Nikon Imaging
Japan
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新宿ニコンサロン


村上 誠展
[東野 azumano (産土・III)]

6/10 (火)~6/23 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
作者にとって、ここ東京は長く憧れの地だった。40年以上、何度となくこの巨大な都市を歩きながら、ただ疲弊して帰りの列車に乗りこむのが習慣のようになっていた。ところがいつの頃からか、この東野あずまのの緩やかな起伏を、あたかも波の上を漂うように歩くことを覚え、そのことで猥雑な風景さえもが、特別なものに思えるようになった。
この地には、不思議な霊的作用を備えた魂の信仰があった。それは原初の信仰の様態で、その魂が人間に宿ると、ものごとを産み出す力をもつと考えられていた。その魂は産霊むすびと呼ばれていたらしい。
作者は、1991年から自らが表現するもののタイトルを、すべて産土うぶすなとしてきた。産土とは産霊が宿る地のこと。産土はどこにあるのか、どのような形態をもっているのか、それを探るために造形作品の制作とフィールドワークを続けてきた。しかし最近になって、産土は特定の場所に、特定の形態をもっているのではないと実感するようになり、造形物の制作を止めて、産土を訪ね歩くようになった。生まれ育った遠江(浜名湖)周辺をくり返し歩き、その歩行は沖縄、太平洋の島々へと延び、そして東野へ……。
展示する作品は東京都内を歩き続け、人間の営為と自然との狭間に写真機を据えて撮影したカラー23点である。



<作者のプロフィール>
村上 誠(ムラカミ マコト)
1954年静岡県生まれ。74年より写真を発表。77年立命館大学卒業。85年より美術家として活動を始める。88年より美術制作プロジェクト『天地あまつち耕作』を組織し、国内外で大掛かりなインスタレーションを発表する。2003年に『天地耕作』を解散し、写真制作を再開。現在浜松学院大学短期大学部教授(専門は美術、幼児造形学)。
写真展に、06年「産土」(新宿ニコンサロン)、「産土・II(南島)」(甲南大学ギャルリー・パンセ)などがある。
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