F マウントレンズ体系図 |
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ニッコールレンズを、CPU ( Central Processing Unit :中央演算処理装置 ) の内蔵 / 非内蔵とフォーカス方式(オートフォーカス・マニュアルフォーカス)を基準に体系化した俯瞰図です。オートフォーカスレンズの各機能記号の説明や AF-S ・ VR ・ DC ・ DX レンズなどの特殊レンズの説明も行っています。
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AF-S レンズ
ニコンが独自に開発した AF 駆動用の SWM ( Silent Wave Motor= 超音波モーター ) を内蔵。
被写体の激しい動きにも追従する合焦スピードと、ボディ駆動の AF レンズにはない静粛性を合わせ持ち、これらが要求されるスポーツや野生動物の撮影シーンに威力を発揮します。
VR レンズ
【 VR : Vibration Reduction 】
ニコン独自の VR ( 手ブレ補正 ) 機能は、レンズ内の 2 種類のセンサーがカメラのブレ ( ピッチングとヨーイング ) を検出。 光学系の一部がブレをなくす方向に駆動して、撮影者によって異なる手ブレ限界シャッタースピードから 3 段階相当の手ブレ軽減効果を発揮します。 また、AF-S DX VR ズームニッコール ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF) には、新開発の「次世代手ブレ補正 VRII」を搭載。 世界初 (2005年11月1日現在、デジタル一眼レフカメラ用交換レンズにおいて) の4段相当の手ブレ軽減効果を実現しました。 スポーツや、夕暮れ、夜景など、長焦点レンズの手持ち撮影で起こりがちな手ブレを効果的に補正。
また、流し撮りの際はセンサーがこれを自動的に検知し、モードの切り換えなしに左右方向のカメラの動きに対しては縦のブレのみを、上下方向のカメラの動きに対しては横のブレのみを軽減します。 アクティブモードを備えている VR レンズでは、乗り物などに乗っているときなどの揺れの激しい条件での手ブレ補正も可能です。
DC レンズ
【 DC : Defocus-image Control 】
DC リングの操作で、レンズの一部を前後に動かすことにより、被写体の前後のボケ像の形状をコントロールできる世界初の画期的レンズです。 次のようにボケ味を背景か前景のどちらかを優先して選択できる点が特徴です。
また、DC リングの目盛りを絞り値より大きな数値にセットするとソフトフォーカス的な効果を得ることも可能です。 その場合、オートフォーカスは使わずにファインダーのマット面でピントを合わせてください。
【 DC リングを操作しない場合 】
通常のレンズ同様、主要被写体からの光線はシャープに結像し、背景や前景からの光線は均一なボケ像となります。
【 DC リングを R ( リヤ ) 側にセット 】
球面収差が発生し、背景からの光線は像の中心に核を持ち、その周辺をやわらかい光のにじみ ( ハロー ) が取り巻き、全体として柔らかなボケ像となります。 この時、前景からの光線は円環状のエッジをもったボケ像となり、いわゆる二線ボケとなることがあります。
【 DC リングを F ( フロント ) 側にセット 】
R 側にセットした時とは逆方向の球面収差が発生し、前景からの光線の像がや柔らかいボケ像となります。
PC レンズ
【 PC : Perspective Control 】
レンズ系をフィルム面と平行に移動 ( シフト ) することによって遠近感を変化させ、像の歪みを補正・強調できるレンズです。 PC マイクロニッコール 85mm F2.8D はこの機能に加え、レンズ系を傾けること ( ティルト ) によってピントの合う範囲をコントロールする機能を持っています。
【 シフト 】
高層ビルを地上から見上げる角度で撮影すると、遠近感によりビルは上すぼまりで写ってしまいます。 このときレンズ面とフィルム面がビルと平行になるようにライズさせると上すぼまりな像を補正できます。
また、逆の方向にフォールさせると遠近感を誇張した撮影も可能。 被写体の垂直・水平の傾きを自由に操作できるため、特に歪みを嫌う建築や商品撮影に最適です。
【 ティルト 】
商品撮影の際、奥行きのある被写体を斜め上から撮影する場合など、通常ピント面はフィルム面と平行に発生し、ピンとはごく限られた範囲にしか合いません。 しかし、レンズ系をピントを合わせたい面の傾きに合わせて傾ければ、絞り値を変えることなく被写体全体にピントを合わせることができるようになります。
また、これとは逆にポートレート撮影において、ピントの合う範囲を極端に狭めた写真を撮影することも可能です。
マイクロレンズ
マイクロニッコールレンズは独自の近距離補正方式等の採用で、撮影距離が無限遠から至近距離まで光学性能を保ちながら、レンズ単体で無限遠から 1/2 倍または等倍までの撮影が可能。 全撮影距離でシャープな描写力をもち、接写、複写をはじめ、スナップや一般撮影にも適します。
また、AF レンズとしては世界に先駆けマイクロレンズのズーム化を達成しました。
レフレックスレンズ
反射鏡と屈折レンズを組み合わせ、それぞれの利点を活かしたカタジオプトリックと呼ばれる光学系を採用し、全長が短く色収差の非常に少ない超望遠レンズを実現。 光量調節はレンズ後部に ND フィルターを装着。入射光束は中抜けとなり、ボケ像が点はリング状に、線は 2 本に分離。 そのボケを活かした独特な表現も可能です。
魚眼レンズ
魚眼レンズは 180 °の画角をフィルムに撮影できるレンズです。ニコンは魚眼レンズの学術的有用性を考慮し、早期に開発に着手。 60 年代後半には、世界に先駆けて非球面レンズを用いた魚眼レンズを発売。培われてきた技術は今も受け継がれています。
特に Ai AF フィッシュアイニッコール 16mm F2.8D は世界で初めて魚眼レンズに近距離補正方式を採用し、近距離撮影でも優れた性能を発揮。
また、このレンズの射影方式は、物体の立体角と像の面積が比例関係になるなど立体角射影方式を採用しています。
D 信号(距離信号出力機能)
D は Distance ( 距離 ) を表し、レンズのフォーカスリングに連動するエンコーダーを内蔵し、被写体までの距離情報をカメラボディ側へ伝達するニコン独自の機能です。より的確な露出制御を実現する3D-RGBマルチパターン測光II、i-TTL-BL調光等の先進機能を可能にします。なお、このD信号を持つレンズの内、レンズ本体に絞りリングを有するものをDタイプレンズと称します。また。Gタイプレンズにも備えています。
G タイプレンズ
G タイプレンズは、レンズ本体に絞りリング(絞り環)を持たず、ボディ側から絞り制御を行う、現行ニコン AF 一眼レフカメラに対応した新しいレンズシリーズです。 絞りリングをなくすことによって、レンズ本体のコンパクト化が可能となり、さらに最小絞りにセットして撮影する必要がなく、操作性が向上しています。
また、D タイプレンズと同様に、被写体までの距離情報をカメラ側に伝達する機能も持ち、より的確な露出制御や調光制御を実現します。 G は絞りリングのないレンズの識別符号です。
なお、カメラとの組み合わせには、制限・制約がある場合があります。
カメラとレンズの組み合わせについて をご覧ください。
DX ニッコールレンズ
DX ニッコールレンズは、35mm 判レンズよりもイメージサークルを小さくし、光学性能をニコンデジタル一眼レフカメラ ( D2 シリーズ・ D1 シリーズ・ D200 ・ D100 ・ D70S ・ D70 ・ D50・ D40X・ D40 ) に最適化したレンズです。 同じ焦点距離の 35mm 判レンズよりも軽量かつコンパクトにすることで操作性を向上しています。 フィルム一眼レフカメラに装着はできますが、イメージサークルが小さいため、使用することはできません。
コーティング技術
【 SC:Nikon Super Integrated Coating 】
従来の多層膜コーティングに改良を加え、広い波長域で高い透過率を実現した「ニコンスーパーインテグレーテッドコーティング」を独自に開発し、AF ・ MF を問わず、全ての 35mm 一眼レフカメラ用ニッコールレンズに採用しています。 このコーティングによりレンズ構成枚数の多いズームレンズでもフレアやゴーストを軽減し、高コントラスト・豊かな階調表現が可能。
また、カラーバランス・色再現性に優れ、赤外線写真など特殊用途における光学性能も向上させています。 ニコンではコーティング技術の新規開発に取り組むとともにレンズの設計段階から、レンズ構成に合わせたコーティングの組み合わせを繰り返しシミュレーションすることで最適化をはかっています。
【 NC:Nano Crystal Coat 】
「ナノクリスタルコート」は、ニコンが最先端のステッパー ( 半導体露光装置 ) を開発する過程で生み出したレンズ反射防止コーティングです。
ナノサイズ ( 1 ナノメータは、1/1,000,000mm ) の極めて微細な結晶粒子をコーティングした、超低屈折率層を持つコーティングです。 広い波長域で従来の反射防止コーティングの限界を超えた極めて高い反射防止効果が実現でき、さらにレンズ斜めから入射する光に起因するゴースト、フレアに対してもこれまでにない優れた効果を発揮します。 超望遠レンズ AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8G (IF) に採用しています。
ED レンズ
【 ED:Extra-low Dispersion 】
通常の光学ガラス使用のレンズは、焦点距離が長くなるほど色収差の補正が困難になり、焦点ズレによる色のにじみが発生します。 このトラブルを解決するために、ニコンはプリズムの色分解作用を少なくする ED ( 特殊低分散 ) ガラスを世界に先駆けて開発。 ED ガラスは低分散で、しかも結晶素材の蛍石のように異常部分分散性を有し、2 次スペクトルの除去を可能にしました。 望遠系のレンズを中心に幅広く採用し、優れた描写性能を実現しています。
また、新開発のスーパー ED ガラスは ED ガラスの光学特性を徹底して追及、より低分散で、2 次スペクトル除去能力などの諸特性が極めて高く、色収差はもちろんのこと、 それ以外の収差能力に優れています。望遠レンズ AF-S VR Nikkor ED 200mm F2G (IF) に採用しています。
メニスカス保護ガラス
【 ML:Meniscus Protective Lens 】
大口径望遠レンズの前面にはレンズ保護のために保護ガラスが使用されています。 平面の保護ガラスの場合には、スポットライトなどの明るい光源のある撮影などで、入射光が撮像素子やフィルム面に反射し、この反射光がさらに保護ガラスに再反射して結像しゴーストが発生することがあります。 そこで、曲率を持ったメニスカスレンズを保護ガラスに用いて、再反射光を拡散させゴーストの発生を抑えたのが、メニスカス保護ガラスです。 メニスカス保護ガラスを採用することによりゴーストの少ない鮮明な画像が得られます。
非球面レンズ
【 AS:Aspherical Lens 】
非球面レンズは、面が球面でも平面でもない曲面をもち、球面収差などさまざまな収差を補正します。 中でも広角系のレンズで問題となる歪曲収差のコントロールには、大きな効果を発揮。 歪曲収差は被写体がレンズを通し結像すると歪む現象で、像高 ( 画面中心からの距離 ) により倍率が異なる収差です。
そこで、レンズ中心周辺から非球面を用い、連続的に屈折力を変化させると歪曲収差が補正できます。 ニコンは 1960 年代に世界に先駆けて非球面レンズの設計理論・加工技術を確立。 1968 年には非球面レンズの特性を活かし、歪曲収差のコントロールを行う日本で初めて非球面レンズを採用した 35mm 一眼レフ用交換レンズ OP フィッシュアイ 10mm F5.6 ( 正射影方式魚眼レンズ ) を発売し、 その後も数多くのレンズに非球面を採用。
以下の非球面レンズを実用化し、レンズのコンパクト化、そしてコントラスト・解像力に優れた高性能化を実現しています。
< 精研削非球面レンズ >
高度の研削技術によって、レンズ面を非球面形状に加工して作ります。
< 複合型非球面レンズ >
高精度な金型により、ガラスレンズの上に樹脂を非球面形状に形成して作ります。
< ガラスモールド非球面レンズ >
高精度な金型により、直接ガラス素材を非球面形状に形成して作ります。
近距離補正式
【 CC:Close-Range Correction System 】
レンズを複数の群に分割し、それぞれ異なる動きをさせてピントを合わせる方式です。 例えば広角系レンズに用いられるレトロフォーカスタイプは非対称性が強く、全体繰り出し方式でピント合わせすると、近距離側で像面湾曲が増加する難点があります。 そこで特定の間隔を変化させると像面湾曲のみが変化するという特長を利用し、近距離でも像面が平坦になるように、複数のレンズ群を独立して移動させるようにしたのが近距離補正方式です。
IF 方式
【 IF:Internal Focusing 】
レンズ系を前・中間・後群に分割し、中間のレンズ群のみを移動させてピントを合わせる方式です。 フォーカシングによる収差変動を減少させ、またレンズ駆動時のトルクが軽く、フォーカス時の保持バランスに変化がありません。 また、AF レンズでは合焦スピードの高速化にも貢献しています。
RF 方式
【 RF:Rear Focusing 】
レンズ系を複数の群に分割し、後群のみを移動させてピントを合わせる方式です。 小さなレンズ群のわずかな移動による焦点合わせが可能なため、AF 撮影での迅速なピント合わせや操作性の向上に貢献。 特に前玉径の大きな大口径 AF レンズの一部に採用しています。
SWM ( 超音波モーター )
ニコンが独自に開発した AF 駆動用の SWM ( Silent Wave Motor=超音波モーター ) は進行波を 回転エネルギーに変え、フォーカス光学系を駆動させます。この SWM を搭載した AF-S レンズは高速で、静粛性に優れた オートフォーカス撮影を可能にします。 また、小型 SWM を新開発、AF-S DX ズームニッコール ED 18-55mm F3.5-5.6G 等に採用しています。
M/A モード
オートフォーカス中でもピントリングを回せば、タイムラグ無しでマニュアルによるピント合わせができるモードです。ファインダーをのぞいたまま、瞬間的にピントの調節を可能にします。
A-M 切替リング / レバー / スイッチ
このリング ( AF180mm F2.8D はレバー ) を装備した AF レンズは、レンズ鏡筒内に設けられたクラッチの働きによって AF 時には距離リングが回転せず、 マニュアルフォーカス時にピントリングの回転に適度な負荷がかかりマニュアルレンズと同じような操作感を可能にします。
また、AF-S DX ズームニッコール ED 18-55mm F3.5-5.6G、AF-S DX ズームニッコール ED 55-200mm F4-5.6G には A-M 切り換えスイッチを装備、これらのレンズは AF 時にもフォーカスリングが回転します。
円形絞り
【 RD:Rounded Diaphragm 】
イルミネーションなどの点光源を撮影した場合、絞りの羽根でかたどられた多角形のボケが写り込むことがあります。 そこで特殊な羽根形状により、絞りが円形になるように設計したのが円形絞りです。これにより美しいボケ味を得ることができます。
