Nikon Imaging
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新宿ニコンサロン

2010年2月

須田 一政展





常景じょうけい

2/3 (火)~2/16 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
2/6 (土)、2/7 (日) 休館



<写真展内容>
人の脳は見るものを無意識に取捨選択しているという。カメラを持って歩くということは、通常は捨てられているだろう光景を拾い集めようとすることだと作者は思う。
その拾い集めた断片に、幼年の頃を思い起こさせる風景もあれば、偶然が織りなす奇異な瞬間もある。面白いのは、どう考えても理由付けのできない、たとえばタイルの目地のごときモノが記憶に焼きついたりすることも少なくないという事実である。
たぶんこれは視覚のみならず、五感すべてにおいて言えることだろう。そしてそのセンサーは、人によって微妙に異なった働きをしているに違いない。その意味では、日常とは万人が共有しているようで、実は個々に断絶した世界を言うのかもしれない。
本展のタイトル「常景」は、日常の光景という意味の作者の造語である。作者は、一つの視線を一つの作品とすることで、変哲のない存在の深さを考察してみたいと思っている。カラー45点・モノクロ10点



<作者のプロフィール>
須田 一政(スダ イッセイ)
1940年東京生まれ。東京綜合写真専門学校卒業。演劇実験室「天井桟敷」(寺山修司主宰)専属カメラマンを経てフリーランスとなる。76年「風姿花伝」により日本写真協会年度賞受賞。85年「日常の断片」等により東川賞国内作家賞受賞。97年「人間の記憶」により土門拳賞受賞。現在大阪芸術大学写真学科教授。日本写真家協会会員。写真ワークショップ須田塾主宰。

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森川 潔展





beyond the recollection:記憶の向こうに

2/17 (水)~3/2 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
記憶とは曖昧なものごとの集積物でこれといって確証のないようなものなのではないだろうか。人は体を動かしながら経験したことは意外と覚えているという。それは痛みや喜び悲しみといった感情の起伏が深く脳の襞に刷り込まれて行くのと同時に肉体的な刺激が逆引きインデックスのように添えられるためだからだそうだ。
これらの写真は、作者が幾度も訪れたフランスとその周辺の国々を撮影したものである。ブラブラと散歩がてらに目につくものすべてを撮ったという。
渡欧するたび、何の目的もなく撮影されたフィルムは、いつの間にか山となり曖昧な記憶の集積物となった。ライトボックスの上で次々とコマを観察する行為は、まるで自分自身の記憶を辿る旅に酷似しているように思えてならない。中には、まったく記憶を呼び起こさないもの、逆に胸がキュンとなるほど強い思いが立ち上がってくるものなどが混在している。古いものは既に20年以上の年月が経ち、もうそこには存在していないかもしれない。
作者は、これらをプリントに仕上げながら写真というメディアの特性である記録することの問題を改めて考えてみようと思っている。モノクロ48点。



<作者のプロフィール>
森川 潔(モリカワ キヨシ)
1959年大阪生まれ。93年シカゴ美術大学修士課程修了(絵画、写真)。93~96年同大学、およびコロンビア大学シカゴ校講師。96~2000年デザイン会社設立(カリフォルニア州ロサンジェルス)。01年帰国。02年より大阪芸術大学写真学科准教授。
シカゴ美術大学大学院修了後、写真家ケン・ジョセフソン、バーバラ・クレーン、ロバート・ハイネケン等に師事。
アメリカ、韓国、日本、その他国内外にて個展、グループ展多数開催しており、著書に「新世代写真術―世界を拓くフォトグラファー」(フィルムアート社)などがある。
パブリックコレクション:
The Museum of the Art Institute of Chicago, Photography Collection.
Schneider Bluhm & Loeb Gallery, Chicago, illinois.
Fine Arts of Ancient Lands Gallery, New York, New York.
他、プライベートコレクションなど
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