Nikon Imaging
Japan
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ニコンサロン bis 新宿 2012年10月

juna21 津田 隆志写真展

写真
site
9/25 (火) ~10/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者が日本中を旅しながら、公共性の高い場所にテントを張り、一夜を過ごし、その場所を記録しているシリーズである。
ある日、近所の公園にテントが張られていたら、「なぜここにテントが張っている?」と感じるだろう。その当たり前の反応には、土地の権利などとは別の所有概念もあるのではないか。人によっては、それを常識と呼ぶかもしれない。しかし作者には、それはもっとも漠然とした所有の意識のようなものに感じる。
「site」は、「公共性の高い場所に、一夜限りの家を建てる」という行為を通して、世界中に張り巡らされている所有と、私たちの中にある無自覚的な所有概念とを浮かび上がらせようとするプロジェクトである。カラー50点。

作者のプロフィール

津田 隆志(ツダ タカシ)
1983年生まれ。東京ビジュアルアーツ等で写真教育を受ける。写真やインスタレーション作品を中心に制作、発表を行っている。

大西 マサエ写真展

写真
Over Flow
10/2 (火) ~10/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者は、いつの頃からか、自分の中から溢れ出す正体不明の何かに悩まされていた。言葉にならない感情。願い。焦燥。これらのものを治めるために、作者は自分に似た景色を写真に撮った。そこに現れたものは作者にとって自分以上に自分らしく、自分以上に多弁な自分であった。
溢れ出したものを現実の景色に投影し、自分自身とともに放り出すことで何かが完結していく。そして、写真は作者の遺影になった。日々湧き上がる感情の遺影に。
このOver Flowという作品は、溢れ出す感情のすべてを赴くままに、写真というあまりに正直で残酷な、しかし何より強く誠実に伝える力を持ったものに託し、委ねたものである。カラー40点。

作者のプロフィール

大西 マサエ(オオニシ マサエ)
ニッコールクラブ岡山支部会員。

小山 哲夫写真展

写真
岩代國に想ふ
10/9 (火) ~10/15 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者は、猪苗代湖南側の岩代国(現 郡山市)に生まれ、25歳までを過ごした。社会人になってからは年1~2回、帰省した折に遊び心で人のスナップや集合写真を撮って楽しんでいた。
そして、社会の第一線から身を引いてからは故郷を想う心は強くなり、中通から会津地方の自然風景にカメラを向け撮影を始めた。裏磐梯エリアはプロからアマチュアまで多数の先輩カメラマンが撮りつくしている。そこで、どうすれば個性ある作品が撮れるかを探し求めて行脚すること10年。
昨年は未曽有の東日本大震災、特に福島県は原発事故で深い傷跡を残した。故郷に住む作者の兄弟や友人・知人も復興に向けて共に踏み出している。
作者は現在、気象条件などに関係なく故郷に出かけ、四季の彩り豊かな大自然を撮り続けている。カラー40点。

作者のプロフィール

小山 哲夫(オヤマ テツオ)
1934年福島県生まれ。62年日本社会事業学校卒業後、東京都庁に勤務。2000年都庁退職。01年現代写真研究所に入学。04年日本リアリズム写真集団に入会。11年現代写真研究所(竹内敏信ゼミ6年、入江進ゼミ2年)修了。

国分 光明写真展

写真
青い森の里村景況
10/16 (火) ~10/22 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

「里村」という言葉の響きは、作者が少年時代に暮らした土地の懐かしい原風景を甦らせてくれるという。いま里村は大きく様変わりしている。特に山沿いや山間の集落では、若者の農業離れや少子高齢化による過疎化が進み、小・中学校の閉校、無人家屋や放棄農地の増加など、負の要素が年々累積している。
冬は街にいる子どもの家で暮らし、春には限界集落の里村に戻る、という老夫婦もいる。しかし、人々は厳しい社会環境の中でも明るく大らかに、しぶとく暮らしている。
展示作品は、青森県南東部、昔は南部藩領地だったので、俗に「なんぶ」と呼ばれる地方のうち、十和田市、新郷村、五戸町の山沿いや山間にある里村で撮影したものである。
豊かな水と美しい自然に恵まれ、懐かしい原風景が残る里村。そしていま、社会の荒波が押し寄せる里村。「青い森の里村景況」は、作者が見た里村の素顔である。カラー42点。

作者のプロフィール

国分 光明(コクブン ミツアキ)
1935年青森県生まれ。1958年弘前大学卒業。1984年第52回毎日広告デザイン賞公共福祉広告の部入選。1986年第6回NAAC展 奨励賞(日本広告技術協議会)。00年PHOTO EXPO 審査員特別賞。04年第64回国際写真サロン入選。05年全日本写真展2005 銀賞。09年第57回ニッコールフォトコンテスト 準推選。11年サロン・ド・ニッコール年度賞 第1位。
主な写真展に、「南部のふるさと」「彷徨の軌跡」「窓辺の記憶」、二人展「モンゴルの光と風」などを、青森県内で開催している。

橋本 勝彦写真展

写真
もう一つの風景
10/23 (火) ~10/29 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

近くの町や遠い町へ旅したこと、そんな思い出が記憶となり、写真となった。それは裏町や町外れであったり、過疎化していく町を歩いて感じた風景への郷愁であったりする。
風景写真は昔から好きで撮っているという作者だが、撮られたプリントを見るとファインダーの中に見ていた景色は、いつも同じ視線で見ていたことに気づいた。写真は不思議な表現をも見せてくれる。
そんな景色の偶然の出会いは、作者にとっての「もう一つの風景」となり、時代の流れの中に時を刻み変貌していく、懐かしい風景写真となるのかもしれない。モノクロ40点。

作者のプロフィール

橋本 勝彦(ハシモト カツヒコ)
1996年写団「脈」に入会。01年ニッコールクラブ池袋支部に入部。2012年写真集「もう一つの風景」(蒼穹舎)刊行。

juna21 山市 直佑写真展

写真
Oneness
10/30 (火) ~11/5 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者はグローバリゼーションと縁遠いと感じでいた旧社会主義国家――カザフスタン、ルーマニア、ブルガリア、アゼルバイジャン、ウクライナ、そしてロシアを訪れた。
これらの国々でも、ビルが建ち並び、ショッピングモールがにぎわい、どこも風景が似てゆく。しかし、そこで作者が実感したことは、アクター、つまりその風景の担い手である住民が異なることによって、画一化されたように見える表層も、写真として並べてみると全く違うものになっている、ということだった。
表層に見る文化の違いは僅少になりながらも、はっきりとその文化的差異を残す。それが現代のグローバリゼーション文化なのではと作者はいう。
Onenessとは「同一性」と「特異性」という、相反する意味を併せ持つ。
グローバリゼーション文化とは、「同じ」であって、かつ「違う」という文化だ。そのアクターたちの表情や生活観を映像の中にとらえることで、その文化を改めて見つめようと試みる。
カラー約30点。

作者のプロフィール

山市 直佑(ヤマイチ ナオスケ)
1985年栃木県生まれ。07年日本写真芸術専門学校写真科卒業。07~08年同校助手として勤務。12年横浜国立大学経営学部修了。
主な写真展に、06年「川魚が跳ねた後」(コニカミノルタプラザ フォトプレミオ)、09年「Asian Today」(Juna21新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロン)などがある。

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