Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン

2009年11月

飯島 望美展



juna21


豚が嗤う

11/3 (火)~11/9 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
作者は、牛小屋と豚小屋に挟まれた家で、鳴き声やいびきを聞き、飼料や糞尿のにおいを感じながら生きてきた。作者の両親は毎日この牛小屋と豚小屋で働き、牛に蹴られてよく怪我をしていた。
小学生の頃、同級生たちが授業の一環として、作者の家に見学に来た。ひとりの子が「かわいそう」と言った。作者少し傷ついた。作者も感じていたことだったからである。「じゃあ、あなたは牛乳飲まないの? お肉は食べないの?」と返すだけでは、作者の心の中の小さな痛みへの解答にはならない。
それから作者は、ずっと考えた。
しかし作者は、同時に両親が牛を可愛がっているところも見てきた。作者は子牛が産まれるとうれしくて、ブラッシングしたり、ミルクをあげたりしたが、名前はつけなかった。ペットとは違うと解っていたからである。1ヶ月後には別れがくる。泣きもせず、ただ別れるだけ。彼らがこれからおいしい肉になるため、別の農場で育てられていく。ひどい生活を牛や豚にさせていることも、作者にはわかっていた。
作者はとても矛盾していると思う。自分たちの欲望のため、積み重ねられた膨大な時間、たくさんの血、汗、命、寂しさ。何もいわずに、ただひっそりと佇んでいるのを感じながら、矛盾した痛みは固まって、小石のように転がったり、つかえたりする。
モノクロ約60点。



<作者のプロフィール>
飯島 望美(イイジマ ノゾミ)
1979年埼玉県生まれ。2004年プレイスM(初心者コース)にて中居裕恭氏に暗室作業を学ぶ。

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佐藤 謙吾展





サイレント・フィクション

11/10 (火)~11/23 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
日々、無意識に接する都会のごくありふれた風景。そこへ唐突に加わる水面によって、終末を想起させるフィクションを仕立てた一連の作品は、私たちの身近に起こりうる「現実感の喪失」を、このフィクションによって象徴化し、作品を見つめる人々ひとりひとりを媒介として、社会、そして私たちのなかに潜在する不安の正体に近づこうとするものである。
作者が、無秩序で混沌とした、あるいは過度に画一的で硬直化した都市の様相に、ワイルドな水面を加えたのは、慣れ親しんだ写真という枠の中の現実を超えた、フィクションによってあぶりだされる「真実」の断片――生活実感の希薄さや、自身の存在の不確かさといった現代の病理の一端が、そこに浮かび上がるかもしれないと考えたからである。なお、水面の効果はあえてデジタル合成ではなく、セットによる撮影を行っている。
カラー43点。



<作者のプロフィール>
佐藤 謙吾(サトウ ケンゴ)
1967年東京生まれ。91年日本大学芸術学部写真学科卒業。同年サントリー(株)入社(宣伝事業部フォトグラファー)。現在サントリーホールディングス(株)広報部勤務。

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村越 としや展



juna21


uncertain

11/24 (火)~11/30 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
シャッターを切った瞬間から、風景は作者を離れ始め、写真に収められた風景は、もう二度と作者の目の前に同じ姿を現すことはない。
作者が見ていた風景が本当にそのありさまであったかどうかも疑わしく、そこにいたはずの作者自身さえあやふやになってゆく。しかし、写真に記録された風景は、作者のあやふやになった記憶をおぎない、作者の見ていたであろう光景をたしかに定着させる。
今ここにある写真以外、たしかなものは何もない。
モノクロ約30点。



<作者のプロフィール>
村越 としや(ムラコシ トシヤ)
1980年福島県須賀川市生まれ。文化服装学院中退。日本写真芸術専門学校卒業。  主な写真展に、2006年「あめふり」(プレイスM)、08年「timelessness」(コニカミノルタプラザ)、その他都内を中心に個展、グループ展を開催。著作に、06年「あめふり」、08年「草をふむ音」(以上、蒼穹舎刊)、09年「浮雲」(TAP刊)などがある。
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