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大阪ニコンサロン


juna21
インベ カヲリ★展 [倫理社会]
羽太 康雄展 [遺伝詩]
西村 康展 [彼女のタイトル]
小泉 勝男展 [発光]

4/3 (木)~4/8 (火)
10:00~18:00
会期中無休




[倫理社会]

<インベ カヲリ★展>
心の裏表や、さらに隠されたもうひとつの姿だったり、性格の悪さや攻撃性、人に言えない過去、そういった人間の複雑性が好きで撮りつづけた作品である。
「ありのまま……」という言い方があるが、作者はその言葉を信用していない。私服や普段見せる表情は、本人が社会に適合するために演出として使う外見上の主張であって、それが真実とは限らないからである。
撮影中はなるべくそれらを排除し、作者が相手に敬意を払っている部分のみを引っ張り出しているつもりだが、時折失敗するのが写真の面白さでもある。カラー作品



<作者のプロフィール>
インベ カヲリ
1980年東京都生まれ。雑誌編集者、映像制作会社勤務を経て、2006年フリーに。05年日本広告写真家協会APA公募展入選。同年エプソンカラーイメージングコンテスト佳作入選。現在、写真家、カメラマン、文筆業。





[遺伝詩]

<羽太 康雄展>
作者の母がガンで急逝した。生活が荒れた作者は、その後結婚もだめになり、途方にくれる日々を過ごしていた。憂さ晴らしにでもなるかと、久しぶりに埃をかぶっていた一眼レフを片手に街へ出てみた。
何かを撮ろうということもなく、ただ感覚に身を委ねて歩く。しかし写真を撮るということからしばらく離れていた作者には、日常の光景が記号化されてしまっていて、写真を撮るためにはそれを打ち砕くような視線で光景に問いかけていくしかなかった。
写真を撮っていると、作者はいつも考える。幼い頃に素直な視線で見ていた光景や、感情があふれ出し、涙で視界がうっすらと歪んだ光景は今でも作者の中に残っているのだが、なかなかそこにたどり着くのが難しく、シャッターを押せないことがよくある。これは原風景を追っているだけなのかもしれないのだが。
展示する作品には、10年前に初めて撮った写真が数点混じっている。最近撮った写真と混ぜ合わすことができるか不安であったが、意外に違和感なく溶け込んでいる。作者はむしろその数点が本展の土台となっているのではないかと気づいたという。



<作者のプロフィール>
羽太 康雄(ハブト ヤスオ)
1976年東京都生まれ。99年日本写真芸術専門学校卒業。スタジオアシスタントにつくが性に合わず、挫折。自分の作品の発表場所を探し、やっと見つけたのが若者が集うクラブのラウンジでの展示であった。まったく見てくれず、ただむなしさだけが残るばかりであった。以後数年写真を撮らなくなったが、2年前にガンで母親が急逝し、このことが写真への気持ちを戻してくれた。知人にプレイスM 夜の写真学校の事を聞き、1年程前から瀬戸正人氏に指導を受け、現在にいたる。





[彼女のタイトル]

<西村 康展>
化粧をして、普段着から仕事用の衣装に着替えていく過程で気持ちを高揚させていく。その時、彼女は現実の世界から別な世界へと渡っていくように見えた。だが、もしかするとその反対だったかもしれない。作者はその二つの世界の隙間に入り込もうとして彼女を撮り続けた。
彼女がある日ふと口にした「私は生(なま)」という言葉が、今も作者の耳に残っている。入れ墨・火傷・リストカット・手術痕などの傷の絶えない体、恍惚・おびえ・不安がつのる表情に、口紅やアイシャドーが彩られていく。
カメラ-ビデオ-彼女、という交換不可能な「見る/見られる」関係性を身体で感覚し、写真に写る彼女を他者として―ただの写真として―作者は対峙せざるを得なくなった。
一年半の彼女のドキュメント記録から見えてくる世界を展示する。
カラー・モノクロ作品



<作者のプロフィール>
西村 康(ニシムラ ヤスシ)
1982年宮城県生まれ。2003年専門学校東京ビジュアルアーツ卒業。03年photographers' gallery に参加。
写真展に、04年「An obscure place」(熊本県立美術館分館展示室3/photographers' gallery exhibition 火の国展にて)、「one's eyes」(photographers' gallery 東京)、05年「EYES' BOX」(photographers' gallery 東京)、「Do THE RIGHT THING」(BankART Studio NYK神奈川/photographers' gallery 横浜展「借りた場所、借りた時間」にて)、「ブロードウェイ」(photographers' gallery 東京)、06年「Video」(八戸市美術館/ICANOF Media Art Show 2006「TELOMERIC vol.3」にて)、「cinema」(photographers' gallery 東京)がある。





[発光]

<小泉 勝男展>
心が留まる光景に出遭う。
意味を超越して僕の欲望を刺激してくる。
この瞬間を手に入れたい。
僕は逃がさぬように瞬間にしがみつきシャッターを切る。
この偶然がどんなに尊い事か。
今という瞬間はもう二度と戻っては来ない。
それがどんな瞬間でも。
僕は目の前に広がる光景にただひたすら感応し、
指先を数ミリ震わす。
見慣れた光景の中から、見た事のない写真を見て見たい。
それを想い、今日も生きて撮る。
<小泉勝男>
モノクロ作品



<作者のプロフィール>
小泉 勝男(コイズミ カツオ)
1976年群馬県出身。95年埼玉工業大学深谷高等学校卒業。2004年夜の写真学校第4期修了。
写真展に、04年「fluff」、07年「淵」(ともにPLACE M)がある。
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