Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン

2009年11月

普後 均展





On the circle

11/4 (水)~11/17 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
作者の家の近くの空き地に直径4㎞ほどの貯水槽がある。上部はコンクリートで覆われていて、近所の人の話では、この防火用の貯水槽は中に水がなく、今は使われていないという。
作者にとって、貯水槽は円形の舞台であり表現の場となる。円形とそこに広がる空間に、移り変わる季節、日常、生きてきた過去、そしてやがて訪れる死を見る。円環する時間と直線的な時間。
ここで作者は、近所の人たち、友人、知的障碍の娘、作者自身、働く人、地域に生きる猫、犬を撮る。火のついた段ボール、木の小舟、ショーケースの魚、ネオン、漂う光を撮る。貯水槽の周りに生い茂った夏草、雨の後の水たまり、降り積もった雪、溶ける雪を撮る。何も手を加えないで撮ることもあれば、思い描いたイメージをサークル上で作り上げて撮ることもある。
それらのイメージは現実の光景でもあり、隠喩が潜む非現実的な光景でもある。そしてそれぞれの作品が呼応しあうことで、不確かな存在である作者の世界が揺らぎつつ立ち現われる。
モノクロ30点。



<作者のプロフィール>
普後 均(フゴ ヒトシ)
1947年神奈川県生まれ。3歳の時から山形県米沢市で育つ。70年日本大学芸術学部写真学科卒業。同年細江英公氏に師事。73年フリーランスの写真家になる。74年パリに住む。77年ニューヨークに住む。
写真展(個展)に、74年「穏やかな日々」(ニエプス美術館/フランス)、75年同展、76年「遊泳」(以上、画廊春秋/銀座)、79年同展(銀座ニコンサロン)、82年「暗転」(フォト・ギャラリー・インターナショナル/虎ノ門、東京)、「遊泳」(フォルムシュタッドパルク/オーストリア)、84年「飛ぶフライパン」(ツァイト・フォト・サロン/東京)、92年「ゲーム オーバー」(パルコ/渋谷、東京)、95年「飛ぶフライパン」(東京都写真美術館)、99年「見る人」、2001年「KAMI/解体」(以上、フォト・ギャラリー・インターナショナル/芝浦、東京)、02年「FLYING FRYING PAN」(prinz/京都)、09年「WRAP TRAP WRAP」(カフェ大好き/東京)のほか、グループ展に、81年「8x10」(スーザンスピリタスギャラリー/カリフォルニア、アメリカ)、82年「Three Japanese Visions」(フォーカスギャラリー/カリフォルニア、アメリカ)、83年「Japanese Art of Today」(芸術歴史美術館/スイス)、85年「パリ ニューヨーク 東京」(つくば写真美術館/つくば市)、86年「Japanese Photography of Today」(巡回、スペイン)、90年「ポラロイド・スーパーフォト大写真展」(花博国際美術館・国際花と緑の博覧会/大阪)、98年「写真の未来学」(エプサイト/新宿)、99年「日本の現代芸術写真展」(巡回、ドイツ)、01年「現代写真の系譜Ⅱ」(新宿ニコンサロン)、03年「日本大学芸術学部写真学科オリジナルプリントコレクション30周年・写真学科卒業生によるオリジナルプリント新規収蔵作品展」(日本大学芸術学部芸術資料館)、06年「mite!おかやま」(アメリカ・アレナスプロデュース岡山県立美術館)、07年「Japan Caught by Camera-Works from the Photographic Art in Japan」(上海美術館/中国)などがある。
 また、著書に、96年「やがてヒトに与えられた時が満ちて……」(池澤夏樹との共著・河出書房新社。07年角川文庫刊)、97年「FLYING FRYING PAN」(写像工房)などがあり、作品は、東京都写真美術館、京都国立近代美術館、北海道釧路芸術館、パリ国立図書館、日本大学芸術学部にコレクションされている。

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管 洋志展





風になった子どもたち -AFAN WOODLAND-

11/18 (水)~12/1 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休


11/19 (木) 19:00~20:30 フォトセミナー開催



<写真展内容>
作者が盲学校に通う子どもたちと、最初に出会ったのは5年前だった。作者は視覚を閉ざされた子どもたちと接するのは初めての経験だったため、どのようなスタンスで、写真を撮ろうかと悩んだ。
しかし、「アファンの森」に到着し、森の空気を、お腹の底まで吸ったとたんに、不安は一気にとんでいってしまった。子どもたちも白杖から解放され、自由になった仔羊のように、ふかふかの大地に散り、なかには駆け出す子どもまでいて元気いっぱい。
作者は、子どもたちの、生き抜く逞しさの魅力に、ぐいぐい引き寄せられ、我を忘れて撮り始めた。
被写体になってくれた子どもたちは、延べで106人になる。何度も会っているうちに、子どもから少年へ、少女へと成長してゆく姿に、作者は素直に喜んだ。
柔らかい心と、思いやり、そして好奇心いっぱいに生きることが、いかに人生を開放してくれるかを・・・、子どもたちに学んだ。



<作者のプロフィール>
管 洋志(スガ ヒロシ)
1945年博多生まれ。67年日本大学芸術学部写真学科卒業。博多祇園山笠で育ち、“山笠のぼせ”の男達に囲まれ、人間のタテ社会を知る。大学時代、幇間、故 悠玄亭玉介師匠の運転手をしながら、芸伎界に働く幇間と芸者そして女将さんの人間模様をドキュメント。日本大学芸術学部写真学科の卒業制作として発表。69年から始まったアジアへの旅で、各地で出会ったアジア人の強い生活力と生き様に触れ、“人間写真”を撮ることを目指す。27歳のとき、終わることのない人間への興味から、“人間の生き様”を追及しようと、日本全国60ヵ所以上のストリップ劇場の楽屋を訪問し、ライトマンをやりながら、踊り子の舞台裏を撮り、「花のヴィーナス86人衆」を発表。アジアと日本の往復運動をしているうちに、共通するコスモロジーの存在に魅かれ、写真表現をもって、日本とアジアのカミ意識、自然感をベースに撮影、発表し続けている。また盲学校の生徒達が撮った写真集の出版などにも力を注いでいる。
受賞:77年、「走るワセダ」(週刊現代)において第8回講談社出版文化賞写真賞、84年、「戦火くすぶるアンコールワット」(ペントハウス)において第15回講談社出版文化賞写真賞、87年、「バリ・超夢幻界」(旺文社)において第6回土門拳賞、98年、「ミャンマー黄金」(東方出版)において第14回 東川賞国内作家賞。現在社団法人日本写真家協会常務理事。ニッコールクラブ顧問
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