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大阪ニコンサロン


ニコンサロン特別展
土田 ヒロミ展
[ヒロシマ2005 -60年目のヒロシマ-]

9/14 (木)~9/26 (火)
10:00~18:00
9/20 (水) 休館






<写真展内容>
作者は、70年代よりライフワークとして「ヒロシマ」を表現してきた。その内容は、時間がヒロシマを不可視化していく現実を直視することを通じて「ヒロシマ」の悲劇性を象徴化することであった。
昨年は被爆60年の節目の年であったが、日常の中で「ヒロシマ」の悲劇を意識化することは、いよいよ困難となってきているといっても過言ではない。しかし、作者はこの節目を機に悲劇を振り返り、「ヒロシマ」を検証することは意味深いことではないかと考える。
作者は、60年目の8月6日の広島平和記念公園の時空間の記録作業と併せて、被爆者(被爆体験集『原爆の子』(岩波書店1951年刊)執筆者)の現在(76年と05年)を取材、それらを等価に編集、構成することで、被爆者と非被爆者との位相の乖離を明らかにし、平和という共同幻想下にある現在の日本人の意識を顕在化しようとしている。

作品は以下の3点で構成されている。
(a)2005年8月6日を中心とした広島平和記念公園の祝祭的空間(風景、行事、事象)を記録したスナップショット。
(b)25年前の作者のルポルタージュ「ヒロシマ1945~1979」(アサヒソノラマ1979年刊)で、取材した被爆者《被爆体験集「原爆の子」(岩波書店1951年)執筆者》の方々のポートレイト。
(c)2005年に(b)の方々のなかから約30人を再訪して取材撮影。
展示は、広島市内の写真(a)に(b)(c)を組写真としており、現在のデジタルカラーの明るい演劇的空間――そのような市内の状況写真のなかに、被爆者の過去と現在の組写真を挿入することで、60年目の「ヒロシマの現在」が表出するように構成している。



<参考資料>
作者のヒロシマに関する著書
「ヒロシマ1945~1979」(アサヒソノラマ)1979
「ヒロシマの証」(岩波書店)1982
「君はヒロシマを見たか」(NHK出版)1982
「ヒロシマ」(佼成出版)1983
「ヒロシマ」(朝日新聞)1985
「君はヒロシマを見たか」(NHK出版)1982
「ヒロシマ モニュメントⅡ」(冬青社)1995
「ヒロシマコレクション」(NHK出版)1995
「平和へのさざなみ」(NHK出版)2002
「ヒロシマ2005」(NHK出版)2005



<作者のプロフィール>
土田 ヒロミ(ツチダ ヒロミ)
1939年福井県生まれ。63年福井大学工学部卒業。ポーラ化粧品本舗退社後、フリーランスに。71年~96年東京綜合写真専門学校教職。2001年~現在大阪芸術大学教授。ニッコールクラブ幹事。日本写真家協会会員。日本写真協会会員。
◆主な作品
「俗神」('76)オットーズブックス社/「ヒロシマ」佼成出版1985/「Party」I.C.P1990/「砂を数える」冬青社1995/「The Berlin Wall」メディア・ファクトリー2001/「増補改訂 俗神」冬青社2004
◆作品コレクション
東京都写真美術館(東京)/ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)/ポンピドーセンター/パリ国立図書館(以上パリ)/カナダ国立美術院(トロント)/ヨーロッパ写真センター(パリ)他
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