Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン 2013年9月

寺門 豪写真展

写真
部屋と写真
8/27 (火) ~9/2 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

今回展示する写真は2012年初頭からおよそ1年の間に撮影したものである。当時私は戦前に建てられた木造の家に妻と暮らしており、二階の一室をスタジオ代わりに撮影していた。

窓辺に垂らした白い布を背景に、テーブルの上に被写体となるものを配置する。シンプルな構成の白黒写真を作るのだが、頭の中のイメージを元に撮影を行い、プリントを見ながら手を加えて撮り直す、ということを繰り返した。

一方で、制作が進むにつれ意識にのぼってきたのは、選んだものだけでなく、カメラの背後にある選ばれなかったものも撮影できないかということだった。そうして、ぼんやりした部屋の様子やメモ書きの文字も写真に収めた。単純化すれば、白黒で作品にしたかった世界を表現し、カラーでは足元の現実を写すという対比を考えたのだった。

11月に入った頃、家主から家の取り壊しを言い渡された。その頃私は写真における存在、について明確に捉えたいと思うようになっていた。例えば、写真はふつう現実に存在するものを写すわけだが、写真の中の被写体と目の前にあるそれとは別ものだということだ。現実はうつろい、写真はとどまる。現れ方は違うが、どちらにも確かな存在が、ある。

今年の春に私たちは引越しをした。7月、旧居を訪れてみると解体工事の最中だった。わずか1年前のことではあるが、ここに写された眺めは文字通り写真の中の存在となった。たったそれだけのことではあるが。 (寺門 豪)

作者のプロフィール

寺門 豪(テラカド ゴウ)
1976年栃木県生まれ。会社勤務をしながら写真を撮りはじめる。2007~09年ギャラリー・ニエプスの運営に参加。以降は個人で制作活動を続ける。10年「YOUNG ARTISTS JAPAN Vol.3」審査員賞受賞。11年「第1回 EMON Portfolio Review」佳作入選。
写真展に、07年「裏町」(ルーニィ247フォトグラフィー)、08年、09年「わたしの部屋」(ギャラリー・ニエプス)、10年「自由の街へ」(ポルトリブレ)、11年「わたしの部屋」(ナグネ)などがあり、10年に自主制作した写真集「わたしの部屋」がある。

甲斐 啓二郎写真展

写真
Shrove Tuesday
9/3 (火) ~9/16 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

展示する作品は、何かを追いかけているのか、はたまた逃げているのか、それとも何かの暴動なのか、訳の分からない写真ばかりだ。しかし、真冬の川に飛び込んだり、泥を跳ねながらダッシュし、激しく衝突して痣まで作る、何かに突き動かされた男たちの荒々しい姿に、人間の業を見ることができる。カラー約30点。

作者のプロフィール

甲斐 啓二郎(カイ ケイジロウ)
1974年福岡県生まれ。97年日本大学理工学部卒業。2002年東京綜合写真専門学校卒業。12年TOTEM POLE PHOTO GALLERY のメンバーとして活動を始める。
写真展に、07年「THE SURFACES」(LOTUS ROOT GALLERY)、09年「THE SURFACES 2」(TOTEM POLE PHOTO GALLERY)、11年「TOKYO STREAM」(ep SITE)、12年「TOKYO STREAM」、「Shrove Tuesday」、13年「Plain Pictures」(以上TOTEM POLE PHOTO GALLER)などがあり、写真集に、12年「TOKYO STREAM」(グリフォン書店・電子書籍)がある。

全日本写真連盟展

写真
全日本写真展2013
9/17 (火) ~9/23 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

41回目を迎えた「全日本写真展 2013」のテーマは、身のまわりの暮らしや風俗、人間の営み、政治経済に至るまで、“あなたのセンスで現代を切りとろう”である。
展示する作品には、変貌する都市や農村、地方に残る昔ながらの暮らしなど、全日本写真連盟の会員をはじめとする全国のアマチュアカメラマンや高校生が、足で歩いて捜し出した“現代のひとコマ”が写し出されている。
本展は、「国際写真サロン」、「日本の自然」とともに全日本写真連盟が主催する代表的な公募写真コンテストで、一般の部、高校生の部の2部門に分けている。本作品展では入賞作品一般の部113点、高校生の部44点の合わせて157点を展示する。なお、入賞作品集を制作し、記録として残している。
本写真展は新宿ニコンサロンでの開催後、本年10月17日(木)~10月23日(水)、大阪ニコンサロンにおいても開催し、その後全国の主要都市を巡回する。

団体のプロフィール

全日本写真連盟は1926年(大正15年)に創設され、朝日新聞社が後援する全国的な組織で、現在約1万5000人の会員を擁する写真愛好家の団体である。

juna21 林 典子写真展

写真
キルギスの誘拐結婚
9/24 (火) ~9/30 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

中央アジアの小さな国キルギスでは、キルギス人の既婚女性の約4割が男に誘拐され、結婚させられているといわれている。キルギス語で「Ala Kachuu」(奪い去る)と言われ、女性たちの約85%は何時間、何日間もの抵抗の後に、結婚を受け入れる。
誘拐されると、女性たちは誘拐した男の家に連れていかれ、男の親族の女性たちに説得され続ける。さらにキルギスの村社会で敬われている高齢の女性たちにも説得される。一度男性の家に入ると、純潔ではないと見なされ、実家の家族に恥をさらしてしまうという理由で結婚を受け入れる女性たちが多い。
1994年に制定された法律によって誘拐結婚は禁止されているが、誘拐で結婚した女性たちの中には、もちろん幸せな夫婦生活を送る女性が多くいる一方で、離婚や自殺に追い込まれる女性たちもいる。
作者は2012年7月から11月までの4カ月間、キルギスの村々を訪れ、これまでに誘拐で結婚をした10代から80代の夫婦を撮影した。
本展では、誘拐直後から結婚式、新婚生活までの2週間を、生活をともにしながら撮影した大学生ディナラや、誘拐後に兄に救助され、実家に帰っていった20歳の学生ファリーダ、誘拐され、嫁いだばかりの若い女性などの写真を展示する。カラー30点。

作者のプロフィール

林 典子(ハヤシ ノリコ)
1983年生まれ。パノス・ピクチャーズ(イギリス)所属。大学生の時に、西アフリカガンビア共和国新聞社「The Point」紙で写真を始める。現在社会問題や女性の人権問題などを中心にドキュメンタリー作品を撮影しており、2010年タイ外国人記者クラブ写真賞、11年名取洋之助写真賞、12年DAYS国際フォトジャーナリズム大賞1位、13年同賞3位をそれぞれ受賞。作品は、清里フォトアートミュージアムに収蔵されている。
主な写真展に、「リベリア内戦の爪痕に生きる」(シリウスフォトギャラリー)、「パキスタン 硫酸に焼かれた女性たち」(Juna21新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)などがある。

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