Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2011年1月

年末年始休館
12/30 (木) ~1/4 (火)

神村 大介

写真
METROPOLIS 東京画像:眺めのアウトライン
1/5 (水) ~1/18 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

東京の風景は日々変わっているというが、それは一般的な東京への印象のように思う。なぜなら、一方に変わらない東京の風景もまたあるのではないかと思うからだ。例えば名所旧跡と言われる場などは、風景の常設展示とも言えるだろう。近所の公園、動物園や遊園地のようなエリアを区切った場なども、遊具や展示物の交換や流動があっても、全体的にはさほどの変化は見えない。
人が本当に変化を知覚するのは、構造や意味の転換を感じた場合なのではないだろうか。四季の移ろいや年間行事のような1年のサイクルで生成する場も風物詩として古来から変わらぬ風景であり、再び巡ってきた光景を、人々はむしろ待ち望んでいると思う。また、夜を一定の光で照らす常夜灯のもとの光景やメディアが配信するおなじみのイメージも、日常のサイクルで目にする変わらぬ風景である。
そのように以前見た風景と今見る風景は厳密には違っているはずなのに、同じように見えるのは我々の意識の作用が色々なものを省略して見ているからなのだろう。
「行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず」という先人の言葉があるが、それは真実だとしても、多くの場合、水が変わってしまっていることには気づきにくいものである。眼は風景の大まかな輪郭を見ているのだろう。
『変わらぬ東京』という被写体があるならば、それは極端に言えば、写真の一回性を棚上げした再撮影が可能な場所とも言えるだろう。そこに必要なものは個別のディテールやパーソナリティではなく、眺めのアウトラインである。
本展は、試みとして、東京に点在するアイコンを中心に変化変幻している東京から、『変わらぬ東京』を写し撮った作品を展示する。カラー約70点。

作者のプロフィール

1969年東京生まれ。92年東京造形大学デザインI類卒業。96年グラフィックデザインを経て写真へ転向。2001年「in a self-service cafeteria」キャノン写真新世紀佳作受賞。
 写真展に、96年「遠くにいる人」(銀座ニコンサロン)、01年「ARIA」(新宿コニカプラザ)、06年「PAINTED WALL KOREA」(新宿ニコンサロン)などがある。

ニコンサロン企画展
ジョナサン・トーゴヴニク

写真
ルワンダ ジェノサイドから生まれて
1/19 (水) ~2/1 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展の内容

1994年、中央アフリカの小国ルワンダでジェノサイド(大量殺害)が起きた。100日間で80万人以上が隣人によって殺されたこの出来事は、20世紀最大の悲劇のひとつとして知られている。その背景には、ベルギーの植民地政策によって煽られた政治的対立があった。ところが当時の国際社会からはほぼ黙殺される結果となった。
じつはその際、大勢の女性が「武器」として性的暴力を受け、約2万人の子供たちが生まれたことは、いまだにほとんど知られていない。ジョナサン・トーゴヴニクはその事実に衝撃を受け、約3年間をかけてそうした境遇で子供を育ててきた女性たちを自らインタビューし、撮影を行なった。本作(原題:Intended Consequences: Rwandan Children Born of Rape)はこれらのポートレート写真とそれぞれの女性のインタビューから構成されている。 トーゴヴニクはさらに、こうした状況下にいる子供たちの中等教育を支援するため「ルワンダ財団」(FoundationRwanda)を設立し、現在も積極的に活動を続けている。
紛争地帯における武器としての性的暴力という問題は、ルワンダに限られたものではなく、今日もなおダルフールやコンゴ民主共和国などで深刻化している。本作はそのような状況を単純化してみせるのではなく、具体的な状況を生きる個人の顔と声と丁寧に対峙することを通じて、現実の複雑な様相を浮かび上がらせようとするものである。
写真集は4ヶ国語版が刊行されており、日本語版も『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(ジョナサン・トーゴヴニク著、竹内万里子訳、赤々舎)として刊行された。全30点から成る展覧会は現在欧米各地を巡回中であり、ニコンサロンでは企画展としてその一部を展示する。
カラー作品約15点。

作者のプロフィール

1969年イスラエル生まれ。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツで写真の学位を取得。以降フリーランスの写真家として活動を始める。2005年に「ニューズウィーク」誌の契約写真家となり、現在ニューヨークの国際写真センターで後進の指導にも当たっている。2007年、ルワンダで撮影した母子のポートレート一点が、ナショナル・ポートレイト・ギャラリーのポートレイト写真賞を受賞。欧米各地で個展、グループ展にも数多く出品し、ヒューストン美術館やフランス国立図書館に作品が収蔵されている。著書にインドの映画産業をドキュメントした写真集『Bollywood Dreams』(Phaidon、2003年)がある。ニューヨーク在住。

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