Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2014年2月

PHOTOGRAPHER HAL 写真展

写真
雜乱
1/29 (水) ~2/11 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休館:2/1(土)・2(日)

写真展内容

作者は、今までカップルが惹かれ合うパワーを表現するため、彼らを真空パックして、密着させて撮影していたが、さらに愛のパワーを表現する方法はないか試行錯誤していたときに、一生を終えた星が収縮してブラックホールになり、あらゆる物を吸い寄せるという話を思い出した。
そこで、二人の生活上で身の回りにある彼らが愛してやまない物たちを、もろごと真空パックしてみた。
彼らが身にまとった一見無秩序な物たちは、胎内の中で羊水を栄養に生きる胎児のように彼らが生きて行く上で必要な物たちであり、自然界のすべてのもののように、彼らに選ばれる運命を辿って張り付いている物たちや、それらの配置は必然である。また、渾然一体となったそこには、彼らのパーソナリティーや美が凝縮され、愛のエネルギーが充満している。カラー26点。

作者のプロフィール

PHOTOGRAPHER HAL(フォトグラファー ハル)
1971年東京生まれ。大学でメカニックを学ぶ。2004年写真集『PINKY & KILLER』発売後、カップルを被写体に撮影を行っている。11年Art of Photography(USA) 1st Place、12年Prix de la Photography(Paris) 3rd Plize、同年同賞2nd Plize受賞。
主な写真展(個展)に、99年「ナツヤスミ」(新宿ニコンサロン・Juna21)、2009年「Couple Jam」(ギャラリー冬青)、11年「Flesh Love」(新宿ニコンサロン、ギャラリー冬青)、12年同展(TANTO TEMPO/神戸、Blue Sky Gallery/Portland・USA)、13年同展(1839 Contemporary Gallery/台北・台湾)があり、グループ展に、09年Jeune Photographie Japonaise(アルル/フランス)、12年New Directions-Crossing Territories(Wall Space Gallery/USA)、Love Love Show(鞆の津美術館/福山)、I Am Heath Cliff(Daine Singer/メルボルン・オーストラリア)、Transformer. The Body Remixed(Galerie SAW Gallery/カナダ)などがある。
写真集に、04年『PINKY & KILLER』(私家版)、07年『PINKY & KILLER DX』、09年『Couple Jam』、11年『Flesh Love』(以上冬青社)がある。

藤岡 亜弥写真展

写真
Life Studies
2/12 (水) ~2/25 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者は文化庁海外派遣留学生として2008年から1年間ニューヨークを拠点に創作活動を始めた。その後さらに3年間ニューヨークに滞在し写真制作に励んだ。その4年間の成果が本展である。
作者のニューヨークでの表現活動は、必ずしもスムーズにスタートしたわけではなかった。経済的不安定や人間関係のストレス、もつれる愛など、生活のペースを獲得することすら困難な状況に陥ることもあった。
文化庁派遣留学生としての1年は、ニューヨークに順応する為の時間に費やすことになったと振りかえる。そしてようやくカメラを手にした。対象は虚言癖のあるボーイフレンド、マリファナ中毒の隣人、ルーズでナルシストなルームメイトなど。そして街頭の人々のスナップショットに集中してゆく。
しかし作者は、表現の対象は写している他者でなく自分自身であることに気づく。
被写体としてよく現れるのは、悲劇的にも見える子供たち、対照的に戯れる恋人たち、それらが交互に縄を編むように現れてくる構造は、悲嘆と願望との落差で翻弄された作者のニューヨークで体験した「Life Studies」である。
ニューヨークという大都市に渦巻く巨大なエネルギーの混沌。弱者と強者、軽さと重さ、その両極の間にのみ込まれ、膨張と収縮をくりかえしながら、写真を撮ることでようやく立ち上がってゆく作家の姿をここに見ることができる。カラー42点。

作者のプロフィール

藤岡 亜弥(フジオカ アヤ)
広島県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1996年~98年台湾師範大学留学。08年文化庁海外派遣留学にて1年間ニューヨークに滞在。その後12年までニューヨークで活動。94年日本大学芸術学部芸術学会奨励賞、04年ビジュアルアーツフォトアワード、ひとつぼ展入選、10年日本写真協会新人賞受賞。広島を拠点に活動。
主な写真展(個展)に、96年「なみだ壺」(ガーディアン・ガーデン/東京)、「笑門来福」(WORKS H/横浜)、01年「さよならを教えて」、04年「離愁」(以上新宿ニコンサロン)、05年同展(ビジュアルアーツギャラリー/東京、大阪、名古屋、九州)、06年「私は眠らない」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、09年同展(スペースAKAAKA/東京)、10年「Life Studies」(Dexon gallery/New York)、11年「Life Studies」「アヤ子江古田気分」(スペースAKAAKA/東京)、12年「離愁」(スペースAKAAKA/東京・ギャラリーG/広島)があり、グループ展に、05年「離愁」(ひとつぼ展)、「マリクレール ホワイトキャンペーン 2005」、06年「中国平遥国際写真フェスティバル」、「フォトグラフィティ1980?2005」(新写真派協会 ポートレートギャラリー)、10年“飯沢耕太郎が注目する女性写真家”(RICOH リングキューブ)、日本写真協会受賞作品展(フジフォトギャラリー)などがある。また、出版物に、『「シャッター&ラブ」16人の若手女性写真家』(インファス出版/96年刊)、『さよならを教えて』(ビジュアルアーツ出版/04年刊)、『私は眠らない』(赤々舎/09年刊)などがある。

2014年ニコンサロン特別企画展「Remembrance 3.11」
土田 ヒロミ写真展

写真
フクシマ
2/26 (水) ~3/11 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故は、甚大な被曝被害を今もなおもたらし続けている。過去の世界の原発事故、スリーマイル島(1979年)、チェルノブイリ(1986年)に比類する事故であり、ヒロシマ、ナガサキの被曝国日本が被曝の加害者の立場にもなってしまった事故であるという認識をしなければならない重大な状況が発生しているのである。
この事故は未だ終息をみたわけではなく進行中であり、広域にわたる高濃度な放射能汚染によって、汚染地域の人々の生命の危機、長期にわたる避難、それに伴って産業機構の崩壊、家族の崩壊、そして地域社会の破壊へと進行している。今後、永年の後に遺伝子学的障害も予測される事態が進行している。また、さらに地球規模の汚染が進行する可能性も大きい事故である。
このような放射能汚染事故は、巨視的に見ると自然と科学、言い換えれば自然と人間が調和してきた関係を一方的に人間側から放棄せざるを得ない文明史的破壊といえるカタストロフィー(catastrophe)である。

上記の認識から、本展は、我々が失った(放棄せざるを得なかった)モノの大きさを福島の四季の移ろう風景を記録することで、あらためて知覚、認識したという試みである。
福島の風景には、新緑、さくら、入道雲、紅葉、雪、……がある。まさに、日本の典型の景観が展開している。その風景は、日本人の誰もが親しんでいる自然と類似している。そのような風景を、自分自身が身近に体感している風景と同一性を発見することで「フクシマ」が他人事でなく自分自身の悲劇、大仰には現代文明を享受している我々が冒した誤謬として捉えられるべきものであるという変識化を促す表現をめざした表現である。

撮影時期:2011年6月~2013年11月(以降も予定)
撮影場所:福島第一原子力発電所から10~40㎞
(主に計画的避難区域、帰宅困難区域、住宅制限区域、避難指示解除準備区域等の国道339号、6号、県道114号、288号等の道沿、及び側道、林道などが中心。広野町、楢葉町、富岡町、浪江町、川内村、田村市、葛尾村、飯舘町、いわき市、南相馬市、川俣市、福島市など)
カラー約35点。

作者のプロフィール

写真

土田 ヒロミ(ツチダ ヒロミ)
1939年福井生まれ、福井大学時代に写真を撮り出す。
71年本格的に写真作家を目指しフリーランサーに。
「自閉空間」で第8回太陽賞受賞。
68~75年、日本の土俗性へ視線をむけ76年「俗神」出版。評価を得てニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)、ポンピドーセンター(パリ)などの海外で発表続く。
その後、次第に都市へ関心が移り、群衆を対象に「砂を数える」(75年、83年個展)。
原爆に対峙して75年から現在まで「ヒロシマ1945~1979」(伊奈信男賞受賞)、「ヒロシマ モニュメント」、「ヒロシマ コレクション」など発表、今も継続してヒロシマの取材活動をしている。
95年頃より銀塩フイルムからスキャニングによりデジタルデータへ変容し作品化が始まる。
「The Berlin Wall」(99年個展)、「新・砂を数える」(02年個展)、「Fake Scape」(02年個展)。
2005年からイスラエル取材開始。
「土田ヒロミのニッポン」(07年東京都写真美術館企画展)。
同展で09年に第27回土門拳賞受賞。
09年「The Berlin Wall」の再度のベルリン取材。
11年6月より、「フクシマ」取材開始

主な作品収蔵美術館:ニューヨーク現代美術館/サンフランシスコ現代美術館/ポンピドーセンター/パリ国立図書館/ヨーロッパ写真センター/カナダ国立美術館/東京都写真美術館/東京近代美術館/ 川崎市民ミュージアム

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