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juna21
新 拓生展
[黙殺の視線 —Shan state of Burma—]

11/4 (火)~11/10 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
シャン州東部はビルマで最も早くAIDSが蔓延した地域である。
撮影を行ったシャン州東部の中心地、チェントン地区およびタイ北部と国境を接するタチレイ地区は、一本の自動車道で結ばれる。以前から多くの人々が出稼ぎ労働者としてこの道でタイ北部に向かい、日雇い現場や性産業で働く“リスク集団”を形成している。
80年代後半から90年代にかけてのタイ北部における感染爆発は、当然彼らを直撃した。そして、チェントン・タチレイ道路は、移動する人々、物資、わずかな対価に加え、大量のウィルスを運ぶことになった。元ドライバーの男性は「90年代半ば、50人のドライバー仲間は全員死んだ」と語った。
現在、チェントンは3度目のAIDS危機にある。90年代半ばまでの感染者からパートナー、そして母子感染がより貧しく知識の無い山地に住むシャン人、山岳民族のアカ人、ラフ人などに連鎖している。また、タチレイにはシャン州のみならず、ビルマ全土からの移住、あるいはタイを目指す中継地として人々の流入は増え続けている。国境の混沌からAIDSリスクが軽減することは無い。
ビルマが論じられる時、そのほとんどが表面的で形骸化し“個”への視線は皆無である。そして“軍政下の閉鎖的な国情”を逆手にとることで考えることをやめ、想像しない私達がいる。世界が注目したタイ北部とその根を同じくしていながら、未だに触れられないこの問題は、その無関心の典型である。
本展では、それぞれの“個”と対峙することで現状を知る手掛かりとし、彼、彼女らを感受することからその困難を考える作品を展示する。
作者は、「見えなければ」あるいは「見せられなければ」想像する姿勢を私達の出発点と位置付け、黙殺を改めるプロセスにしたいと考えている。モノクロ約40点。



<作者のプロフィール>
新 拓生(シン タクオ)
1981年石川県生まれ。2004年中央学院大学商学部卒業。06年日本ジャーナリスト専門学校写真科卒業。
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