Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

新宿ニコンサロン 2011年6月

juna21 原田 直宏

写真
泳ぐ体
5/31 (火) ~6/6 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作品は、背景が黒落ちしている路上の人物スナップである。
なぜ「背景が黒落ちしている」のかというと、偶然そういう写真が2枚撮れてしまったことがきっかけであった。
違う神社でおみくじを2回引き、2回とも同じ内容が出たので、そこに書かれている事は本当かもしれないと思うのと同じように、そのまま「背景が黒落ちしている」写真を撮り続けた。それは、技術的に「路上の人物スナップ」で、「背景が黒落ちしている」ように撮れるトレーニングを積んだことにもなるが、逆に言うと、それ以上の中身なり、狙いなりが、本質的にこの作品には不足しているのかもしれない。
作者はそれを承知しながら、「路上の人物スナップ」で「背景が黒落ちしている」時、一体それはどういう風に見えて、どんなことが感じられるのか、ということだけをただ繰り返し撮影した作品で、作者の執着心を拠り所にしたものである。モノクロ約30点。

作者のプロフィール

1982年生まれ。2010年早稲田大学芸術学校空間映像科卒業。11年ヨコハマフォトフェスティバルプレイベントオープンポートフォリオレビュー参加。

村上 令一

写真
-お日和日和シリーズより- 渚の人たち The Beach
6/7 (火) ~6/20 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

お日様と空と海という巨大装置が造りだす、天然のスタジオで出遭うシーン。それは唐突であり、偶然であり、運命でもある。その二度とは出逢えない瞬間をおさえるために、作者は春からカメラを抱え、渚をひたすらさまよい続ける。刻むような、祈るような、とても静かな作業である。
それが初夏を迎え、渚がさざめきはじめるといけない。少年少女は輝きを増し、子どもたちは両生類に進化する。大人たちは正体をあらわにし、いとも簡単に難易度の高いポーズを決めてくれる。そして脱水症状でナチュラルハイになった作者は、倒れ込むまでレンズを振りかざすのである、「死ンデモカメラヲ離シマセン」と。
本展は、渚の道化師が撮りまとめた作品で、不思議、滑稽、奇妙といったワードに興味を抱く人たちには納得のいく作品である。モノクロ50点。

作者のプロフィール

1959年横浜生まれ。80年日本写真映像学院研究科卒業。「日本カメラ」等に作品を発表。
写真展に、「ニューアート展」(ラフォーレ原宿・合同展)、個展に89年「HOLIDAY」(銀座キヤノンサロン)、94年「お日和日和」(銀座・福岡・札幌キヤノンサロン)、「横浜中華街華僑人物伝」(ニューアオヤマギャラリー)、98年「お日和日和」(銀座・大阪・福岡キヤノンサロン)、05年「お日和日和」(ペンタックスフォーラム)などがある。
また、写真集に『横浜中華街的華僑伝』『靖国の日』などがある。

juna21 安藤 広樹

写真
夜になるまえに
6/21 (火) ~6/27 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

全ては流れの中にある様に感じるから、気が付いたり、見逃したり、思い出したり、忘れたりするのだろう。
これらは日常の写真ではない。日常はその存在を再確認した瞬間に、瓦解し非日常に変容してしまうからだ。眼前のそれは、本当に自分が知っていると思われるそのものなのか。

いつかの春に祖母が亡くなった。それでも当たり前に日常は続いている。
夜になる前に、朝になったら何かを忘れてしまうかもしれない。
それでも変わらないモノがあるような気がするし、また思い出す事もあるだろう。
ただ、この瞬間、確かなモノは眼前にあるはずだ。カラー47点。

作者のプロフィール

1980年鹿児島生まれ。2004年多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。11年、東京写真月間2011<「写真の日」記念写真展2011>において外務大臣賞受賞。現在は、主にTV-CM、PV等の撮影に携わっている。
 写真展に、08年「夜になるまえに ‘08」(Gallery Conceal)などがある。

高田 啓一

写真
あれから
6/28 (火) ~7/11 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

鳥取県立鳥取聾学校は、昨年創立100周年を迎えた。作者はそのうちの1/3近くの33年間聾学校に勤務し、定年退職した。33年のうち28年間は写真の指導に当たり、生徒ともども全国各地で開催される大会へ参加したり、たくさんの写真仲間を作るなど、貴重な経験を積むことができた。
その後、卒業生たちと話をしていくなかで、地元の小・中学校で過ごした時の差別的な発言や仲間外し、現在の職場でのコミュニケーション面の配慮不足や身体的苦痛、社会生活をおくる上で情報保障が不十分なための不便さ等、今だから話せる多くの苦しみを聞くことができた。
社会に矛盾を感じながらもたくましく生きている卒業生たちへ、作者ができる恩返しは、写真を通じて多くの人たちに聴覚障害者の現状を知ってもらうことではないかと思い、彼らに撮影の協力を頼んだところ、ほとんどの卒業生が快く協力してくれた。
本展では、卒業生の在学中の写真と現在の写真、そして社会へのメッセージもつけて展示する。モノクロ74点。

作者のプロフィール

1948年鳥取県八頭郡若桜町生まれ。72年鳥取県立境高等学校着任(教員生活スタート)。76年同鳥取聾学校転任。80年写真活動開始。81年鳥取聾学校写真活動開始(顧問として退職まで28年間指導)。2004年「フォトマスターEX検定」合格。09年鳥取聾学校定年退職。83年日本フォトコンテスト誌(白黒写真の部)年度賞5位。85年同年度賞4位。86年「アサヒカメラ」誌(モノクロプリントの部)年度賞次点(4位)。01年「博報賞(障害児教育部門・団体の部)」受賞。ニッコールクラブ会員。
写真展に、09年「いのちの詩」(鳥取市、八頭郡若桜町)のほか多数あり、写真集に鳥取聾学校生徒写真集「コミュニケーション」「水あそび」「春よこい」「麒麟獅子舞」「がんばれ!! SC鳥取」「白鳥の湖」「ありがとう」を編集出版。
また、テレビ出演に、86年「おはようジャーナル「フォトアイの青春」」(NHK全国)、99年「青春マイロード イマドキの若者たち「カメラで広がる僕らの世界」」(NHK中国)、07年「ろうを生きる難聴を生きる「写真でコミュニケーション」」(NHK全国)、09年「生きる×2 「写真に託すメッセージ」」(日本海テレビ・テレビ朝日系列)、10年「にっぽん紀行「殻を破るシャッター 鳥取砂丘・16才のカメラマン」」がある。

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員