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PAGETOP
Vol.
42

網中健太 × AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

85mm f/1.8。より深く、心の肖像を捉える。

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環境や状況によって変化する人の情感を引き出し、捉え、作品として仕上げる。そこにポートレートの真髄がある。今回の撮影で被写体に選んだのは17歳の高校生。日々揺れ動きながらも成長する心の表情を写したかった。
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メインカット

・カメラ : D810 ・レンズ : AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/250秒、f/1.8 ・ホワイトバランス : 色温度(5560K) ・ISO感度 : 100 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

作品2:島の南西に位置する、砂の浜でのシーン

・カメラ : D810 ・レンズ : AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : 絞り優先オート、1/1250秒、f/5.6 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 100 ・ピクチャーコントロール : スタンダード
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レンズはAF-S NIKKOR 85mm f/1.8G。被写体のパーソナルスペースにもう一歩踏み込める中望遠の画角とコンパクトさ、高い解像力と自然で美しいボケ味が決め手だ。ボディーは髪の毛の一本、肌の質感まで高画素で描写するD810である。
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撮影場所には、東京都でありながら、粗削りな自然の力に満ちた伊豆大島を選んだ。彼が初めて訪れる未体験の島でもあった。海の中の活火山がつくりあげた地形は実に多様性に富んでいる。鋭く切り立つ崖、巨大な断層、黒い砂の海岸、火山の裾野に広がる砂漠など、驚きに満ちたさまざまな場所に身を置き感動を共有し、そこから生まれる彼の心の動きを追い続けた。
(次へ続く↘)

作品3:大島を象徴する椿を背景に

・カメラ : D810 ・レンズ : AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/320秒、f/1.8 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 200 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

作品4:島の北端に位置する、野田浜でのシーン

・カメラ : D810 ・レンズ : AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : 絞り優先オート、1/1000秒、f/3.5 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 500 ・ピクチャーコントロール : スタンダード
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そしてメインカットであるこの一枚。時刻は太陽が沈み始める頃、椿の花が散る大島の大地に寝そべり、どこか遠くを見つめる表情。刻々と移ろう西日に呼応するかのように微妙な変化を見せる17歳の心を絞り開放で捉えた。
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ピントの合った眼は長いまつ毛の一本一本まで描写され、腕から肘にかけてなだらかに変化する前ボケ、背景の椿の大きく自然なボケがその表情をより印象的にした。まさにポートレートのための大口径単焦点レンズである。これからも心の肖像を撮り続ける
―― 私のNIKKORで。

作品5:三原山の東側に広がる裏砂漠でのシーン

・カメラ : D810 ・レンズ : AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/8000秒、f/1.8 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 125 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

INTERVIEW
MOVIE

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PHOTOGRAPHER

網中健太(あみなか けんた)

NIKKOR

AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
原初的な自然の力が満ちる伊豆大島

  • 伊豆大島の元町港に停泊する客船と高速船


  • トウシキの鼻(はな)のダイナミックな景観

今回の撮影場所は伊豆大島。伊豆七島最大の島で、中央にそびえる三原山はこれまでに幾度も噴火を繰り返している活火山です。それゆえ、この島にはいたるところに、火山活動に関連した断層や、溶岩、火山礫(れき:小石)、そして海の浸食などがつくりあげたユニークでダイナミックな地形があります。網中先生は、プリミティブな自然の力に満ちたこの島が、今回の被写体となるモデルに強烈なインパクトを与えると考えました。そして、そこからさまざまな情感を引き出し捉えることが今回の撮影の狙いでした。モデルに選ばれたのは、17歳の高校生、サフィル君。日本とパキスタン、フランスの血を受け継いでいます。少年の面影を残しながら大人へと成長する彼の、豊かな表情と天性の明るさがポイントだったようです。大島には行ったことがなく、その点も先生の狙い通りでした。
02
島を舞台とするアクティブな撮影に応えた、85mm f/1.8

  • D810+AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G


  • 砂の浜でのアグレッシブな撮影シーン

網中先生が撮影で使用したレンズは、AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G。大口径で明るい開放F値の中望遠レンズです。高い解像力と美しく自然なボケを両立し、ポートレート撮影に最適です。さらに約350gの超軽量かつ大口径ながら非常にコンパクトな設計。今回はさまざまな場所を移動しながらのアクティブな撮影となりましたが、この機動力が威力を発揮しました。早朝に島に到着し、準備を整えてすぐに撮影を開始。最初に向かったのは島の南西に位置する、地層大切断面のあるポイント。火山噴火の歴史を語る100層ほどの縞模様が見事です。さらに南下して砂の浜(さのはま)で撮影。ここは、溶岩が波に砕かれた礫などでできた黒い砂浜です。網中先生とモデルのサフィルは、波打ち際からさらに海の中に入っての撮影となりました。そして、島の南端にあるトウシキの鼻(はな:突き出た岬のような地形)の岩場でもアグレッシブな撮影が続きました。
03
高い解像力と美しいボケが人物の心の動きを際立てた

  • メインカットの撮影風景


  • 裏砂漠での超アクティブな撮影

さらに撮影ツアーは続き、島の北部にある椿花ガーデンへ。訪れた季節はまさに椿の花の見ごろ。網中先生はその中で少し小ぶりな、ロゼフローラという椿に注目し、地面に散る花の絨毯の上にサフィルを寝かせて撮影を開始。それが今回のメインカットとなりました。日は大きく傾きほとんど沈みかけていましたが、それが先生の狙いだったようです。木々の間から漏れる西日が顔にあたり、刻々と変化しながら美しい陰影を生み出しました。時間とともに落ちていく光量の中、絞り開放で捉えられたサフィルの表情。ピント面の眼は長いまつ毛の先まで高解像に描写され、肌や髪の質感も見事に表現されています。そして花の絨毯の手前から奥へのなだらかで美しいボケがその表情をさらに印象的にしています。日々新しい経験を重ね成長していく17歳の心の奥まで写しとられていると感じました。さらに日没後は、島の北端にある海岸で薄暮の空を背景に、そして翌日は三原山の麓に広がる裏砂漠を舞台に、超アクティブな撮影に挑みました。今回、とても印象的だったこと。それは旅の中で、先生がサフィルと交わし続ける会話が互いの信頼関係を強くしていった過程にありました。

こちらに掲載されている情報は、2016年3月現在のものです。

DATA

写真家: Kenta Aminaka
レンズ : AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
カメラボディー : Nikon D810
キーワード : ポートレート
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