣間見る。

今年は福島原発事故5年、チェルノブイリ事故30年を迎えた。
25年と8,500キロを隔てた両地で、人類を震撼させた原発事故は発生した。核を封印した地球46億年の記憶を望まずして覚醒させた原発事故という災禍は、人智を超越した奇妙な光景を作り出す。「失楽園」から見える静かなるメッセージを私たちはどうキャッチしていくべきなのか・・・。沈黙の大地と静寂の街角が語りかける。

作者のプロフィール

中筋 純(ナカスジ ジュン)
1966年和歌山県生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業後、出版社勤務を経て中筋写真事務所を設立。雑誌、広告撮影と並行して日本の産業遺構を撮影。2007年に訪問したチェルノブイリ原発に衝撃を受け、その後数々の作品を発表。11年以降、福島県浜通り地区の移り変わる姿を記録し続けている。
個展に、09年「黙示録 チェルノブイリ」(キヤノンギャラリー銀座、梅田、名古屋、福岡、仙台、札幌)、11年「黙示録チェルノブイリ 再生の春」(新宿ニコンサロン)、12年「チェルノブイリ曼荼羅」(経王寺/牛込)、14年「流転 Abandoned but glowing」(キヤノンギャラリー銀座、名古屋、福岡)、同年「流転 チェルノブイリ」(早稲田奉仕園)、15年「流転 福島」(新宿駅西口プロムナード・ギャラリー)がある。
著書に、『廃墟チェルノブイリ Revelations of Chernobyl』(二見書房)、『チェルノブイリ 春』(二見書房)、『流転 チェルノブイリ 2007−2014』(二見書房)、『流転 緑の廃墟』(アスペクト)、共著に『廃墟、その光と陰』(東邦出版)などがある。

juna21 横山 大介写真展

写真
ひとりでできない
7/28 (木) ~8/3 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

吃音者である作者は、自分の意思とは関係なく寸断されてしまうことの多い会話でのコミュニケーションに違和感を持っている。吃音によって発しようとした言葉が行き場をなくし自分の中へ帰っていくとき、作者は他者との間に深い断絶を感じる。

カメラを挟んで視線を交わしお互いを受け容れ認識するという写真の行為は、作者にとって、言葉を交換する会話でのコミュニケーションの不十分さを補う大切なコミュニケーションツールになっている。それは、「他者とコミュニケーションする」という大きな興奮や喜びを作者に与えてくれる。同時に、他者に触れられそうで触れられない、わかり合えそうでわかり合えないもどかしさも感じさせてくれる。

会話をすることも、他者の写真を撮ることも、当然だが、ひとりでできないことである。
カラー約25点。

作者のプロフィール

横山 大介(ヨコヤマ ダイスケ)
1982年兵庫県生まれ。2005年同志社大学文学部文化学科文化史学専攻卒業。
写真展(個展)に、13年「交換」(MIO PHOTO OSAKA ミオフォトアワード・プライム)(ミオホール/大阪)、14年「ひとりでできない」(C.A.P STUDIO Y3/兵庫)がある。
グループ展に、12年「冬の引き出し」(Port Gallery T/大阪)、13年「豊島 MEETING ART in 片山邸」(香川県土庄町指定文化財・片山邸/香川)、15年「フォトふれ NEXT PROJECT EXHIBITION 2015」(杉山美容室隣/北海道・東川町)がある。
13年「MIO PHOTO OSAKA」 公開ポートフォリオ・レビュー選考(選考:島敦彦)。

ギャラリートーク開催のお知らせ

作者の横山大介氏と服部滋樹(graf 代表/クリエイティブ・ディレクター)氏のトークショーを写真展会場にて開催いたします。
ぜひご参加下さい。

日時:7月31日(日)15:00~16:00
出席:横山大介 × 服部滋樹(graf 代表/クリエイティブ・ディレクター)
会場:大阪ニコンサロン
※入場無料・予約不要です。当日は直接会場にお越し下さい。

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