Nikon Imaging
Japan
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大阪ニコンサロン 2013年10月

juna21 島田 悠吾写真展

写真
NYC/Yellow-blue
9/26 (木) ~10/2 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

ニューヨークという街は、数年で劇的な変化を見せる街ではない。少なくとも表面上はそうだ。
2010年、作者は会社を解雇され、現実逃避するように飛行機に乗った。職も収入もなくなったが、全てを忘れるように歩き、写真を撮り続けた。中心から離れたひと気の無い場所、路地裏や工場地帯、人を避けるように、人を避けるように。
やはり忘れるなんて出来ないのだ。帰国は近づき、日本での生活が待っている。見返した写真には、誰もがイメージする華やかな街は、写っていなかった。
先の見えない心は、砂煙に霞んだ空のようだ。わずか1週間の、逃避の旅は終わった。
それから2年が経った。以前からは想像もつかないくらい、忙しい日々を送る。そんなある日、写真学校で世話になった先生に、久々に会う機会があった。先生は「写真は撮っているか?」「写真を見せろ」と言う。最近は忙しく、写真を撮れていないことを伝えた上で、「古いものなら」とニューヨークを見てもらう約束をした。
ずっとハードディスクに眠っていた写真と向き合う。真逆の環境、心情に身を置く今、それらは何故か力強く、愛しく思えた。誰にも見せなかったことを悔いるほどに。
2012年から13年、年末から年始にかけて、再びニューヨークの街を歩く。変らない街並みがそこにあった。あの頃と違う自分が、過去の為に今を写す。1月の冷たい風と、時折見える青空、冷静な眼差しを持って。カラー約30点。

作者のプロフィール

島田 悠吾(シマダ ユウゴ)
1983年京都府生まれ。2005年日本写真芸術専門学校卒業。06年株式会社光洋カラー社(現株式会社ピク光洋)入社。08年FIGHT CLUB Co, LTD 入社。10年フリーランスとして活動を始める。11年super sonic(http://www.super-sonic.jp)に参加。

写真
ニコンフォトコンテスト 2012-2013 入賞作品展
10/3 (木) ~10/16 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

ニコン フォトコンテストインターナショナルは、「世界中の写真愛好家が、プロフェッショナルとアマチュアの枠を越えて交流できる場を提供し、写真文化の発展に貢献すること」を目的に、株式会社ニコン(社長:木村眞琴)が1969年から開催している、歴史ある世界最大規模の国際写真コンテストで、近年は隔年に開催しています。
34回目を迎える今回は、名前をニコンフォトコンテストと変え、動画部門を新設し、世界中から素晴らしい審査員を招いて、新しいフェーズに入りました。
このコンテストが目指しているのは、優れたクリエイティビティで、何かを伝える力の強い表現を生み出すフォトグラファーたちのコミュニティを醸成していくことです。写真を愛し、写真と真剣に向き合う世界の仲間が、お互いの視点に刺激を受け、認め合い、切磋琢磨してゆく場を提供することで、写真文化を深めてゆきたいと考えています。
2012年12月1日から2013年2月28日までの募集期間中に、153カ国の国から、22,752人、99,339作品が集まりました。今回は、作品のテーマについては、どのカテゴリーも自由題目とし、単写真部門、組写真部門、フォトグラフィック・ムービー(45秒ビデオ作品)部門、新しい映像表現を提案する、レンズ交換式アドバンストカメラ「Nikon 1」の発売を記念した、モーションスナップショットの4つの部門で構成しています。
単写真、組写真、フォトグラフィック・ムービーの3つの部門の1位入賞者には、副賞としてコラボレーティング・パートナー企業のデル株式会社より、10万円の賞金が贈られます。また、2013年にNIKKORが80周年を迎えたことを記念して、新たに、この3部門の上位入賞作品から、NIKKORレンズで撮影された作品の中で、最も優れた作品には、新たに「NIKKOR賞」を授与いたします。
写真映像を通して伝えたいストーリーの強さ、普遍性、新しさ、多様性の中から、入賞作品が選ばれました。

審査員 Mr. Chris Rainier(委員長)
Mr. Iata Cannabrava
Mr. Stefen Chow
Ms. Julia Durkin
Mr. Timothy Fadek
Mr. Morten Krogvold
Mr. Yuri Kozyrev
Mr. Wang Lei
Mr. Larry McNeil
Mr. Moeketsi Moticoe
南條史生氏
大和田良氏
Mr. Raghu Rai
Ms. Aysha Remithi
Ms. Marcela Taboada
Ms. Ami Vitale
Ms. Huang Wen

全日本写真連盟展

写真
全日本写真展2013
10/17 (木) ~10/23 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

41回目を迎えた「全日本写真展 2013」のテーマは、身のまわりの暮らしや風俗、人間の営み、政治経済に至るまで、“あなたのセンスで現代を切りとろう”である。
展示する作品には、変貌する都市や農村、地方に残る昔ながらの暮らしなど、全日本写真連盟の会員をはじめとする全国のアマチュアカメラマンや高校生が、足で歩いて捜し出した“現代のひとコマ”が写し出されている。
本展は、「国際写真サロン」、「日本の自然」とともに全日本写真連盟が主催する代表的な公募写真コンテストで、一般の部、高校生の部の2部門に分けている。本作品展では入賞作品一般の部113点、高校生の部44点の合わせて157点を展示する。なお、入賞作品集を制作し、記録として残している。
本写真展は新宿ニコンサロンでの開催後、本年10月17日(木)~10月23日(水)、大阪ニコンサロンにおいても開催し、その後全国の主要都市を巡回する。

団体のプロフィール

全日本写真連盟は1926年(大正15年)に創設され、朝日新聞社が後援する全国的な組織で、現在約1万5000人の会員を擁する写真愛好家の団体である。

第19回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
小林 勝利写真展

写真
仁淀川遡行
10/24 (木) ~10/30 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

いまや山村の集落は荒廃し、人影も少なく消滅の寸前にあるといえる。
作者が山村の集落を初めて訪ねたのは、30数年前の1980年のことだった。
四国には、西日本最高峰の石鎚山を源とし、高知県の中央部を貫いて、土佐湾に流れ込む「水質日本一」の仁淀川がある。この川の上流域に開けた集落を訪ねるきっかけは、清流に沿って遡り、山村の人々にただ逢いたいという至極単純な気持ちからであった。
川を遡り詰めた先の集落には元気な子どもたちの姿があった。集落内で買い物をし、学校にも通える楽しい暮らしがそこにはあった。しかしいま、その風景は「激変」してしまった。
もはや、当時の風景に戻る手段はないかもしれない。が、昔の風景と人々を辿ることで、「人々の絆」や「地域の持つ力」について、改めて問い直し、思いを深めることはできるだろう。
今日の閉塞感の極まった社会にあって、効率が悪く切り捨てられてきた山村社会の復活に、人間本来の幸せのありようを取り戻す術があると考えている。モノクロ30点。

選考委員講評

高知県を流れる美しい川、仁淀川。その上流をおおい被さるような両対岸の山々。厳しい山村集落で自然と共存しながら生き続ける人々と暮らしぶりを30余年に渡って撮り続けた記録写真。全ての写真に「心と絆」が写しだされている。
昨年の文化賞受賞者 高橋ぎいち氏の山梨県芦川集落の人口減少と高齢化、過疎化問題の作品と偶然にもテーマが一致した。
一昨年の東日本大震災の津波で多くの尊い命が一瞬にして奪われ、原発事故の影響の深刻さが明らかになるにつれ、我々は事の重大さに気付き始めた。今、人が生きてゆくための有りようが問われている。
小林さんの写した多くの山間集落の人々の生活写真は「人間の仕合せの原点は何なのか」を見事に写し出している。写真の原点であるモノクロ写真は写した人々の更にその奥底まで読み取れて力強い。写真一枚一枚の丁寧なキャプションも説得力がある。(藤森 武)

作者のプロフィール

小林 勝利(コバヤシ カツトシ)
1942年高知市生まれ。62年柳生建設(後合併により大旺建設に改称)に入社。66年高知県立高知短期大学卒業。77年東京綜合写真専門学校卒業。勤務先の東京支店転勤時期に同校の第2学科にて重森弘淹ゼミを専攻。80年写真を趣味とし、日曜カメラマンとして仁淀川上流域の写真記録の活動を始める。2002年大旺建設定年退職。退職後、4年間闘病生活を送る。05年町内会活動や地域のまちづくりの会に参画。07年高知県下の山村集落の写真記録を始める(現在県下を3巡目中)。10年写真同人『現』の会を設立し同人となる。
写真展に、83年「仁淀川遡行」、87年「僕らあ優勝旗はないけんど」があり、写真集に『ぼくらあ優勝旗はないけんど』(飛鳥出版室・87年刊)、『仁淀川遡行』(和田書房・12年刊)などがある。

原 芳市写真展

写真
常世の虫
10/31 (木) ~11/6 (水)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

645年は大化改新の年。その前年に起きた日本史上初の宗教弾圧事件が「常世の虫」である。
日本書紀によると、現在の静岡県に大(おお)生(う)部(べの)多(おお)という男がいて、アゲハチョウの幼虫を奉り、拝み踊れば富と長寿が得られると吹聴すると、人々に愛され、急速に勢力を増していったという。「常世の虫」を奉る教団を危惧した葛野の秦(はたの)河(かわ)勝(かつ)は、それを鎮圧した。
作者はこの事件を不思議な思いで読み、「その長さ四寸余、その大きさ頭指許の如し。その色、緑にして、黒点あり。その顔、全養蚕に似たり…」という虫に魅了された。
15年もの長い間、その虫は作者の頭の中で生き、夏になると、その虫が蠢いて語るという。そして虫たちの夏を過ごすのである。モノクロ60点。

作者のプロフィール

原 芳市(ハラ ヨシイチ)
1948年東京生まれ。72年千代田デザイン写真専門学院中退。
写真展に、73年「東北残像」(銀座キヤノンサロン)、80年「ストリッパー図鑑」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、81年三人展「幟の遠景」(新宿ニコンサロン)、83年「淑女録」(新宿ミノルタスペース)、86年「曼陀羅図鑑」(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、87年「曼陀羅図鑑Ⅱ」(ギャラリーK/福島)、93年「エロスの刻印」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、2002年「現の闇」(銀座ニコンサロン)、08年「現の闇Ⅱ」(ギャラリー蒼穹舎/東京・新宿)、09年三人展「幻の街」(サード・ディストリクトギャラリー/東京・新宿)、「幻の刻」(ギャラリー蒼穹舎/東京・新宿)、「常世の虫」(サード・ディストリクトギャラリー/東京・新宿)、10年「光あるうちにⅠ」(同)、11年「光あるうちにⅡ」(東塔堂/東京・渋谷)、「光あるうちにⅢ」(バン・フォト・ギャラリー/名古屋)、12年「光あるうちに」(銀座ニコンサロン)、12年「hy」(プレイスM/東京・新宿)、「常世の虫Ⅱ」(サード・ディストリクトギャラリー/東京・新宿)などがあり、著書に『風媒花』『ぼくのジプシー・ローズ』『ストリッパー図鑑』『淑女録』『曼陀羅図鑑』『影山莉菜伝説』『ストリップのある街』『ザ・ストリッパー』『現の闇』『光あるうちに』などがある。

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