Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

ニコンサロン bis 新宿 2014年12月

写真
ニコンカレッジエキスパートコース
第2期卒業作品展
11/25 (火) ~12/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

ニコンカレッジ(写真教室)のエキスパートコース「魅力的な風景写真を創る」受講者による写真展で、今回が2回目の開催となります。
講座は、写真展に出品する作品を制作することを目的に、2014年4月から9月までの6ヶ月間に開催され、受講者は日ごろの撮影、実習、作品講評を通じて技量の向上に励んできました。
この講座を受講したのは過去にニコンカレッジ専門講座(中・上級向け講座)を受講した経験のある18名で、ゆっくりとした季節の彩りを追いながら、魅力的な風景写真の創作に励みました。
展示する作品は、講座のなかで行われた実習やふだん撮りためた作品の中から選んだものです。
写真展出品という目的のなかで、受講生の写真に対する意識も変わり、講座の成果はもちろんのこと、本展を契機に各人それぞれが新たな創作に向かっていくことを期待するものです。カラー40点。

グループのプロフィール

「ニコンカレッジ」は株式会社ニコンイメージングジャパンが主宰している写真教室で、1年間に10,000人の受講者を集め、東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、横浜、札幌、広島と全国で展開しています。
今回のエキスパートコースは半年にわたる講座ですが、通常は3ヶ月ごとに講座を更新しながら初心者から経験者まで、風景、スナップなどレベルや目的に合わせて多彩な講座を用意しています。とくに最近ではデジタルカメラを手軽に使いたい方のための「テーマ別入門講座」や、女性だけで学べる「フォトフェミ!」などが人気を集めています。また、基礎講座以上を修了した受講者には「撮影ツアー」も用意しており、講座で習得した技量を実践する場にもなっています。
各講座とも、豊富な知識と経験をもつプロの写真家が講師を務め、懇切丁寧な指導により、リピーターとなる受講生も多数います。

juna21 第16回三木淳賞受賞作品展
林 典子写真展

写真
キルギスの誘拐結婚
12/2 (火) ~12/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

写真

中央アジアの小さな国キルギスでは、キルギス人の既婚女性の約4割が男に誘拐され、結婚させられているといわれている。キルギス語で「Ala Kachuu」(奪い去る)と言われ、女性たちの約85%は何時間、何日間もの抵抗の後に、結婚を受け入れる。
誘拐されると、女性たちは誘拐した男の家に連れていかれ、男の親族の女性たちに説得され続ける。さらにキルギスの村社会で敬われている高齢の女性たちにも説得される。一度男性の家に入ると、純潔ではないと見なされ、実家の家族に恥をさらしてしまうという理由で結婚を受け入れる女性たちが多い。
1994年に制定された法律によって誘拐結婚は禁止されているが、誘拐で結婚した女性たちの中には、もちろん幸せな夫婦生活を送る女性が多くいる一方で、離婚や自殺に追い込まれる女性たちもいる。
作者は2012年7月から11月までの4カ月間、キルギスの村々を訪れ、これまでに誘拐で結婚をした10代から80代の夫婦を撮影した。
本展では、誘拐直後から結婚式、新婚生活までの2週間を、生活をともにしながら撮影した大学生ディナラや、誘拐後に兄に救助され、実家に帰っていった20歳の学生ファリーダ、誘拐され、嫁いだばかりの若い女性などの写真を展示する。
カラー30点。

授賞理由

報道写真というジャンルに長らく「古典」のイメージを抱いていたが、林氏の写真は、この手法の新しい可能性を感じさせるものであった。
「キルギスの誘拐結婚」には、遠い国の女性たちが直面する現状が写っている。写真を見るとき、撮影者がなぜその場所へ行き、その被写体を選んだのか、ということをいつも考えるが、作者の写真には、必然性のようなものが感じられた。
ここに写る女性たちが林氏に写真を撮らせてくれたのは、自分たちに起こっていることを、遠くのわたしたちに知らせたかったからではないだろうか、と感じ、その意味で、この写真群は作者と、被写体であるキルギスの女性たちと、鑑賞者であるわたしたちのどれが欠けても成り立たないという気持ちになった。
林氏の写真は、単なる写真にとどまらず、わたしたちを考えさせたり、未来への課題を話し合わせたりする広がりを持った、インタラクティブな「場」として機能している点が素晴らしい。

作者のプロフィール

写真

林 典子(ハヤシ ノリコ)
1983年生まれ。イギリスのフォト・エージェンシー、Panos Pictures所属。大学時代に西アフリカのガンビア共和国新聞社「The Point」紙で写真を撮り始める。「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。2011年名取洋之助写真賞、12年DAYS国際フォトジャーナリズム大賞、13年フランス世界報道写真祭Visa Pour L’Image報道写真特集部門「Visa d’Or」金賞、14年NPPA全米報道写真家協会賞Best of Photojournalism 現代社会問題組写真部門1位、さがみはら写真新人奨励賞受賞。清里フォトアートミュージアム作品収蔵。ワシントンポスト紙、デア・シュピーゲル誌、ル・モンド紙、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(イギリス版)、DAYS JAPAN、ナショナル ジオグラフィック日本版など国内外のメディアで発表。
主な写真展に、09年「リベリア内戦の爪あとに生きる」(シリウス フォトギャラリー)、11年「硫酸に焼かれた人生 パキスタンの女性たち」(新宿ニコンサロン)、14年「Unholy Matrimony」(日本外国特派員協会)などがあり、著書に「フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 いま、この世界の片隅で」(岩波新書)、写真集「キルギスの誘拐結婚」(日経ナショナル ジオグラフィック社)などがある。

juna21 三木淳賞奨励賞受賞作品展
山野 雄樹写真展

写真
降灰の島
12/9 (火) ~12/15 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

爆発音とともに巨大なキノコ雲のような噴煙が上がり、噴石が弧を描きながら落ちるのが見える。灰色の雲が空を覆い、集落に火山灰が降り始める。視界がぼやけていき、景色は灰色に塗り変わっていく。
鹿児島県では、テレビやラジオなどの天気予報で桜島上空の風向きを報道し、県民は毎日風向きを確認する。
鹿児島生まれの作者にとって、小さいころから桜島はそこにある風景の一部である。
桜島は鹿児島県の錦江湾(鹿児島湾)の中心にある周囲55㎞の火山島で、活発な火山活動を続けているが、島には約5,000人が暮らしている。火口から4㎞の距離には集落が存在し、1914年(大正3年)と1946年(昭和21年)に大きな噴火が起き、集落は大打撃を受けた。畑や集落は埋没し、島民は避難や移住を余儀なくされた。大正の大噴火では、噴出した溶岩で大隅半島と繋がることとなった。
相次ぐ噴火に見舞われながら、島を追われた人々は幾度となく島に戻り、暮らしを立て直す。今でも噴煙活動は続き、農作物は毎年降灰や火山ガスにより大きな被害を受け、雨の日には水なし川に土石流が流れる。噴石が集落にいつ落ちてくるか分からない中で、それでも生きる人々の故郷への執着心に作者は興味をもった。
 年数百回の噴火を数える山の裾野で、火山とともに生きる人々を追った作品である。
カラー約50点。

授賞理由

桜島という、厳しい自然の膝元で暮らす人たちを写した「降灰の島」からは、集落の人のリラックスした様子に、自分も同じ山を見て育ったという山野氏との関係性が見て取れる、とても気持ちのよい写真である。集落の人たちは、おそらく噴火のために幾度も大変な思いをしていると思われるが、皆、とても幸せそうだ。そういった暮らしの存在が、この写真を見る人びとを勇気づける点が、「降灰の島」の魅力である。ただ、幸せな様子が強調されることで、鑑賞者が「大変でも幸せなら良かったね」という感想を抱いて終わってしまうのではない、もう一歩踏み込んだ冷静な観察眼のようなものがあってもよかったかもしれない、と思う。その点を今後に期待する。

作者のプロフィール

写真

山野 雄樹(ヤマノ ユウキ)
1988年鹿児島県生まれ。2012年「工場の少女達」で第7回名取洋之助写真賞奨励賞受賞。
写真展に、09年「十五夜」、10年「COSMO」(以上 ME Photo Gallery/福岡)、12年「工場の少女達」(富士フィルムフォトサロン/東京・大阪、福島市民ギャラリーにて受賞作品展)などがある。

juna21 八木 隆太写真展

写真
鼓動
12/16 (火) ~12/22 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

20世紀から21世紀へと時代が変わり、ハイテクノロジー化とシステム化が進む現代の社会は、生活の豊かさの向上や先進技術の進歩には目を見張るものがある。しかし、そういった表層的な社会の躍進とは裏腹に、社会全体の雰囲気には閉塞感が漂う。
テレビで流されるニュースからは様々な問題や犯罪が報じられ、先行く将来に不安を忍ばせる。文明の進歩とは対照的に、社会の人々の暮らしぶりからは、低迷という言葉が滲み出し、パズルのピースが上手く噛み合っていないようなちぐはぐな印象を受ける。
インターネットの普及はコミュニケーション方法に影響を与え、スマートフォンやパソコンは欠かせないツールとなった。コミュニケーションの表現方法でさえもデジタル化が広まり、伝統工芸品や手工芸品が衰退の一途を辿る。人間の感覚や勘を頼った技術はハイテクノロジー化へと移行していくこの時代にあって、写真の世界もデジタル化が進んでいる。デジタル化が広く浸透していくのは時代の流れであり、致し方ないことである。
しかし、表現の世界において利便性や結果重視の思考がもたらす影響も考えなければいけない。
手間暇をじっくりかけ、生まれ持った心と体を使い、自己の内にある不可視なものを型にする。もし、表現という人間だけに与えられた能力を他者の益へと向けられたなら、不協和音にも似たパズルのピースは上手く嵌め込むことができるのではないだろうか。
モノクロ27点。

作者のプロフィール

八木 隆太(ヤギ リュウタ)
1981年宮城県生まれ。2009年東京綜合写真専門学校写真芸術第二学科卒業。11年同校研究科卒業。
写真展に、12年「蜃気楼」(Juna21 新宿・大阪ニコンサロン)がある。

ニッコールクラブ新宿自然支部 写真展

写真
樹と樹のある風景
12/23 (火) ~12/29 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

自然を愛し、自然の美しさに魅せられた作者たちは、風景写真を撮り続ける中で、地球上でもっとも長い命をもつ樹木たちの魅力に注目し「樹と樹のある風景」をテーマに撮影を続けてきた。
樹たちは、風景の主役として、また時には重要なわき役として、季節の移り変わりで芽吹き、開花、新緑、結実、紅葉、落葉などを演じ、また、草花やコケ、雪や霧との共演も見せてくれる。幼木から力強い大木の成長し、最後に次の世代に命をつなぐ姿も見せてくれる。その命の力強さ、美しさ、優しさ、華やかさ、ときに寂しさや悲しさ、厳しさなども見せてくれる。
展示する作品は、そんな樹々たちの自然の姿に感動しつつ収めてきた作品である。
カラー43点。

グループのプロフィール

<ニッコールクラブ新宿自然支部>
2002年(平成14年)、当時のニコン塾(新宿)修了者有志が集まって写真集団「自然塾」を結成し、顧問に元ニコン塾講師の大坪信二氏を迎えて発足。「新宿」の地名を冠しているが、会員は関東各地に在住している。自然風景を中心に撮影しているが、都会風景やスナップまで、幅広く撮影する会員もいる。
05年(平成17年)、ニッコールクラブ新宿自然支部ととして承認され、併称して活動を続けている。撮影会、講評会を中心に活動し、毎年1回グループ展を開催。07年にはテーマ写真展「水のある風景」をニコンサロンbis新宿で開催し、本展は支部第2回目のテーマ写真展である。

12/30 (火) ~1/4 (日)
年末年始休館
ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員