Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2012年5月

第31回土門拳賞受賞作品展
高梨 豊写真展

写真
IN'
4/25 (水) ~5/8 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

1960年代から様々な方法論で都市をとらえてきた作者が、主に公共交通機関の車窓から都市を撮影し、都市の持つ空気に迫った作品である。
作品は、「シルバーパス」で乗った路線バスから撮影した「SILVER PASSIN’」、「青春18きっぷ」で乗った列車から撮影した「WIND SCAPE」、都市の様々な断片を収めた「LAST SEEIN’」の3部で構成し、展示する。

受賞理由

撮影対象に深く溶け込む姿勢と、目の前を行き過ぎる瞬間の光景を通して、ありふれた日常から都市の姿を鋭敏に切り取る感性が高く評価された。

作者のプロフィール

写真

高梨 豊(タカナシ ユタカ)
1935年東京・牛込生まれ。57年日本大学芸術学部写真学科卒業。61年桑沢デザイン研究所リビングデザイン科卒業。日本デザインセンター入社(70年退社)。64年『カメラ毎日』に1年間「オツカレサマ」を連載し、第8回日本写真批評家協会新人賞受賞。66年同誌1月号に「東京人」を発表。東京国立近代美術館「現代写真の10人」展に参加。68年中平卓馬、多木浩二、岡田隆彦と写真同人誌『PROVOKE(プロヴォーク)』を刊行(第2号から森山大道も参加。70年同人活動を休止)。74年初の写真集『都市へ』(イザラ書房)刊行。83年東京造形大学教授に就任(2000年退任。現在は客員教授)。85年写真集『東京人1978-1983』(83年書肆山田刊)で第34回日本写真協会賞年度賞受賞。93年写真集『初國 pre-landscape』(平凡社)刊行。95年赤瀬川原平、秋山祐徳太子と「ライカ同盟」を結成。04年写真集『ノスタルジア』(平凡社)刊行。07年写真集『囲市』(クレオ)刊行。09年写真展「高梨豊 光のフィールドノート」(東京国立近代美術館)開催。

ニコンサロン特別展
土田 ヒロミ写真展

写真
BERLIN
5/9 (水) ~5/22 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

本展は、三つの異なる時期に、ベルリンの壁とその周辺の風景を撮影したドキュメントである。
時期は、第一期が1983年、第二期1999~2000年、第三期2009年で、それぞれにおける壁およびその周辺の風景、情景を撮影。ベルリンの壁の永年にわたる事象の変化を写真で捉えることによって、その歴史的時間の中で生ずる変容―実在、喪失、記憶―を思考しようとする作品行為である。と同時に、その記録写真の時間軸を自由に交差させ、編集構成することで、ベルリンの壁を「時間」の隠喩として表現した作品である。
※参考資料:土田ヒロミ写真集「BERLIN」(平凡社刊・2011年)

【撮影取材経緯】1983年、作者は壁を通して冷戦構造を風景として捉えたいというコンセプトから開始したが、撮影が初段階で滞っている間に、’89年に壁が崩壊し、この計画が全う出来ず中断。その挫折後、壁崩壊十年目の’99年に壁の痕跡周辺の風景を撮ることで冷戦終焉後の東西融合を視覚したいと、再びベルリンへ向かう。さらにそれから十年後の’09年、定点撮影という風景を凝視する手法で、’99年に撮影した同じ定点の風景をカラーで再撮影。また同時にモノクロームで’83年に撮影した同じ地点を、’09年に再撮するという、カラーとモノクロによる二重の定点撮影が交差している。
【写真展の基本構成】
1)1983年(モノクローム/中判銀塩フィルム)
2)1999~2000年(カラー/4×5版銀塩カメラ)
3)2009年(カラー・モノクローム/デジタル35㎜カメラ・中判銀塩フィルム4×5版銀塩フィルム)
*プリントは、銀塩フィルムをスキャニングし、デジタル出力したものである。

作者のプロフィール

写真

土田 ヒロミ(ツチダ ヒロミ)
1939年福井県生まれ。63年福井大学工学部卒業。2000年より大阪芸術大学で教職。
◆主な作品(写真集/写真展)
 「俗神」「砂を数える」「新・砂を数える」「Party」「ヒロシマ」「BERLIN」
◆受賞
 71年太陽賞「自閉空間」、78年伊奈信男賞「ヒロシマ1945~1978」、84年日本写真協会賞「ヒロシマ」、08年土門拳賞「土田ヒロミのニッポン」
◆作品コレクション
 東京都写真美術館、東京国立近代美術館(以上東京)、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ現代美術館(米国)、ポンピドーセンター、ヨーロッパ写真センター(以上フランス・パリ)、カナダ近代国立美術館(オタワ)など

東京写真月間2012

写真
アジアの写真家たち 2012 フィリピン
The Hope & The Dream in Filipino -Section I
5/23 (水) ~6/5 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

フィリピン共和国は太平洋に浮かぶルソン島、ミンダナオ島やセブ島といった島々を中心に約7000の島からなる群島国家で、国土は日本の約80%、人口は9400万人である。民族構成はマレー人が中心だが、宗教は歴史的にみて、スペインや米国の植民地支配の影響を強く受けたために、東南アジアでは唯一のキリスト教の信者が圧倒的に多い国だ。
経済的にはここ数年5%以上の高い経済成長を続けており、東アジア地区の経済大国となっている。貿易額からみると、輸出入額は共に日本が最も多く、両国の関係は大変良好で、観光面でもセブ島を中心に、日本人客を多く集めている。
アジア諸国の多くはイスラム教や仏教を主に信仰する国々が多いため、華麗な寺院関係の建築物や色彩豊かな宗教の祭りが多いが、キリスト教信者が圧倒的に多いフィリピンでは、様子が全く異なる。宗教行事として有名なお祭り「ブラック・ナザレ」というパレードは、毎年1月9日に十字架を担った黒いキリスト像をかついで町の中を行進するもので、人々はその像に触ってご利益を得ようと我先にと争うが、派手な印象のない行事である。
今年の写真月間では、フィリピンの12人の写真家による作品を都内4か所のギャラリーで開催する。これらの写真展では、都市開発の裏側で貧困をものともせず前向きに生活する人々の様子や宗教行事への熱狂ぶりなどのほか斬新なアート感覚を写真の世界へ大胆に取り入れた表現方法など、フィリピンの写真界の今の姿を紹介する。
銀座ニコンサロンでは、ビージェー・ビラフランカ氏、ジェイク・ベルソーサ氏、バハグ氏の3氏の作品を展示する。

作者のプロフィール

ビージェー・ビラフランカ(Veejay Villafranca)氏作品 ジェイク・ベルソーサ(Jake Verzosa)氏作品 バハグ(BAHAG)氏作品

ビージェー・ビラフランカ(Veejay Villafranca)氏
1982年マニラ生まれ。2004年フォト・ドキュメンタリー・ワークショップ(アンコール・フォトフェスティバル主催)に参加。06年よりフリーに。AFP通信、ロイター通信、ワールド・ピクチャー・ネットワーク、国連の仕事に携わる。08年マニラの危険なスラム街バセコ地区の元ギャングの人生に関するプロジェクトでロンドン、イアン・ペリー・スカラシップを獲得。このシリーズは、ロンドンやリトアニアで展示されている。
現在ロンドンのゲッティ・イメージズのグローバル・アサインメントのほか、個人のプロジェクトとしてフィリピン人の信仰、東南アジアの不法難民や難民キャンプでの生活に関するシリーズを展開している。

ジェイク・ベルソーサ(Jake Verzosa)氏
1979年生まれ。マニラを拠点とするフリーランスのフォトグラファー。ファッションやコマーシャルフォトでの成功によって技術を伸ばし、地方のロケーションでの撮影を行うようになった。
東南アジアを広範囲に旅し、そこで撮影するドキュメンタリーとポートレイトは、作者の個人的な作品として制作している。マニラ、シンガポール、パリで作品の展示が行われた。

バハグ(BAHAG)氏
1974年マニラ生まれ。東京在住の写真家/映像作家。マニラ在住時はファッション雑誌等で、国内外で活躍。また、社会に密接に関わるフォトドキュメントやフォトジャーナリズムにも積極的に取り組んできた。
世界各地を回った経験をもとに、国連やDrik Picture Library などの国際団体のプロジェクトを経て、現在M4 Collective、Bahaghari World Photography の代表。

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