Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2012年7月

奥山 淳志写真展

写真
彼の生活 country songsより
6/20 (水) ~7/3 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

雪解けが進んだ田んぼに水を引き、代掻きをして、苗を植え、雑草を抜き…と大切に育てていた田や、山で木を伐り、苦労して割ったひと冬分の薪を捨て、ある日、彼は村を去った。

作者は彼に会って以来、彼が抱く“揺らぎ”を通し、この変わり行く時代に地方で生きることを考えてみたいと思った。それが、これらの写真群の中に見つかるかどうかわからない。そもそもそんな問い自体が取るに足らないものかもしれない。
しかし、今年で40代半ばを迎える彼が、自らの生活にどこまでも真摯に向き合い続ける姿勢は、作者の眼には見逃してはいけないものに映る。そして、作者はそんな彼を見るたびに、強風にあおられながらも伸びようとする名もなき草の姿を想像する。
彼の生活は今日も始まったばかりである。カラー約30点

作者のプロフィール

奥山 淳志(オクヤマ アツシ)
1972年大阪生まれ。京都外国語大学卒業。95~98年東京で出版社に勤務した後、98年岩手県雫石に移住し、写真家として活動を開始。以後雑誌媒体を中心に北東北の風土や文化を発表するほか、近年はフォトドキュメンタリー作品の制作を積極的に行っている。
フォトアワード:『フォトドキュメンタリーNIPPON 2006』(ガーディアン・ガーデン選出)
著作:『岩手旅街道』(岩手日報社・2003年)、『手のひらの仕事』(同・04年)、『フォトドキュメンタリーNIPPON 2006』(ガーディアン・ガーデン・06年)、『かなしみはちからに』(共著、朝日新聞社・11年)、『みちのく旅街道』(河北新報社・12年)
発表:「季刊銀花」(文化出版局)、「アサヒカメラ」(朝日新聞社)、「ソトコト」(木楽舎)、「家庭画報」(世界文化社)、「風の旅人」(ユーラシア旅行社)、「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)、北東北エリアマガジン「rakra」(あえるクリエイティブ)、「トランヴェール」(JR東日本)など多数。
個展・グループ展:06年「Country Songs ここで生きている」(ガーディアンガーデン・東京/ギャラリーヒラキン・岩手)、08年「明日を作る人」(新宿ニコンサロン)、09年「今、そこにある旅」東京写真月間(コニカミノルタフォトギャラリー)、10年「Drawing 明日をつくる人 vol.2」(トーテムポールフォトギャラリー・東京)

伊ヶ崎 忍写真展

写真
INAYA TOL
7/4 (水) ~7/17 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

カトマンズにある王宮裏を流れるビシュヌマティ川沿いには地図にも載らないほど小さなイヤナ通り(IYANA TOL)と言われる場所がある。そこはネパールの原住民族とされているネワール族たちの中でも非差別階級に属するカサイといわれる人たちの水牛の屠場が密集した地域である。イヤナとは「屠(ほふ)る人」の意味がある。そんなイヤナ通りで繰り広げられる日常を通して、生きることやこの国の姿を見つめ続けたのがこの作品である。
「人は生きものを食べる」その本能には何者も抗えない。人が存在している以上、生きものを屠ることは未来永劫消滅することは無い。それは、国や民族や階級、宗教の違いを軽々と超える普遍性だ。屠場とは、『生』を感じることの出来る場所の一つなのだ。
カラー約25点・モノクロ約25点

作者のプロフィール

伊ヶ崎 忍(イカザキ シノブ)
1976年奈良県生まれ。99年札幌大学卒業。2002年ネパール遊学中退。05年ビジュアルアーツ専門学校大阪(写真学科夜間部)卒業。以後新聞社の契約カメラマンを経て、現在はフリーランスで活動中。

由良 環写真展

写真
TOPOPHILIA CITIES -After sunrise・Before sunset-
7/18 (水) ~7/31 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

作品は、作者が決めた多くの基準(*)をもとに、世界の10の都市で撮影を行ったものである。
基準を設けた理由は、「都市」に共通した規則性や普遍性、あるいは偶然性といったものを写真表現の中で呼び覚まし、再認識させることが目的であった。
1都市に1カ月滞在し、その期間中朝夕1度ずつの撮影のほか、日中は次の撮影地の下見を行った。撮影地の下見を含め、作者は黙々と街を歩き、ある都市では自転車に乗り、またある都市ではバスや地下鉄を利用してその都市の全体像を、感覚的に把握することに、ひたすら時間と労力を費やした。すべての五感を研ぎ澄ませ、その都市の音や匂い、空気や味覚といったものを敏感に捉えながら、1カ月間生活した。
それは、多くの基準を前提にしつつも、臨場感にあふれ、気持ちの高揚や感覚的なものが伝わる写真を撮りたい、という強い欲求からであった。
出来上がった10都市の写真から匂い立つ空気は、そこに立った者にしか感じることのできないその都市の世界観であり、ひとつの都市が「ぎゅっ」と凝縮された姿であった。
 本作品は、「都市とは…」という問いに対する、作者の解釈といえる作品である。
*「多くの基準」:撮影時期は春か秋。各都市の、都市を取り巻く環状線(環状道路、環状鉄道、城壁等)を基準に、そこから中心に向かって撮影をする。各都市およそ25地点(25日間)の撮影を行う。撮影は日の出1時間後と日の入り1時間前の、正確な時刻に行う。カメラの高さは160センチと一定で、地面に水平に保つ。使用機材、フィルム、レンズの絞り値等、すべて同一で撮影する。モノクロ30組(約60点)

作者のプロフィール

由良 環(ユラ タマキ)
1972年長野市生まれ。東京造形大学(建築専攻)卒業。在学中に建築をテーマとした絵画、インスタレーションを多数制作し、発表する。また、授業の課題で取り組んだ都市研究をきっかけに、東京の街を撮り始め、写真家を志す。以後、一貫して都市をテーマに作品を撮り続ける。31歳のとき渡仏。パリで暮らし、語学を学びながら異文化での生活と環境の中で多くの影響を受ける。2004年パリの街と自身の関係性に迫った作品「Philosophical approach to Paris ―哲学的考察・パリ―」を制作。また、06年にパリと東京の比較都市論をテーマとした作品「City Evolutions」を制作し、パリと東京で発表(06年パリ、07年東京)。07年より「City Evolutions」に続く作品として、世界の10の大都市での撮影を始める。11年秋、10都市目のモスクワの撮影を終える。

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