Nikon Imaging
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新宿ニコンサロン




新宿ニコンサロン/ニコンサロン bis21
ニコンサロン特別展
江成常夫展
[昭和史の風景 鬼哭の島]

8/9(火)~8/20(土)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休





<写真展内容>
今年は太平洋戦争の敗戦から60年の節目に当たる。真珠湾攻撃にはじまる太平洋戦争は日中戦争に通じ、日中戦争は関東軍の謀略による満洲事変に端を発している。
この15年に及んだ昭和の戦争は、内外ともに膨大な人命の犠牲と未曾有の惨害をもたらした。しかし、戦後の日本は進行する時間の規範となる昭和の過ちを、記憶から遠ざけ、経済を神話とし、今に及んでいる。
作者は過去31年間、戦争のもとで涙を強いられ、生きてきた草の根の声なき人たちをレンズを通して見詰めてきた。
これまで作者は満洲事変と深く関わる「満洲」をはじめ、敗戦時現地にとり残された日本人戦争孤児、敗戦をもたらした原爆禍の「ヒロシマ」など戦争の記憶を視覚化してきた。こうした文脈のもと、現在太平洋戦争の戦歴の地を撮り続けている。
すでに沖縄をはじめ、マリアナ諸島のサイパン、テニアン、パラオ諸島のペリリュウ、アンガウルの各島と、フィリピンのレイテ島、ハワイの真珠湾を巡歴してきたが、島の各地には戦闘機や戦車の残骸、軍の施設やトーチカには弾痕が無数に刻印され、死闘を今に伝えている。
太平洋戦争で戦没した将兵は、日本だけで240万人、そのうち収拾された遺骨は8万柱(厚生労働省)にすぎない。浮かばれない霊魂が泣くことを鬼哭(きこく)というが、放置されたままの死者はまさに鬼哭の状況にある。
作者は今回の写真展では、太平洋の歴戦の地を『昭和史の風景 鬼哭の島』としてとらえ、「昭和の15年戦争」のもとでの「満洲」と連係させ、断絶した太平洋戦争の記憶を呼び戻したいと願っている。
100×120cmモノクロ35点・大全紙カラー28点。



<作者のプロフィール>
江成常夫(えなりつねお)
1936年神奈川県生まれ。毎日新聞社を経て74年フリーに。渡米・74~75年ニューヨーク滞在、78~79年ロサンゼルス滞在。ニューヨークでの日本人「戦争花嫁」との出会いをきっかけに、以後中国にとり残された戦争孤児、孤児を生んだ「満洲」、「ヒロシマ」など一貫して「昭和15年戦争」をテーマに、草の根の視点に立って写真活動を続ける。現在ニッコールクラブ会長、ニコンサロン運営委員、九州産業大学大学院教授。
写真展に、1976年「家族・ニューヨーク」(新宿ニコンサロン)、80年「花嫁のアメリカ」(銀座ニコンサロン)、85年「シャオハイの満洲/百肖像」(銀座ニコンサロン・大阪ニコンサロン)、99年「昭和・家族の肖像」(新宿パークタワー・ギャラリー1)、2000年「昭和史の風景 花嫁のアメリカ1978―1998/シャオハイの満洲/ヒロシマ万象」(東京都写真美術館)など多数。
著作・写真集に、『ニューヨークの百家族』(76年・平凡社)、『花嫁のアメリカ』(81年・講談社)、『シャオハイの満洲』(84年・集英社)、『まぼろしの国・満洲』(95年)、『ヒロシマ・万象』(2002年・以上新潮社)、『レンズに映った昭和』(05年・集英社)ほか多数。
81年第6回木村伊兵衛賞、85年第4回土門拳賞、95年第37回毎日芸術賞、2001年日本写真協会賞、第50回神奈川文化賞などを受賞。
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