Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

大阪ニコンサロン 2011年4月

ニコンサロン企画展
ジョナサン・トーゴヴニク

写真
ルワンダ ジェノサイドから生まれて
3/24 (木) ~4/6 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

1994年、中央アフリカの小国ルワンダでジェノサイド(大量殺害)が起きた。100日間で80万人以上が隣人によって殺されたこの出来事は、20世紀最大の悲劇のひとつとして知られている。その背景には、ベルギーの植民地政策によって煽られた政治的対立があった。ところが当時の国際社会からはほぼ黙殺される結果となった。
じつはその際、大勢の女性が「武器」として性的暴力を受け、約2万人の子供たちが生まれたことは、いまだにほとんど知られていない。ジョナサン・トーゴヴニクはその事実に衝撃を受け、約3年間をかけてそうした境遇で子供を育ててきた女性たちを自らインタビューし、撮影を行なった。本作(原題:Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape)はこれらのポートレート写真とそれぞれの女性のインタビューから構成されている。 トーゴヴニクはさらに、こうした状況下にいる子供たちの中等教育を支援するため「ルワンダ財団」(FoundationRwanda)を設立し、現在も積極的に活動を続けている。
紛争地帯における武器としての性的暴力という問題は、ルワンダに限られたものではなく、今日もなおダルフールやコンゴ民主共和国などで深刻化している。本作はそのような状況を単純化してみせるのではなく、具体的な状況を生きる個人の顔と声と丁寧に対峙することを通じて、現実の複雑な様相を浮かび上がらせようとするものである。
写真集は4ヶ国語版が刊行されており、日本語版も『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(ジョナサン・トーゴヴニク著、竹内万里子訳、赤々舎)として刊行された。全30点から成る展覧会は現在欧米各地を巡回中であり、ニコンサロンでは企画展としてその一部を展示する。
カラー作品約15点。

作者のプロフィール

1969年イスラエル生まれ。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツで写真の学位を取得。以降フリーランスの写真家として活動を始める。2005年に「ニューズウィーク」誌の契約写真家となり、現在ニューヨークの国際写真センターで後進の指導にも当たっている。2007年、ルワンダで撮影した母子のポートレート一点が、ナショナル・ポートレイト・ギャラリーのポートレイト写真賞を受賞。欧米各地で個展、グループ展にも数多く出品し、ヒューストン美術館やフランス国立図書館に作品が収蔵されている。著書にインドの映画産業をドキュメントした写真集『Bollywood Dreams』(Phaidon、2003年)がある。ニューヨーク在住。

増田 彰久

写真
『現存せず』 消えた西洋館
4/7 (木) ~4/13 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

明治、大正、昭和戦前に建てられた近代建築いわゆる西洋館は、日本近代化の尖兵として日本各地に建てられ、多くの人々に歓迎された。
40数年前、作者が撮り始めたころは日本が高度経済成長期の真っ只中で、古い建物がどんどん壊され、そこに新しいビルが建設されていく時代だった。当時の人々はその古い建築にはまったく関心がなく、そこに何が建つのかが話題になった。
そして西洋館が大変な勢いで無くなっていった。作者は、せめて建物の最後の姿を残しておかなければと思った。まずは撮っておく必要があった。しかし、時代とはおかしなもので、最近では西洋館にたいする考えに変化が見え、普通の人が「懐かしい」「面白い」とか「好きだ」というようになった。
建築は歴史や記憶を秘めた私たちの文化遺産である。建物は、建てられたその場所に残っていないとダメである。建物が消えると言うことは、人々の記憶からも消えることなのである。
カラー55点。

作者のプロフィール

1939年東京生まれ。兵庫県立芦屋高校、日本大学芸術学部写真学科卒業。増田彰久写真事務所を主宰。40数年にわたり明治・大正・昭和戦前の近代建築や近代化遺産を撮り続ける。第33回日本写真協会賞年度賞、第9回伊奈信男賞、2006年日本建築学会文化賞受賞。日本写真家協会、日本写真協会、日本旅行作家協会会員。
主な著書に71年『写真集 明治の西洋館』(毎日新聞社)、79年『日本の建築[明治大正昭和]』全十巻、84年『アール・デコの館』朝香宮邸(以上三省堂)、85年『西洋館再見』(岩波書店)、86年『建築探偵術入門』(文藝春秋社)、88年『看板建築』(三省堂)、『建築探偵東奔西走』(朝日新聞社)、95年『伊東忠太・動物園』、『信州の西洋館』(以上筑摩書房新社)、97年『英国貴族の邸宅』(小学館)、2000年『写真集成・日本の近代化遺産』(日本図書センター)、『和風モダン』(河出書房新社)、01年『近代化遺産を歩く』(中央公論新社)、02年『ニッポン近代化遺産の旅』(朝日新聞社)、03年『日本の洋館』全六巻(講談社)、『写真な建築』(白揚社)、『日本のステンドグラス』(朝日新聞社)、04年『棟梁たちの西洋館』(中央公論新社)、06年『イギリスの近代化遺産』(小学館)、『建築のハノイ』(白揚社)、07年『西洋館を楽しむ』(筑摩書房)、08年『日本のステンドグラス・小川三知の世界』(白揚社)、10年『失われた近代建築 都市、文化施設編』などがある。

糸井 潤

写真
Cantos Familia
4/14 (木) ~4/20 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

昨年、作者の父親が死んだ。家の近所にある森の木にザイルをかけて。
長いあいだ糖尿を煩っていたが、直前の鬱に、家族は気付いていなかった。準備しておいたメモ書きを、財布に差し込んで置き去り、行方をなくした。近所の森で見つけるまで、皆で五晩、四日と捜した。
この経験から、森、の存在が作者にとって大きなものとなった。
フィンランドの光には独特の資質がある。日本の霞がかかった光や、アメリカで見られる硬質な光とも異なる。その地の森にて、地面に落ちた光を見ては、光の筋を、現世とあの世を分ける三途の川のように「隔てるもの」と重ね合わせる。それらをフィルムに焼き付けるために森の中をさまよい、地面に落ちている光を拾い歩く。
デジタル、銀塩の別なく、光と影は「写真」の要素として存在する。光と影、または生と死との狭間に存在する「何か」が、撮影という行為の中、強烈な視覚言語となって現れ、訴えかけてくる。
太陽光が月光に見えることもある森の深い中、場所によって変わる光と影の比率のせいで、昼間なのか、夜なのかという感覚が、時に交錯する。このような経験が、こちら側である現世においての、自身の存在に対する問いかけへとつながる。
「森の概念」は、自分の記憶へと通ずる。記憶への熟考は、常に制作への土台となってきた。そして今、父親の急な死によって、自身と家族との記憶が堰を切って溢れ出てくる。
作者にとって、写真とは詩である。一枚の写真は、ひとつの言葉となりうる。これらの写真は、父と作者、そして家族との対話の中にある言葉でもある。カラー12点。

作者のプロフィール

1971年生まれ。アメリカで12年間の滞在最後の年を、インディアナ大学芸術学部の客員助教授として帰国後、東京にて会社員の傍ら作品制作と発表を続けている。その活動が認められ、文化庁新進芸術家海外研修制度によりフィンランドのラップランド州にて、1年間滞在制作を行う。これまで、海外を含めた30以上の展覧会にて作品が発表され、ヒューストン美術館などに作品が収蔵されている。
写真作品を通して、自我や幼少時の記憶、内なるものと外世界との境界についての出来事を表現しようとしている。生まれ育った日本を離れて、人生の3分の1を異国で過ごした経験が、制作の大きな土台となっている。
現在取り組んでいるプロジェクトは、森の中にある光を、生と死の間にある境界線のメタファーとしてとらえようとしている。自身の父親の急な死がきっかけとなって、日本とフィンランドの、森の中にある光を撮影するようになった。

澤田 勝行

写真
紀伊国小夜曲
4/21 (木) ~4/27 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

二眼レフカメラにモノクロフィルムを詰め、青春18きっぷを片手に旅を続けて10年が過ぎた。日本各地の様々な街や風景、人々の狭間を風の如く彷徨い歩いてきたが、その中で最も作者の心を惹き付けた場所が紀伊半島であった。
大阪に生まれ育った作者にとって紀伊の海や山、小さな線路の延びる古い街並みは、幼い頃幾度となく連れられた思い出の場所であり、旅の原点でもある。
いつの間にか作者は、幼い頃の旅の残像を手繰り寄せるかのように、紀伊の街を歩いていた。そしてその中で出逢う人々の透明な視線に心を奪われた。
世界遺産登録などで注目を浴びた「聖地」とは一線を画す、普段着の中の紀伊。約6年間にわたる旅の足跡を紡いだ作品を展示する。モノクロ40点。

作者のプロフィール

1982年大阪府生まれ。2004年大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。06年同校大学院芸術制作研究科修士課程修了。その後同校藝術研究所嘱託助手を経て現在フリーランスで活動中。04年「風ノ唄」にて富士フォトサロン新人賞受賞。08年「風の棲む街へ」にてコニカミノルタフォトプレミオ2008入賞。

juna21 mk

写真
悪い血
4/28 (木) ~5/4 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

“私の人生ははじめから呪われたのに間違いないです。このような運命は一生続いたんです。”(ボードレール)

人間は誰にも現われない普遍的な暴力性を持っている。その根源は交感された対象との関係から始まっている。
関係による暴力性も、結局は自分が関係に影響を及ぼすことができないという無力さと疎外感から表出される。
作者が私的記録を始めた毎瞬間瞬間に無力感と怒りを感じた理由はそこにあった。その怒りは、現在を過去の一定時間に戻してイメージとして拡張されて暴発した。
カラー・モノクロ52点。

作者のプロフィール

1974年ソウル生まれ。2007年ROWAメンバーとして写真家MARU氏に師事。
写真展に、08年「祭りの記憶」(gallery mukta)に参加、10年「1st Ordinary Freak」(gallery lux)に参加、企画展「Elusive butterfly」(gallery 146)などがある。

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員