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Japan
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銀座ニコンサロン 2016年6月

小林 紀晴写真展

写真
伝来/消滅
5/25 (水) ~6/7 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

本展では、古代からの宗教の伝来を切り口とした、風景や建築を主とした作品を展示する。撮影地はインドやタイ、インドネシア、香港、東ティモールなどである。
インドで生まれた仏教は5世紀頃から衰退し、その後イスラムの攻撃を受けて壊滅。イスラム王朝は中世に繁栄したが、消滅した。タイは13世紀から上座部仏教の勢力が強まり、その後ミャンマーとの戦いで寺院が多く破壊された。バリ島では土着の信仰とヒンドゥー教が結びつき、爛熟。東ティモールは国民のほぼすべてがキリスト教徒で、インドネシアからの独立の要因のひとつとなった。
伝来の痕跡や破壊、消滅して人の記憶から消え去っていったもの、あるいは共存していくさまに、人間の欲望や願い、意思といったものを作者は感じた。作者はできるだけそれらの正面に立ち、遠い過去の声に耳を傾けた。たとえ破壊されたものであっても、どういうわけか安らぎを覚えもした。
現在もなお、宗教が対立や紛争、テロなど数々の問題を引き起こす因になっていることは否定できない。だからこそ、残された遠いかたちを通し、連綿と続く人間の姿に目を向けたいと作者は思う。
カラー約60点。

作者のプロフィール

小林 紀晴(コバヤシ キセイ)
1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真科卒業。新聞社に勤務後、アジアを旅し作品を制作する。2000年から02年に渡米。東京工芸大学芸術学部写真学科教授。ニッコールクラブ顧問。
写真集・著書に、『ASIAN JAPANESE』(新潮社)、『homeland』(NTT出版)、『days new york』(平凡社)、『写真学生』(集英社)、『はなはねに』(情報センター出版局)、『昨日みたバスに乗って』(講談社)、『写真と生活』(リブロアルテ)、『メモワール』(集英社)、『kemonomichi』(冬青社)などがある。
受賞歴に、『DAYS ASIA』で日本写真協会賞新人賞、写真展「遠くから来た舟」で第22回林忠彦賞がある。

竹田 義之写真展

写真
山を蝕(は) む
6/8 (水) ~6/21 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

つい最近まで、人びとは神仏や自然を恐れこれらに従順に服従していたが、今では人間が自らの力を信じる時代になった。
人間は、自己の欲求を満たすため、資源採掘、治山、道路建設などを行い、生活の利便性のため一方的に自然を開発・支配し、ねじ伏せる。しかも、重機を使用し山を刻んでいくがゆえにその変貌は急で、今日我々が目にするシーンも明日にはまた違ったものとなる。
これら人間の自然への挑戦が進歩・文明だと言われているが、一旦、削り取られた山肌の回復は至難のことだ。人間の独善的な自然支配がどこまで許されるのだろうかと作者は思う。
日本人は、わが国が山と海という自然、そして四季の移りの美しさに恵まれているのに当たり前のこととしてそれには気がつかないでいる。山が草木や昆虫や動物もいない「沈黙」の場所になってしまわないだろうか。
これは単に自分の考えすぎであって、人間の英知は必ずやこれらの問題を克服し、自然とうまくやっていくだろうと作者は期待をしているのだが。         
カラー40点。

作者のプロフィール

竹田 義之(タケダ ヨシユキ)
1946年兵庫県神戸市生まれ。96年から写真家・有野永霧氏に師事。また、京都造形芸術大学写真学科(通信制) で写真への研鎖を深める。主な写真展(個展)に2011年「ゴンの世界」がある。

藤岡 亜弥写真展

写真
川はゆく
6/22 (水) ~7/5 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

3年前に作者は広島に引っ越し、日常を通してヒロシマを考えるという作業が始まった。広島を歩くと、いやがおうでもヒロシマの表象に出会う。
広島で平和を考えるのは当たり前のことのようでもあるが、日常という厚い皮層からヒロシマの悲劇を垣間みることの困難さなど、生活してみて初めて知ることが多かった。さらに、街にあふれる「平和」という名のお祭りやアート、劇場化されたイベントなど、平和へのエネルギーを感じながらも、平和はつかみきれないばかりか、ひとつの自己表現として街と平和とアートの関係についても作者は考えることになった。そのような日常の表層は、70年という厚い時間がもたらしたものかもしれない。そのなかで歴史の深層に不可視化されてきた悲劇が、どこかに見え隠れしているのではないかと作者は思った。日常を通して歴史を意識化することが、見ることの拡張に深く関わることを知った3年だった。
カラー40点。

作者のプロフィール

藤岡 亜弥(フジオカ アヤ)
1972年生まれ。90年広島県立呉三津田高等学校卒業。94年日本大学芸術学部写真学科卒業。97年台湾師範大学語学中心に留学し、99年まで台北市に滞在。99年から2000年までヨーロッパに滞在。08年から09年まで文化庁新進芸術家海外派遣制度奨学生としてニューヨークに滞在。09年から12年までアーティストビザを取得しニューヨークで活動。12年から広島で活動中。ニコンカレッジ講師、毎日文化センター講師、プチポカ会主宰。  
写真展(個展)に、96年「なみだ壺」(ガーディアン・ガーデン/東京)、96年「笑門来福」(WORKS H/横浜)、01年「さよならを教えて」(新宿ニコンサロン/東京)、04年「離愁」(新宿ニコンサロン/東京)、05年「さよならを教えて」(ビジュアルアーツギャラリー・東京、ビジュアルアーツギャラリー(大阪)、名古屋ビジュアルアーツ内ギャラリー、九州ビジュアルアーツ内ギャラリー)、06年「私は眠らない」(銀座ニコンサロン/大阪ニコンサロン)、09年同展(AKAAKA/東京)、10年「Life Studies」(Dexon gallery/New York)、11年同展(AKAAKA/東京)、同年「アヤ子江古田気分」(AKAAKA/東京)、12年「離愁」(AKAAKA/東京)、同年「離愁」(ギャラリーG/広島)、14年「Life Studies」(銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン)、同年「Life Studies 2」(Place M/東京)がある。
グループ展に、05年「離愁」(第24回写真『ひとつぼ展』)、同年「マリクレール ホワイトキャンペーン 2005」、06年「平遥国際写真フェスティバル」(中国・平遥)、同年新写真派協会「フォトグラフィティ1980−2005」(ポートレートギャラリー)、10年「message-飯沢耕太郎の注目する女性写真家-」(リコーフォトギャラリーRING CUBE)、10年「日本写真協会賞受賞作品展」(富士フイルムフォトサロン)、14年「赤々舎から 本から 写真から」(スパイラルガーデン/表参道)、15年「花-生きるということ-」(東広島市立美術館)のほか多数がある。
受賞歴に、94年日本大学芸術学部奨励賞、04年ビジュアルアーツフォトアワード、04年第24回写真『ひとつぼ展』入選、10年日本写真協会新人賞がある。
写真集に、96年『シャッター&ラブ 16人の若手女性写真家』(インファス出版)、04年『さよならを教えて』(ビジュアルアーツ出版)、09年『私は眠らない』(赤々舎)があるほか、16年『川はゆく』(赤々舎)が出版される予定。

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