Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

新宿ニコンサロン 2011年7月

高田 啓一

写真
あれから
6/28 (火) ~7/11 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

鳥取県立鳥取聾学校は、昨年創立100周年を迎えた。作者はそのうちの1/3近くの33年間聾学校に勤務し、定年退職した。33年のうち28年間は写真の指導に当たり、生徒ともども全国各地で開催される大会へ参加したり、たくさんの写真仲間を作るなど、貴重な経験を積むことができた。
その後、卒業生たちと話をしていくなかで、地元の小・中学校で過ごした時の差別的な発言や仲間外し、現在の職場でのコミュニケーション面の配慮不足や身体的苦痛、社会生活をおくる上で情報保障が不十分なための不便さ等、今だから話せる多くの苦しみを聞くことができた。
社会に矛盾を感じながらもたくましく生きている卒業生たちへ、作者ができる恩返しは、写真を通じて多くの人たちに聴覚障害者の現状を知ってもらうことではないかと思い、彼らに撮影の協力を頼んだところ、ほとんどの卒業生が快く協力してくれた。
本展では、卒業生の在学中の写真と現在の写真、そして社会へのメッセージもつけて展示する。モノクロ74点。

作者のプロフィール

1948年鳥取県八頭郡若桜町生まれ。72年鳥取県立境高等学校着任(教員生活スタート)。76年同鳥取聾学校転任。80年写真活動開始。81年鳥取聾学校写真活動開始(顧問として退職まで28年間指導)。2004年「フォトマスターEX検定」合格。09年鳥取聾学校定年退職。83年日本フォトコンテスト誌(白黒写真の部)年度賞5位。85年同年度賞4位。86年「アサヒカメラ」誌(モノクロプリントの部)年度賞次点(4位)。01年「博報賞(障害児教育部門・団体の部)」受賞。ニッコールクラブ会員。
写真展に、09年「いのちの詩」(鳥取市、八頭郡若桜町)のほか多数あり、写真集に鳥取聾学校生徒写真集「コミュニケーション」「水あそび」「春よこい」「麒麟獅子舞」「がんばれ!! SC鳥取」「白鳥の湖」「ありがとう」を編集出版。
また、テレビ出演に、86年「おはようジャーナル「フォトアイの青春」」(NHK全国)、99年「青春マイロード イマドキの若者たち「カメラで広がる僕らの世界」」(NHK中国)、07年「ろうを生きる難聴を生きる「写真でコミュニケーション」」(NHK全国)、09年「生きる×2 「写真に託すメッセージ」」(日本海テレビ・テレビ朝日系列)、10年「にっぽん紀行「殻を破るシャッター 鳥取砂丘・16才のカメラマン」」がある。

山本 眞弓

写真
風の化石
7/12 (火) ~7/25 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

およそ1200年前、京都南西の地に嵯峨天皇が弘法大師空海に託された「東寺」がある。空海はそこに真言密教の小宇宙を作りあげた。
空海の命日21日には、毎月「市」がたち、「弘法さん」と呼ばれ、大勢の人々で賑わいをみせる。寺の境内には遠くシルクロードを通って運ばれたであろう仏像や装飾品、日本の古い時代の着物や道具類等が所狭しと並べられる。
それら一つひとつの「物」の周りには、それらが作られ、使われた時代の風が包み込まれ、やさしく守っている。そして時間や時代を経て、その「物」を手にした人々に語りかけ、目を楽しませ、その一瞬を幸せにしてくれる。
現世の「物」も又、人から人へ、時代から時代へ時空を超え、姿、形を変えながら、風の繭の中で守られて化石化していく。それらの「物」は人々に多くの夢を語り続けながら宇宙の塵となって消え去るまで、諸行無常をくり返し、東寺の境内という小宇宙の中で、生きながら曼荼羅の大宇宙へと広がっていくのである。カラー40点。

作者のプロフィール

1940年生まれ。

juna21 小原 佐和子

写真
神の真庭
7/26 (火) ~8/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

久高島は沖縄県知念村にある周囲約8キロメートルの南北に細長い離島で、琉球の祖神アマミキヨが初めて降り立った琉球王朝開闢の地である。
「神の島」と呼ばれる島には、古くから御嶽(うたき)と呼ばれるニライカナイから神や祖先が来訪するとされる場所が島中に点在し、まるで聖地の中に集落があるようだ。
この島では、生まれた子どもに「あまり偉くなってはいけない」という意味の祝詞を捧げる。離島という過酷な環境の下で、女は「神人」男は「海人」として、その生涯は生まれた時から定められていたという。
その一生を通じ「神の島」久高島で生まれたことを誇りとし、神人として神を祀り、神を支えとし、神を見つめ、神に包まれながら暮らしを営み、その島で死んでいく。
神は島のあちこちに立ち現れ、島民の生と死をみつめ続けてきたのかもしれない。それが現在に至るも綿々と続いていることを、作者はファインダー越しに感じている。モノクロ42点。

作者のプロフィール

1979年埼玉県生まれ。2002年日本大学芸術学部写真学科卒業。現在写真家・映画監督の本橋成一氏に師事。

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員