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ワークス Vol.37 Capture NX


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異なる視点のぶつかりあいから生まれた、フォトグラファーに最適な画像処理ソフトウェア。


開発にあたって何か苦労された点はありますか?

「今回は、日本、アメリカの西海岸および東海岸、さらにドイツというワールドワイドな開発体制をとっていたため、いろいろ調整が大変でした。チームのメンバー一人一人がお互いのコミュニケーションを大切にしながら、各々の担当分野に責任を持って取り組むことで何とか乗り切りましたが、かなりハードなプロジェクトでしたね。」

Nik社というサードパーティーとの共同作業という点ではどうでしょう?通常とは勝手が違う部分もあったのではないでしょうか?

「正直に申し上げると、いろいろと苦労するところも多かったですね。技術的な面で言えば、問題解決に向かうアプローチにまず違いがありました。ニコンはカメラおよび現像処理ということを中心にそれぞれの問題を解決しようとするし、Nik社は画像編集ソフトウェアという見地から問題に向かうので、意見がいつも一致するとは限りません。この二つの側面をどうまとめていくかということで随分議論を重ね、最終的にデジタルでの画像編集に最適なアプローチにたどり着きました。」

カメラというハードウェアを中心にした視点と、ソフトウェアを中心にした視点にずれがあったわけですね?




異なっていた考え方を融合させていくことで、これまでにない使い勝手を備えたソフトウェアが生み出された。

「多くのソフトウェアの会社が現像処理を撮像素子からのデータをRGBのデータに変換するだけの単純作業と考えがちです。反対に、カメラメーカーというのは現像に独自のこだわりを持っています。ニコンであればJPEG画像にも「ニコンらしさ」が出るように、現像作業において独自の味付けをするわけです。このこだわりを活かす手段が、ニコンの理想であるカメラ内で行う現像処理のシーケンスのソフトウェア化です。この方式では、一つ一つの処理の設定を自分で選べるのに処理の順番や項目に関しては気にする必要がないということで、画像処理の知識が少ない方でもなじみやすく、簡単に作業が行えるという利点もあります。ただ、今回「Capture NX」で新たに取り入れた部分編集機能には、この方式は向きません。一定の流れの中で処理をするのではなく、この部分にこの処理を、あちらの部分にはこの処理を、という形で処理をどんどん追加していくという考え方が必要になるのです。」

Nik社の画像処理ソフトウェアに対する考え方に近い概念ですね?

「その通りです。ただ、ニコンとしては「現像処理」という考え方をベースにするというのはゆずれない部分でもありました。それが欠けてしまうと、デジタルカメラのユーザーにとっては使い勝手が悪いし、ソフトウェアメーカーが出している既存の画像処理ソフトウェアとの差別化も難しくなります。最終的には、基本画像調整という機能で現像処理の一連の流れをまとめるという方向で落ち着きました。調整はたいへんでしたが、今振り返るとこのような視点の違いがあったからこそ、「Capture NX」が革新的なソフトウェアに仕上がったのでしょうね。」

お互いに触発しあって、良い結果が生まれたのですね。

「ハードウェア側とソフトウェア側が共同で一つのプロジェクトに取り組むことで、フォトグラファーにとって最適な画像処理ソフトウェアを生み出せたことを誇りに思います。」


写真編集を文化の領域にまで高めるために。デジタルでの絵づくりの楽しみをより多くの人に広げたい。


「Nikon Capture」のユーザーはプロのフォトグラファーの方が多かったような印象がありますが、「Capture NX」もプロフェッショナル向けのソフトウェアという位置づけですか?

「「Nikon Capture」に関して言えば、プロのフォトグラファーに使っていただいているケースが多いようですが、結果的にそうなってしまっただけで決してプロフェッショナル向けということを意識したソフトウェアではありません。「Nikon Capture」、「Capture NX」とも、RAWデータ現像のプロセスを含めデジタル画像を楽しんでいただきたいという趣旨の製品です。フィルムカメラ時代に、暗室での現像を楽しまれたというアマチュアの方がたくさんいらっしゃったように、デジタルでの絵づくりを現像処理から楽しみたいというお客さまはたくさんいらっしゃるはずです。特に、「Capture NX」では、U Point™テクノロジーを使って写真編集がとても簡単に楽しめるようになったので、もっともっとたくさんのお客さまに気軽にトライしていただき、ユーザーのすそ野を広げていけるといいですね。」

現像というと構えてしまっていたユーザーも、U Point™テクノロジーには気楽に手が出せそうですね。

「まずは色味を変えてみたり、明るさを変えてみたりということを試していただくだけでも、カメラで撮った画像を自分なりにいじってみる楽しさがわかっていただけると思います。ちょっとでも元の画像よりきれいになったということが感じられれば、気持ちが良いし、それが楽しみにつながるはずです。「Capture NX」は、簡単な操作で効果が目に見えてわかるので、写真編集の入門にぴったりです。今後、仕事ではなく純粋に楽しみのために使ってくださるお客さまが増えていくと嬉しいですね。」



「写真編集を文化として育てたい」という夢を語る木村マネージャー。


様々な画像ソフトウェアが市場に並ぶ中で、「Capture NX」に込められたカメラメーカーならではの想いのようなものがあれば、教えてください。

「ニコンには、写真編集を一つの文化として育てていきたいという願いがあります。フィルムカメラからデジタルカメラへと時代が移行した意義を具現化するためにも、それは必要なことだと感じています。その第一歩として、私たちにできるのは、より多くの人に写真編集を楽しんでいただくこと。そういった意味で、誰もが簡単に写真編集を楽しめるとは言い難かったこれまでのソフトウェアの世界に、直感的な写真編集を実現する「Capture NX」のような製品を打ち出せたことは大きな意味があると感じています。ニコンのお客さまはカメラのユーザーであってコンピューターのユーザーではありません。コンピューターに対する高いスキルを持たなくても、ハイレベルな写真編集が可能なソフトウェアを今後とも提供し続けていきたいと思っています。」

今後の一層の発展が楽しみですね。
今日はありがとうございました。

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