Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2015年7月

ニコンサロン特別展
大島 洋写真展

写真
幸運の町・三閉伊
7/1 (水) ~7/14 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

「三閉伊」とは岩手県の三陸沿岸を中心とする上閉伊郡、下閉伊郡、それに九戸郡をくわえた一帯を指している。江戸時代末の弘化と嘉永の時代、この地を中心に三閉伊通り百姓一揆が起った。作者は20代の半ばから30代にかけて、一揆の跡を追ってひたすらに歩いた。野田、普代、田野畑から田老、宮古、山田、大槌、大船渡、さらに宮城県の塩釜辺りまで、一揆だけでなく東北の歴史と文化のさまざまに思いを至らせながら撮影行を重ねた。飢饉と餓死と少女たちの身売り、紀元前からくり返し押し寄せた大津波、日本の僻地と称された奥深い北上山地、そして生まれ育った盛岡、それらは改めて知り学ぶ東北の位相であり、作者にとっての生の模索と写真の規範を求めるような時間だった。それから後も断続的に通っては、作者は撮り続けた。
2011年3月11日の地震と津波は、この沿岸の町や村をまるごとに呑みこんだ。津波で町や集落の姿が失われても、あるいは大きなダメージを免れることができたとしても、三閉伊を隔てなく歩き、隔てなく撮らないわけにはいかないと作者は思った。あの日から4年余りの時が過ぎたが、もし問われているものがあるとしたら、これからの5年、そして10年をどのように関わっていくことができるかだと、作者は思っている。
銀座ニコンサロンでは「三閉伊」を、新宿ニコンサロンでは2011年の震災と津波以降をそれぞれ中心に展示構成する。
モノクロ約50点(銀座)・カラー約40点(新宿)。

作者のプロフィール

写真

大島 洋(オオシマ ヒロシ)
1944年生まれ。第1回写真の会賞、第28回伊奈信男賞を受賞。

鈴木 吼五郎写真展

写真
グローバリゼーション、その具体的現場の記録及び
社会構造の或る断面の可視化
7/15 (水) ~7/28 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

本作品は2012年11月の写真展「鉱山、プランテーション、縫製工場」以降に作者が撮り貯めた写真を中心として纏めた作品群であり、グローバル化の進展に伴い世界規模で繋がるモノの生産、加工から流通、消費に至るサプライチェーンの具体的な現場を記録したものである。
このプロジェクトは各現場の精緻な記録、並びにそれらの集積による社会構造の一端の可視化を目的としたものであり、そこに何らかの物語を見出したり、ひとつの筋書きを得る事を意図して撮影したものではない。また、個人的な見解を述べる為に撮影したものでもないと、作者は言う。
カメラは私達の視覚 、記憶を超えて等しく対象を記録し得るツールであると作者は考える。作者は、自身の被写体に対するイメージを記録したいからではなく、カメラが私の視覚や記憶を超えた光景まで記録してくれるからこそ、写真を撮るのだと言う。
写真という不器用で言葉足らずで生真面白なメディウムを抱えてそこに立ち、撮る。出来るだけ高性能なスキャナーとして、画像の隙間から陳腐なストーリーが溢れ出さないように被写体をピクセルで埋め尽くしたいと作者は願っている。
カラー約30点。

作者のプロフィール

鈴木 吼五郎(スズキ コウゴロウ)
1972年宮城県生まれ。カメラマンアシスタントを経て2000年からフリーで活動。13年第38回伊奈信男賞を受賞。
主な写真展(個展)に、12年「鉱山、プランテーション、縫製工場」(銀座ニコンサロン)、13年「第38回伊奈信男賞受賞作品展」(新宿ニコンサロン)、14年「第38回伊奈信男賞受賞作品展」(大阪ニコンサロン)がある。

有野 永霧写真展

写真
日本人景 借景の村
7/29 (水) ~8/11 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休館:8/8(土)・9(日)

写真展内容

「日本人景」は、人が自然とかかわり合いながら人為的に作った風景から、日本人のものの見方や考え方を探って見ようとするシリーズである。
今回は、日本文化の独特な造園思想の「借景」に作者は着目した。造園学での借景は、前景と遠景、庭と背景からなる借りた風景の融合の世界を求めている。作者は適合した関係にとどまらず、違和感のある風景や、奇妙な対比をなす風景、さらにはちぐはぐな様相を呈している無関係の光景などを集め、不条理ともいえる借景の中に日本人の潜在的な思想をさぐろうとした。
人は生活をする中で、この風土に対して様々な行為を仕掛け、人工の風景・人景をたゆまなく作り続けてきた。日本の村も、人が自然の中に足を踏み入れ、手を加えながら、営々と生活を営なみ、歴史と文化を作り上げてきた。現在我々が見ている風景は、意識的であれ無意識的であれ、日本人が時間とともに歩んできた集積であると作者は言う。
カラー40点。

作者のプロフィール

有野 永霧(アリノ エイム)
1941年兵庫県生まれ。大阪学芸大学(現・大阪教育大学)卒業。
ニコンサロンでの写真展に78年「there WAS … ヨーロッパにて」、80年「虚実空間・都市 日本編」、83年「虚実空間・都市 ロンドン編」、同年「虚実空間・都市 ニューヨーク編」、89年「空蝉の都市 日本編」、94年「空蝉の都市 ヨーロッパ編」、96年「空蝉の都市 アメリカ編」、97年「無名のアースワーク シーサイド編」、99年「無名のアースワーク 国道筋編」、03年「虚実空間・日本人景」、06年「無名のアースワーク 地中海編」、07年「無名のアースワーク アメリカ編」、09年「日本人景 温泉川」、10年「日本人景 三角地」、14年「マイナスの人景」がある。他にアメリカ、イギリス、オランダ、ドイツ、中国、韓国、台湾などでの海外展がある。
主な写真集は「虚実空間・都市」、「都市からのメッセージ」、「都市」、「虚実空間・空蝉の都市」、「虚実空間・空蝉の風景」、「日本人景 温泉川」。
受賞歴に81年タイムライフ写真年鑑新人賞、94年第19回伊奈信男賞などがある。

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