Nikon Imaging
Japan
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ニコンサロン bis 新宿 2010年6月

juna21 後藤 悠樹

写真
その歴史のつづき
樺太からサハリンへ2009
6/1 (火) ~6/7 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

ご存知だろうか。かつて樺太と呼ばれた島、サハリンを。
この島には忘れられた歴史がある。1905年より約40年間、日本領だった樺太は北緯50度以南を日本領、以北をソビエト連邦領とし、陸地にて国境を接していたが、1945年の夏、ソビエト軍が日本領へ侵攻して以来ソビエトの、そして現在は事実上ロシアの統治国となっている。
当時、樺太はパルプ業や漁業などで栄えており、人口は徴用で連れてこられた朝鮮人を含め、40万~45万人程であった。そのほとんどの日本人は、その後実施された引揚げ事業により内地へと引揚げていったが、様々な事情でやむなくこの地に残った日本人がいた。その多くは家族を引揚げさせるために一人残った「長女」たちだった。
一方、1905年の日韓併合以降、日本人として生かされ、樺太へと徴用されていた朝鮮人たちは、各国の思惑に翻弄され、そのままサハリンに残されることになった。
以来、1990年に至るまでの45年間、サハリンへ残留することとなったほとんどの日本人、朝鮮人がソ連による、いわゆる“鉄のカーテン”に包まれ、日本の土を踏むことはおろか、離散した家族に会うことも出来ず、ソ連領となったこの地で暮らしていかなければならなかった。
現在サハリンには、残留日本人や徴用によって連れてこられた朝鮮人一世たち、そして、その子孫たちとロシア系住民によって複雑な社会を形成している。日本最北端の宗谷岬から、サハリン最南端のクリリオン岬まではわずか43キロ。本展は、その忘れられた歴史のつづきである。日本とサハリンは未だ遠い。カラー約50点。

作者のプロフィール

後藤 悠樹(ゴトウ ハルキ)
1985年生まれ。2006~09年、韓国、サハリンで数度にわたって撮影を行う。

藤井 宏昭

写真
とおりゃんせII
6/8 (火) ~6/14 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者は、定年退職後数年を過ぎたころから両手の指がしびれはじめ、箸を使うのもやっとで、字も書けなくなり、頸椎での神経圧迫を和らげる手術を受けた。
病室で65歳を迎え、術後、症状は日常生活に支障ないほどまでに回復したが、人工骨の入った首で支える頭が重だるい。
童謡「とおりゃんせ」に歌われるように、「帰り」はこわい。年金や、医療制度などが後退していくような福祉政策に、健康不安が付きまとう。これからますます老いていく“帰りの人生”が本当にこわい。またしびれが始まり、症状は進行している。モノクロ35点。

作者のプロフィール

藤井 宏昭(フジイ ヒロアキ)
1942年山口県新南陽市(現周南市)生まれ。80年この頃から写真活動を始める。2006年山口県文化功労賞受賞。ニッコールクラブ山口支部会員。
写真展に、91年「幻影山頭火」(銀座ニコンサロン)、01年「金子みすゞの世界」、03年「おせん淵(大佛文乃詩画集より)」、05年「とおりゃんせ」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)などがある。

深尾 憲英

写真
ゆめえぞら
6/15 (火) ~6/21 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

長い時の流れのなかで、物も人も、徐々に衰えていく。住み慣れた住まいの、その痕跡の一つの傷からも、心に記憶された生活実像が、あたかも虚像、残像になってまぼろしか、ゆめか、絵空事に感じ、遠い昔話の物語に己の人生をも一緒に焼き込まれた心象風景。

作者のプロフィール

深尾 憲英(フカオ ノリヒデ)
1943年生まれ。

juna21 安藤 瑠美

写真
dream islands
6/22 (火) ~6/28 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

「夢の島」。地方出身である作者がこの風変わりな地名を初めて知ったとき、場所の背景と名前の持つイメージとの乖離に皮肉と同時に好奇心を覚えた。
そもそもこの場所は、人々の夢や欲望が長年にわたって膨れ上がり、消費された末に出現した新しい大地、いわば都心の果ての地=フロンティアと言える。しかし、フロンティアと呼ぶには不釣合いな程、この場所には前時代の報道がもたらした負の概念がまとわりついている。
だからこそ、作者はこの場所のそんな社会的意味を取っ払い、自分の感覚とカメラを頼りにこのフロンティアを手探りで把握していく。その冒険の過程を写真というメディアに残したのが、このdream islandsである。カラー10~15点。

作者のプロフィール

1985年岡山生まれ。2010年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。07年epson color imaging contest 佐内正史審査委員賞受賞。
写真展に、07年 受賞作品展「epson color imaging contest 2007」(スパイラルガーデン/東京・青山)、09年東川町国際写真フェスティバル インディペンデンス展(東川町文化ギャラリー/北海道)、10年東京藝術大学先端芸術表現科卒業修了制作2010(BANKArt NYK/横浜)、「Pliocene」(nagune/新宿)がある。

濱野 節子

写真
素顔な町
6/29 (火) ~7/5 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者は、写真を始めるまで、下町にはあまり興味がなかったが、ふとしたことから曳舟、千住方面を知り、通うようになった。
古い建物、家の前に置かれた鉢植えや小鳥や金魚、ガチャガチャ等々に懐かしさを覚えた。通りすがりでも、そこに住む人たちと束の間の交流がもて、声をかけると昔の話や鉢植えの作り方、花の名前、ワンコ・ネコ談義にまで及び、カメラに納まってくれた。
今回は、台東、墨田、荒川、北、文京の各区内で作者の動ける範囲の、周辺地の一コマである。
どんどん変化していく下町だが、作者はこれからも人々の日常の表情を撮るために足を運びたいと思っている。カラー43点。

作者のプロフィール

濱野 節子(ハマノ セツコ)
1977年国学院大学幼児教育専門学校卒業。89年全日本写真連盟入会。93年熊切圭介氏に師事。97年現代写真研究所本科修了。2009年全日本写真連盟関東本部副委員。JPS、全日本写真展、日本の自然、視点入選。

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