Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2010年5月

第29回土門拳賞受賞作品展
鈴木龍一郎

写真
RyUlysses(リュリシーズ)
4/28 (水) ~5/11 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者がアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の影を追いながら、ダブリンの街を彷徨いつつ、パノラマ・カメラで<死と生の間(あわい)>を記録した作品である。撮影期間は2004年から2009年4月までの6年間で、ダブリンへの渡航をくり返し、撮影した。
サンディコーヴの海岸からリングズエンドを経てダブリン市街へ。オコンネル通りを中心に路地から路地へ。そして、ホース岬からパワーズ・コートへ。往きかうダブリン市民の表情から、壁に広がる落書きや飛ぶ鳥の影まで。作者は歩き回るほどに、無限に連鎖してゆくカオスの世界をシャッターを切っては写真化してゆく。
「塔の前のソバカス少女」「食事する山高帽男」「刑務所の壁」「夕闇のキングズタウン駅」「SM館のある路地」「テンプルバーの花嫁」「海辺に立つ家出少年のポスター」等々、モノクロ・パノラマ作品約40点を展示する。
尚、タイトルの「RyUlysses(リュリシーズ)」は、『ユリシーズ(Ulysses)』に作者の名(Ryu)を組み合わせたものである。

受賞理由

「リュリシーズ」は、アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の影を追いながらダブリンの街を彷徨い、過去と現在、生と死の境を追い求めた作品。パノラマ・カメラで記録された街の光景は、卓抜なる技術を持ちながら技術主義に陥ることなく、ヨーロッパそのものを浮き上がらせ、作者の写真表現のさらなる深化を具現しており、長年にわたり真摯に写真と取り組んできた精神性が高く評価された。

作者のプロフィール

鈴木 龍一郎(スズキ リュウイチロウ)
1942年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、フリー写真家となり現在に至る。75年「聖印度行」により第12回太陽賞受賞。2008年写真集『オデッセイ』により日本写真協会賞年度賞受賞。日本写真家協会会員。
写真集に、『MOGUS わが友モーガス』(93年小学館・文/C.W.ニコル)、『オデッセイ』(07年平凡社)、『ドルック』(08年平凡社)、『リュリシーズ』(09年平凡社)などがあり、個展を多数開催している。

沈 昭良(Shen Chao-Liang)

写真
STAGE
5/12 (水) ~5/25 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

“台湾綜芸団”(Taiwanese Cabaret タイワニーズ・キャバレー)とは、いわゆる移動するショー劇団のこと。1970年代から台湾における冠婚葬祭の場で活躍しており、初期においては現在でも使用されている組立式特設ステージだったが、改装トラックもあり、照明と音響設備を備えたオープン式の“ステージトラック”が出現した。そして時代の進歩とともに、経営者や観衆の側から照明や音響設備に対する要求が高まり、今日のきらびやかな油圧電動式ステージトラックに発展した。
ショーの演目内容については、初期には歌と踊りのショーが主体で、歌手の衣装も一般の室内劇場で見られるような華麗なドレスに類似したものだったが、近年になるとセパレート式のビキニスタイルが普通となった。ショーの内容も人目を引く新しい演目が次々に生まれ、歌手以外にダンサーを従えた歌謡ショー、女性のパイプダンス、雑技、マジック、民俗芸能、ボディビル男性のショー、更には女装した男性のショーなど、多種多様である。
また、一定時間内に近隣する数箇所を回ってダンスショーを演じたり、葬儀や廟宇の祭りの隊列に加わってショーを演じたりする。
出演者は、公演場所を転々とする臨時の寄り合いグループである。歌手は若い世代が歓迎される傾向にあり、ある程度年齢を重ねた歌手は司会者や経営者に転じたり、結婚後引退あるいは他の業界に転身したりする。
このシリーズの作品は4×5インチフィルムで撮影されている。撮影対象は今の台湾各地で使用されている大型トラックを改装した移動式ステージである。この“ステージトラック”の台数については正確な統計はないが、実際に営業中の台数は台湾全土で600台を超えるものと推測されている。レンタカー方式が採用され、価格は車の大きさや新旧の程度によって異なり、貸し出す側は借り手の要求に基づき、指定された時間に指定場所まで車を運転して行って引き渡す。
本展で展示する作品は、台湾各地の“台湾綜芸団”が、1994年頃から研究と改装を重ねて今日の姿に至った大型トラックを改装した油圧電動式ステージトラックを撮影した英姿である。
独特の業態、濃厚な文化的な息吹き、きらびやかな色彩、童話のような舞台背景、そして自由奔放な発想。この“綜芸団”という台湾特有の産業は、時間と空間を越え、ある時は平面的に、またある時は立体的に、縦横無尽の展開を見せながら、見る者の想像力をかきたて、観衆と一体化していく。カラー19点・モノクロ1点。

作者のプロフィール

沈 昭良(Shen Chao-Liang)
1968年台湾台南市生まれ。台湾芸術大学応用メディア芸術修士。新聞媒体において写真部カメラマン、副チーフカメラマン及び大学にて客員芸術家を歴任。テーマ性を持つイメージの制作、評論や研究を行うほか、多くの大学で教鞭をとっている。
2000年、02年に台湾行政院新聞局雑誌写真部門の金鼎賞を受賞。写真集『映像南方澳』と『台湾綜芸団』シリーズの2作品は、04年フォトシティ相模原、06年韓国東江にてそれぞれアジア賞と海外作家賞を受賞。
これまで内外の刊行物にて作品を発表するほか、台湾、韓国、日本、中国、スペインなどの写真展に招待参加しており、著書に『築地魚市場』『玉蘭』『映像南方澳』『BRAND 9 -世界の9大ブランドの創造性の解析』がある。

東京写真月間2010

写真
アジアの写真家たち2010―タイ― “Thai Photography NOW Part I”
5/26 (水) ~6/8 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

タイはインドシナ半島と一部マレー半島の北部に位置し、国王を象徴として敬う立憲君主制の王国で、わが国とは王室、皇室の交流を始めとして、経済面、文化面、また観光などで両国の交流が盛んに行われている。
国土面積は日本の1.4倍の約51万平方メートル、人口は約6,800万人、国民の大半はタイ人で、殆どが敬虔な仏教徒である。
タイはかつて国名を「シャム」と呼ばれていた。13世紀中ごろに君主国として独立して以来、ヨーロッパ諸国が東南アジアに植民地政策を推し進める中で、植民地になることなく独立国家として、伝統的で華麗な、独自の文化を生み出している。その為、タイには長い歴史をもつ王朝時代の伝統を活かした多くの文化が残されており、きらびやかな衣装と優雅な動きが印象的な古典舞踊、色彩鮮やかな荘厳な寺院群、美しく繊細な工芸品など、タイ文化を代表するものの一つである。
経済面では、古くから外国企業の積極的な受け入れ策を推進した結果、わが国のタイへの進出企業も1300社に及び、経済規模ではアジアを代表する経済大国になっている。また、タイにとって日本は最大の貿易額、投資額、資金協力額を誇る国となっており、経済面での両国のつながりは非常に強固である。
本展ではタイを代表する13名の写真家が3つのテーマに沿って、それぞれの会場で作品を展示する。
「Part I」の本会場では、9名の写真家による異なったジャンルの写真を展示する。主なものは、光と影の軌跡をモノトーンで捉えた写真、写真家自身が女装して様々なコスチュームを着て女性への憧れを表現したもの等、タイで主流のアートフォトグラフィーの表現の面白さに多く接することができる。また、発展を続ける都会の片隅で生活する人々の断面や働く力強い農夫の肖像を捉えたドキュメンタリーフォトは、経済大国タイの一側面として貴重な記録である。
タイはわが国と経済面、文化面の両面で深い関係にあるが、主催者はこの写真展を通じて我々日本人がまだ知らないタイの別の表情に接することによって、両国のますます相互理解が深まり、さらなる交流が広がることを期待している。

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