Nikon Imaging
Japan
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大阪ニコンサロン 2014年12月

中井 菜央写真展

写真
未明
11/27 (木) ~12/3 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

祖母が遺した日記帳。
そこにはこう記されていた。
「生きていても意味のないものに私はなっていく」
晩年、アルツハイマーを患った祖母は、自分の中から抜け落ちて行く記憶の断片をひろいあつめるように日常を記録していた。

記憶をなくしていく祖母との時間の共有。
それは想像以上に喪失感を伴うものだったが、人の記憶を記録する写真の重要性について、再び考える時間を与えてくれた。
この作品は祖母が残した言葉がきっかけとなりはじまった。
祖母のように、人は生きて行く中で避けることのできない現実と直面し、戸惑う。それでも生に向き合い、未来に期待を抱き、光と闇の間を漂い続けるものなのだ。
限られた人生の時間の中で人々が発している、わずかな光と丁寧に向き合いたい。
人が確かにこの世に生き、何かを模索したのだという証を私は撮りたいのだ。  (中井 菜央)

作者のプロフィール

中井 菜央(ナカイ ナオ)
1978年滋賀県生まれ。2005年日本写真芸術専門学校卒業。08年第30回写真「ひとつぼ展」入選。第4回名取洋之助写真賞奨励賞受賞。10年第2回写真「1_WALL」入選。
写真展に、08年第30回「ひとつぼ展」(ガーディアンガーデン)、09年第4回名取洋之助写真賞受賞作品展(富士フォトサロン/東京・大阪)、10年第2回写真「1_WALL」展(ガーディアンガーデン)などがある。
HP http://www.nakainao.jp/

井上 尚久写真展

写真
日常の知覚
12/4 (木) ~12/10 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

私たちは、視野に広がる三次元の対象について五感をもとに感じることができる。
五感をもとに感じるということは、目の前にある日常空間を人それぞれが独自に知覚することを意味する。
この世界を形づくるすべての“もの”や“こと”が人々の知覚によって存在するのである。
広さ、高さ、深さ、距離、速さ、熱さ、硬さ…。私たちが知覚する物理量は本当に不変なのか。現代ほど、この問いに向き合うことが求められる時代はない。
バーチャルリアリティは、人間の脳の本質を暴いていく。
社会は日常のあらゆることを複雑に、より複雑に関連づけ、私たちがあたりまえと思っている日常が揺らぎ始めるとき、世界はカオスへと向かっていく。
ここにある日常を写した写真群は、本当の世界なのか…。 カラー40点。

作者のプロフィール

井上 尚久(イノウエ タカヒサ)
1957年福岡県生まれ。90年有野永霧氏に師事。現在写塾・AIM(主宰有野永霧)理事長。
主な写真展に、2003年「三姉妹の夢」、06年「夢のつづき」、10年「日常の行方」(以上新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)があり、写真集に『日常の知覚』(14年冬青社刊)がある。

野村 恵子写真展

写真
赤い水
12/11 (木) ~12/17 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

2006年に発表した「Bloody Moon」、2009年の「Red Water」、2012年の「Soul Blue」と続いた一連の作品の流れの中で、この2年間に撮りおろした新作を中軸とした、集大成的な作品を展示する。
水は天地を廻り、自然の中で、永遠のサイクルを持っている。この身体という器に湛えられた「赤い水」。この器が壊れて消えたとき、その水は、魂は、やはり空に、地に帰っていくのか?
そんなことを常に考えながら、作者は日々を生きて、撮っている。
被写体の女性は、長年にわたって撮り続けている女性達である。彼女たちは写真となり、イコンとしてこの作品の中で存在している。
イメージは街を、天地を、時空を自由に翔ける。それが暫しの永遠となることを願っている。
カラー50点。

作者のプロフィール

野村 恵子(ノムラ ケイコ)
兵庫県神戸市生まれ。大阪ビジュアルアーツ専門学校卒業。卒業後渡米。ロサンゼルス、サンタフェにて写真を学ぶ。99年に沖縄をテーマにした写真集『DEEP SOUTH』をリトルモアより発表。同年、同名の写真展を渋谷パルコギャラリーにて開催。人物や風景から滲み出す濃密で切ない空気感、その独特の色彩感覚から力強く紡ぎ出された作品が高く評価された。97年「コニカプラザ新しい写真家登場」年間グランプリ、99年日本写真協会新人賞、2000年東川賞新人作家賞を受賞。12年新作写真集『Soul Blue 此岸の日々』を赤々舎より発売。その他既刊の写真集に『In-between』(Europe Today/05年刊)、『Bloody Moon』(冬青社/06年刊)、『Red Water』(Artbeat Publishers/09年刊)などがある。個展、グループ展多数開催。現在東京都在住。

石川 直樹写真展

写真
国東半島
12/18 (木) ~12/29 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

日本列島は、海によって孤立していたのではなく、海によって開かれた土地だった。大分県の国東半島は、朝鮮半島から南下してきた文化が九州北部を伝って瀬戸内海に入っていく際の交差点のような場所である。修験道をはじめとする山に根付いた文化と、多様な祭祀を含む渡来の文化が海に突き出したこの地でまじりあい、独特の風土を生み出した。
神と仏が同居する神仏習合が今も市井の人々のあいだに根付く国東半島は、行き止まりでありながら入口でもあり、閉ざされていながら宇宙に繋がる無限の世界を内包している。
作者はこの円形の半島において、まったく新しい世界に触れることになった。本展では、そうした半島の日常と非日常を行き来して見つめ続けた末の写真群を展示する。
カラー約20点。

作者のプロフィール

石川 直樹(イシカワ ナオキ)
1977年東京生まれ。写真家。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心をもち、行為の経験としての移動、旅などをテーマに作品を発表し続けている。2006年、写真集/展覧会『THE VOID』により、さがみはら写真新人奨励賞、三木淳賞。08年、写真集『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞。09年、写真集『Mt.Fuji』(リトルモア)、『VERNACULAR』(赤々舎)を含む近年の活動によって東川賞新人作家賞。10年、写真集『ARCHIPELAGO』(集英社)にて、さがみはら写真賞。11年、『CORONA』(青土社)にて第30回土門拳賞を受賞。ヒマラヤ写真集シリーズ『Qomolangma』『Lhotse』『Manaslu』『Makalu』(SLANT)を連続刊行。8月20日~10月5日まで、東京・六本木のIMA CONCEPT STOREにて新作写真展『Makalu』を開催。2014年9月、写真集『国東半島』(青土社)発売。

12/30 (火) ~1/4 (日)
年末年始休館
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