Nikon Imaging
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大阪ニコンサロン 2011年11月

松原 豊

写真
村の記憶
10/27 (木) ~11/2 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

2006年春、平成の大合併で三重県の地図から「村」が消えた。
ある村はある町へ、ある村は市へ名前を変えた。行政区分上の名前を変えたからといって、すぐに人々の暮らしやその土地の風景が変ってしまう訳ではないが、それでも作者に「何かが変ってしまうような気がする」そんな衝動が起きたのも事実である。
かつて「村」と呼ばれていたところの場所や人々の暮らしを、余韻が残っているうちに写真記録しようと思い立ち、個人的に撮影をしてきた。出来る限り細部まで描写して写真に定着させ残したいという思いから4×5インチの大型カメラを使用して、1枚1枚時間をかけて撮影した。細密描写しようとしたのは、記録でそこから抽出される世界は記憶なのだ、と感じるからである。
本展では平成の大合併後、三重県の地図上から消えた9村を訪ねた作品を中心に、県内の村の余韻を残す場所を撮影した作品を加えて展示する。モノクロ約30点。

作者のプロフィール

1967年三重県生まれ。91年東京写真専門学校名古屋校(現・名古屋ビジュアルアーツ)卒業後、撮影アシスタントなどを経て独立。2004年三重県津市美里町の古民家に移住。三重県のローカル誌「NAGI」(月兎舎)、「Kalas」(kalas編集室)や広報誌などの撮影をするかたわら、“村を記憶する写真師”として4×5インチ判大型カメラを携えて、三重県の農山村を訪ねて記録する撮影を続けている。現在名古屋ビジュアルアーツ非常勤講師。(社)日本写真家協会会員。
主な活動に、98年7月写真展「御蚕さまの居るところ」(青山ホカリファインアートギャラリー/東京)を開催。2005年10月「50年後に残しておきたいわがまち展」 (松菱/三重県津市) において撮影・展示。06年12月NHKおはよう東海「村の記憶を撮り続けて」に出演。09年2月大杉谷自然学校にて「地域を記録し伝え残す写真技術」講座を担当。10年3月写真展「村の記憶」(三重県立美術館県民ギャラリー)を開催。5月三重県立図書館講座「三重を写す」トークライブに写真家中里氏、浅田氏と出演。9月「Kalas」に写真〈界隈〉を連載開始。10月なごや発! 等身大の暮らし提案誌「棲」(2010年秋冬号)特集〈いま、里山が楽しい〉で紹介される。11月グループ展「NAGOYA VISUAL ARTS PHOTO EXHIBITION 2010」(名古屋ビジュアルアーツ)開催。11年6月写真集『村の記憶』(月兎舎)を出版。

BRIAN Y. SATO

写真
ごくろうさま:ハワイの日系二世
11/3 (木) ~11/16 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

本展は、200人に及ぶハワイ二世(日本人の両親をもつアメリカ生まれの日系人)の実体、主体性を歴史や文化を通して9年間にわたって記録し続けた作品である。
広い太平洋の真ん中の小さな諸島に、よりよい人生への望みを託して移住した一世(日本人移住者)は、故郷から離れた地にあって、身も心も孤立したが、プランテーションの苦しい生活に屈服することも、日本に帰ることもなく、この地ハワイで子供たちを産み、育てた。
一方二世は、世界大戦、人種差別や偏見との闘いなどの辛い体験をした上に、二つの文化、忠誠心、時には強制収容所への収容などによる家族の離散といった内面的な葛藤も課せられてきた。
本展は一世とその子孫へ捧げる写真展で、後に続く世代が彼らの犠牲と功績を忘れないことを願っての開催である。
なお撮影地は、カウアイ島、オアフ島、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島、ハワイ島である。

作者のプロフィール

1979年 ハワイ大学卒
商業写真の撮影・モノクロームプリントの仕事の傍ら、写真家として活動。

<写真展>
1983年 マルチメディア展  ホノルル/ハワイ
1984年 ホノルル日本商工会議所展  ホノルル/ハワイ
1983-1986年 
Honolulu Printmakers 展(Amfac Center Plaza) ホノルル/ハワイ
1986年 IMAGE XII:ハワイ現代写真展(Amfac Center Plaza) ホノルル/ハワイ
       Artists of Hawaii(ホノルル美術アカデミー) ホノルル/ハワイ
1988年 New Artists(EASギャラリー) ホノルル/ハワイ
1989年 CROSSING:France/Hawaii(モナ・ビスマルク美術館) パリ/フランス
1996年 IMAGE XXII:ハワイ現代写真展(Amfac Center Plaza) ホノルル/ハワイ
2001年 Artists of Hawaii(ホノルル美術アカデミー) ホノルル/ハワイ
       Artists of Hawaii(東京写真文化館) 東京/日本
2007年 ごくろうさま:ハワイの日系二世(ハワイ日本文化センター) ホノルル/ハワイ
2008年 ごくろうさま:ハワイの日系二世(ライマン美術館) ヒロ/ハワイ
2009年 ごくろうさま:ハワイの日系二世(カウアイ美術館) リフエ/ハワイ
       ごくろうさま:ハワイの日系二世(全米日系人博物館) ロサンゼルス/カリフォルニア
<受賞>
1983年、1984年 Honolulu Printmakers 展
<コレクション>
ハワイ州文化芸術財団、ホノルル美術アカデミー

■EDUCATION
University of Hawaii, BA 1979
■WORK EXPERIENCE
Fine Art Photography, 27 yrs./Freelance Commercial Photography 10 yrs./Commercial custom Black and White printer, 15 yrs.
■EXHIBITIONS
2009 Gokurosama: Contemporary Photographs of the Nisei in Hawaii, Kauai Museum, Lihue, Hawaii/Gokurosama: Contemporary Photographs of the Nisei in Hawaii, JANM (Japanese American National Museum), Los Angeles, California/2008 Gokurosama: Contemporary Photographs of the Nisei in Hawaii, Lyman Museum, Hilo, Hawaii/2007 Gokur?sama: Contemporary Photographs of the Nisei in Hawaii, Japanese Cultural Center of Hawaii, Honolulu, Hawaii/2001 Artists of Hawaii, Honolulu Academy of Arts/Tokyo Photographic Culture Center, Tokyo Japan/1996 IMAGE XXII: An Exhibition of Contemporary Photography in Hawaii, Amfac Center Plaza, Honolulu, Hawaii/1989 CROSSING: France/Hawaii, Mona Bismark Museum, Paris, France/1988 New Artists: Gallery EAS, Honolulu, Hawaii/1986 IMAGE XII: An Exhibition of Contemporary Photography in Hawaii, Amfac Center Plaza Honolulu, Hawaii/Artists of Hawaii, Honolulu Academy of Arts/1986-3 Honolulu Printmakers Annual Exhibition, Amfac Center Plaza, Honolulu, Hawaii/1984 Honolulu Japanese Chamber of Commerce Annual Exhibition, Honolulu, Hawaii/1983 Multi-media Miniature Exhibition, Honolulu, Hawaii
■AWARDS
1983, 1984 Honolulu Printmakers Annual Exhibition
■COLLECTIONS
Hawaii State Foundation on Culture & the Arts/Honolulu Academy of Arts/
Private collections

第17回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
市川 恵美

写真
うらうへ
11/17 (木) ~11/23 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

本作品群は、水の様々な表情をとらえた心象景である。
瀬戸内海の海辺の町で育ったせいか、のっぴきならない「水」が作者の身体を貫いている。
水はあらゆるものの中に変幻自在に形を変えながら浸透していく。命の源ともいえる「水」を介して、人間にとって永遠のテーマである「悠久の時の流れの中で人は何処から来て何処に行くのか」を表現しようとしている。
永遠につながる生命は、次世代へと希望を繋いでいる。 
日常空間の隙間に存在するもう一つの世界は何の予告もなく突然、目の前に現れる。その気配を感じる時、懐かしい既視感に捉われる。それは人知の及ばない何か、によって受け継がれてきたものであり、次世代に繋がるもの。
極めて個人的な感覚を表現しているが、それはヒト科ヒトに共通する普遍と捉えている。
「うらうへ」は表裏の意。モノクロ30点。

作者のプロフィール

東京大学文学部卒業。浜松大学、聖隷クリストファー大学、静岡理工科大学にて英語非常勤講師。国際写真サロン、富士フイルムフォトコンテスト、ニッコールフォトコンテスト、全日本写真展、視点展などに入賞。日本写真協会会員、二科会写真部静岡支部役員、全日写連浜松支部長。
写真展に、2005~06年「佐鳴湖日記」(新宿ニコンサロンbis、高松市N.Yギャラリー、クリエート浜松)、10年「うらうへ」(コニカミノルタプラザ、クリエート浜松、高松市N.Yギャラリー)などがあり、2010年写真集『うらうへ』(冬青社)出版。

juna21 上坂 怜夫

写真
My Generation
11/24 (木) ~11/30 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

70年代後半に生まれた作者の世代は、幼い頃から様々なものがアナログからデジタルへと変遷してゆく時代を過ごしてきた。
写真もその一つ、フィルムが減少し、デジタルカメラやカメラ付携帯電話が普及し、以前にも増して写真がより身近な存在になってきている。その中で写真といわれて、何を思い浮かべるのか、写真の概念は世代によって徐々に変化してきている。
作品は全てフィルムカメラを使って撮影した写真に、iphoneのアプリInstagramのフィルタを被せたものだが、作者はこの手法を試す中、時代が先へと進んでいくことに少し違和感や寂しさを感じている自分と、フィルムで写した写真がInstagramで大きくフォーカスが崩れ、色味も想像を超えて激しく変っていくところを、どこか楽しんでいる自分とが共存していることに気づいた。
ただ一つ変わらないことは、私たちの心の中にはいつも「今」しかないということだ。限りない今の積み重ねが1時間、1日、1年と積み重なっていく。写真がその限りない数の今を残してくれていること、これはどの世代も変わりはない。この写真が今後10年、20年経ったときにどう映るのか。いつか過ぎ去った今を思い出したとき、そのいつかの未来は「今」の写し方が変っているのだろうか。カラー40点。

作者のプロフィール

1977年生まれ。学習院大学経済学部卒業。大学卒業後メーカー勤務し、プロダクトデザイン担当を経て写真を撮り始める。第39回APAアワード入選。第36回JPS展入選。ほかグループ展等に参加。現在写真表現中村教室に在籍中。

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