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私のNIKKOR | MY FAVORITE NIKKOR

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Vol.
17

野口純一 × AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR

600mm f/4。野生と向き合うための、超望遠。

メインカット

メインカット

・カメラ : D4 ・レンズ : AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR + Ai AF-S TELECONVERTER TC-14E II・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード:マニュアル、1/1000秒、f/5.6 ・ホワイトバランス : 色温度(5260K) ・ISO感度 : 3200 ・ピクチャーコントロール : ニュートラル

写真家としての経験を重ね、被写体と向き合うたびに、大自然と野生に対する畏敬の念が深まってゆく。この作品は、昨年の晩秋から初冬にかけ知床で撮影したもの。被写体はこの地で生態系の頂点に位置するヒグマである。

レンズには、シャープな描写力はもちろん、高い圧縮効果と美しいボケを持つ600mm f/4を選んだ。普段から行動をともにするこの超望遠で、人間が容易には近づけない野生の王が発する“命の熱さ”を写したかった。

作品2

作品2

・カメラ:D4 ・レンズ:AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR + Ai AF-S TELECONVERTER TC-14E II・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:絞り優先オート、1/1600秒、f/5.6 ・ホワイトバランス:色温度(5000K)・ISO感度:2500 ・ピクチャーコントロール:ニュートラル

ボディーは、厳しい環境下でも使い慣れたD4。そしてこの日、河を溯上する鮭、鱒を捕らえるため山から下りてきたヒグマを発見した。行動を予測して安全な距離を取りつつも、その姿を正面に捉えられるポイントへ先回りして待つ。

圧倒的な存在感と圧力が周囲を支配し空気に緊張感が漲る。ヒグマの移動に合わせて次々とポイントを変え続けた。太陽の方向などで時には撮影条件が悪くなる場合もある。しかし、ナノクリスタルコートの効果でファインダー像も常にクリアーに保たれ、逆光や水面の強い反射などを気にすることなく撮影に集中できた。

作品3

作品3

・カメラ:D4 ・レンズ:AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR + Ai AF-S TELECONVERTER TC-14E II・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:絞り優先オート、1/1000秒、f/5.6 ・ホワイトバランス:色温度(5000K)・ISO感度:1600 ・ピクチャーコントロール:風景

移動と待機を繰り返してシャッターをきり続ける。しばらくして、全身が浸るほどの深い流れから浅瀬へと身を乗り出したヒグマが、体にまとわりつく水を勢いよく振り飛ばした。1.4倍のテレコンバーターを装着した600mmがその瞬間を捉えた。

やや速めのシャッタースピードで一瞬の動きを切り取る。広い範囲に撒き散らされた滴は圧縮効果で密度を高め、背景の大きなボケが力強いヒグマの姿を際立たせた。これからも野生の命と向き合う ―― 私のNIKKORで。

INTERVIEW MOVIE

●閲覧するデバイスや回線速度に応じて解像度は調整される場合があります。

PHOTOGRAPHER

野口純一
野口純一(のぐち じゅんいち)

1968年、埼玉県生まれ。北海道在住。2輪、4輪のエンジニア時代に、バイクツーリングで訪れた北海道に惹かれ2000年に移住。キタキツネの撮影をきっかけに、2002年より写真家として活動を開始。主に道内の野生動物を四季にわたって撮影し、雑誌やカレンダー等の各種媒体に作品を提供。野生動物に関する深い知識と豊富な経験に基づく的確で粘り強い撮影スタイルから生み出される、力強く美しい作品には定評がある。公益社団法人日本写真家協会(JPS) 会員

野口純一 公式サイトmore
プロフィール

NIKKOR

Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D
AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR

伝統の中に革新が光る、プロフェッショナル愛用の超望遠レンズ

大迫力のドラマが展開する、超望遠600mmの世界。VR機構(手ブレ補正効果2.5段※)、ゴーストやフレアの少ないナノクリスタルコートを採用。スポーツ撮影はもちろん、最短撮影距離5m(AF時)、最大撮影倍率1/7.4倍(AF時)を活かした野生動物などの近距離撮影にも適しています。

※CIPA 規格準拠。ただし、FX フォーマットデジタル一眼レフ使用時。最も望遠側で測定。

製品情報more
レンズ解説

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
奥深い大自然、知床の懐へ

メイン作品であるヒグマの写真は、昨年の11月に知床半島で撮られたものです。野生動物の撮影には粘りが必要で、それはときに数週間にもわたります。今回その撮影には同行できなかったため、撮影後に現場へ足を運び、そこで野口先生に当時の状況を伺うことにしました。世界自然遺産である知床半島は、北海道のほぼ東端に位置し、オホーツク海に長く突き出た半島です。流氷の接岸など、季節によって環境が大きく様変わりすることも特長のひとつ。現地入りした頃にはすっかり雪に覆われ、時折激しい吹雪が唸りを上げていました。当然ヒグマは冬眠に入っておりその姿を見ることはできません。しかし、当時の状況を説明していただくため、車で海沿いの国道を走り、途中からさらに脇道を進んで撮影現場付近に向かいました。到着後は雪の中を河の近くまで歩いて移動。幸い風は強くなかったもののマイナス十数度の寒気が身にしみます。

02
野生に向き合うためのパートナー、600mm f/4。

野口先生は主に北海道をフィールドとして、四季を通じ野生動物を撮影しています。被写体はエゾリスやキタキツネ、エゾシカ、ヒグマからエゾフクロウ、ハヤブサ、オジロワシ、タンチョウ、さらにはシャチまで、まさに多様。撮影場所も北海道全域にわたり、自然の奥深くで長期の撮影に臨むこともしばしば。そのような中、相棒のように行動をともにしている撮影機材のひとつが、AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VRとD4です。人を寄せ付けない野生動物をあるがままに撮るには、やはりここまでの焦点距離が必要。そしてたとえ暗い森の中でも確実に被写体を捉えるにはD4の高感度性能と連写性能が頼りになるとのこと。また被写体との距離といった条件に応じて、常時ウエストポーチに入れて持ち歩くテレコンバーターを装着。今回のメイン作品となったヒグマの撮影の際にはAi AF-S TELECONVERTER TC-14E IIを使用したそうです。

03
雪の中、視線の先にヒグマの姿を感じた

メイン作品の撮影場所となった河原に三脚と機材をセットして、そのときの状況を語っていただきました。秋にオホーツク海から河へと上ってくる鮭や鱒。それを狙ってヒグマが山から下りてくること、その時期や場所がどこかを熟知している野口先生。何日目かに狙いどおり、山の斜面を河へと向かうヒグマを発見し、撮影を開始しました。先生はヒグマの行動を予測し、安全な距離を保った上で撮影ポイントを決め、さらにいつも被写体がこちらへ向かってくるように、先回りして頻繁に移動を繰り返したそうです。場所によっては太陽の光が水面に強く反射したり、逆光になってしまう状況も。しかしナノクリスタルコートの効果もあり、常にクリアーな視界が確保されていたそうです。そして、今回のシャープでクリアーな描写、高い圧縮効果と美しいボケ味を活かした素晴しい瞬間を捉えたのです。細かな雪のちらつく中、被写体のいた場所にレンズを向ける野口先生。なぜか見えないはずのヒグマの姿を見た気がしました。

こちらに掲載されている情報は、2014年2月現在のものです。

DATA

  • 撮影日: 2013.11.21
  • 写真家: Junichi Noguchi
  • レンズ : AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR+Ai AF-S TELECONVERTER TC-14E II
  • カメラボディー : Nikon D4
  • キーワード :風景・自然
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