talk! talk! talk! : 女優 中村麻美さん |
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プロフィール なかむら・まみ。1979年、神奈川県横浜市生まれ。1995年、16歳のときに、映画『ファザーファッカー』の主演オーディションに応募、約4000人の応募者の中から選ばれ女優デビュー。以後、映画を中心に、テレビドラマ、CMなどでも幅広く活躍を続ける。おもな出演映画は、『富江』『御法度』『東京ゴミ女』『白い船』『火星のカノン』など。テレビドラマでは『ストレートニュース』(NTV系)『君の手がささやいている』(テレビ朝日系)『ストロベリーオンザショートケーキ』(TBS系)『ハンドク!!!』(TBS系)など。 趣味は写真の他に、旅行、ドライブ、乗馬、水泳、脚本を書くこと。2000年には自ら書いた脚本で、短編映画の監督をし、多岐にわたる才能を発揮。また今年は串田和美演出の舞台、「スカパン」で初舞台を踏み、新たな挑戦を続けている。今後、2本の出演映画の公開を控えている。「女はバス停で服を着替えた」は、2003年3月15日より、吉祥寺バウスシアター、渋谷ユーロスペースにて公開予定。「星に願いを。」は、2003年4月より全国東宝洋画系で公開予定。 |
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女優を目指そうと思ったきっかけから教えていただけますか?
両親が大の映画ファンで、小さい頃からいろいろな映画に触れてきました。そんなある日『羊たちの沈黙』(※注1)を家族で見たときに、主演のジョディー・フォスターのものすごく力強い目に惹かれ、「女優としても、ひとりの女性としても、なんてかっこいいんだろう」と思ったんです。作品に引き込まれたというより、その演技に衝撃を受けたんです。そのとき「自分もこうなれたらなぁ」と思ったのが、女優を目指そうと決心したきっかけです。
オーディションに合格されて、女優デビューと映画初主演が決まったんですね。
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そうです。女優になろうと決めてからは、毎日のようにオーディション雑誌を見ていろいろと調べました。絶対に映画で女優デビューするんだという強い思いはあったのですが、どのオーディションもピンとこなかったんです。ところが高校1年の夏に“『ファザーファッカー』主演女優募集”という記事を見つけて、ほとんど直感で、「ああ、これだ!」って思ったんです。 この映画の原作は、内田春菊さんの自伝として当時ベストセラーになりました。かなり衝撃的な内容だと思いますが、この作品のどのようなところに惹かれたのですか?
たしかに衝撃的なストーリーだと思いました。でも主人公は、どんなに辛い境遇におかれても、すごく強い意志を持って立ち向かっているんです。その姿が、女優になりたいという強い意志を持っていた自分とシンクロしたのだと思います。だから、この役は絶対私がやる、何が何でも受かってやる! という気持ちでオーディションを受けたんです。 |
はじめての映画撮影は、いかがでしたか?
はじめての経験でしたので、やはりプレッシャーはありました。撮影が進むにつれてたまっていくストレスを、食べる事で紛らわせていたために、撮影途中なのにすごく太ってしまって……。だけど、それでもすごく楽しかったんですよ。演じることが楽しくて楽しくて。
プレッシャーの重さを差し引いても?
そうです。それと、すごく強気だったんです。どんなにきついシーンでも、私は絶対に負けないんだという気持ちを絶えずもちながら撮影に臨んでいました。
※注1 『羊たちの沈黙』(1991・米)=1991年度のアカデミー賞主要5部門を独占したサイコサスペンスムービー。猟奇的な連続殺人事件の捜査に加ったFBI研修生クラリスと、捜査の協力を頼む元精神科医の殺人鬼レクターの奇妙な関係。そこに、彼から得たヒントをもとに真犯人を追うストーリーが複雑にからみ合い、恐怖と緊張感を強烈に印象づける名作として現在も人気が高い。
中村さんは『富江』(※注2)『東京ゴミ女』(※注3)『火星のカノン』(※注4)など、演じる上で一筋縄ではいかないような、個性的な役を多く演じていらっしゃいますが、役づくりはいつもどのようにされているのですか?
まず脚本を読んで、台詞から感じ取ったものをガーっと箇条書きで書き出していくんです。“青い空”とか、“クサイ台詞”とか、本当に他愛もないことなんですけどね。あと、絵を描いたりもします。コンテとまではいかないんですけど、イメージを落書きみたいな感じで描くんです。そうして、撮影に入る前にある程度のイメージを固めておくのです。
手を動かしながら役をつくり上げていくんですね
そうですね。頭で考え出すと自分にぐーっと入り込んでしまって疲れてしまうから、どこかで気を抜きながら、手を動かして遊びながら役づくりをするんです。
それから、自分でその役の設定を考えて、作り込むのが好きなんです。『火星のカノン』という映画では、髪をボサボサにしたり、マニキュアを塗ったあとにわざと剥がして、2週間前に塗ってそのままといった雰囲気の爪を作ったりして、ボロボロの女の子というイメージを作りました。そういう作業をひとつひとつ行なうことで、役柄を演じる状態に自分の気持ちを持ってゆくのです。
2002年に公開された映画『白い船』では、これまでとは少し違った役柄にチャレンジされていますね。
そうなんです。はじめに『白い船』のオーディションの話をいただいたときびっくりしました。まず『白い船』っていうタイトルからして、今までと違う!って(笑)。いわゆる“感動もの”の映画はやったことがありませんでしたし、自分が学校の先生を演じることになるとは思ってもみなかったので。 静香先生という小さな学校の先生役でしたね。教師という仕事に自信をなくしながらも子供たちと向き合っていくという……。
まず脚本を読んでみて、ずいぶん気持ちのいい映画だなと思いました。それと妙に気に入ったシーンがありまして、そこを読んだときに鳥肌が立ってしまったんです。 どのようなシーンだったのですか?
静香先生が久しぶりに実家に帰ってきて、家の側の田園の中にたたずんで、風にふかれているシーンなんです。そのシーンで静香先生は、自信をなくしていた教師という仕事をまた続けて行こうと決心するんです。このストーリーの軸は、子供たちと白い船の交流を描くことにあるのですが、静香先生にとっては、そこが一番大事なシーンなんです。脚本を読んでいたらこのシーンの風景が浮かんできて、本当に風を感じたんです。オーディションの時に、監督にそのシーンのことを伝えたら、監督もそのシーンが一番好きだっておっしゃって、すぐに意気投合したんです。 実際に静香先生を演じてみていかがでしたか?
今回も、自分なりに考えてから撮影に臨んだのですが、どうもしっくりいかないままに撮影も中盤になってしまったんです。そこで、いったん自分の中にあったイメージを全て捨てることにしました。そして、イメージづくりの代わりに子供たちとサッカーや竹馬をして、毎日ドロドロになるまで遊んだり、暇があれば町を歩き回って地元の人と交流を持ったり、そうやってただ毎日を楽しく過すことにしたんです。 今までと違った役づくりのアプローチですね。結果的にうまくいったのですか?
いつも撮影が終った後にやっと役になれたかなって思うことばかりで、撮影中にうまくいったかと聞かれてもわからないんです。でも、風にふかれる田園のシーンを撮影したときに、あ、ちょっと静香先生が自分に近づいてきたな、もうちょっとこの役を続けることができそうだなって思うことができたんです。それはやはり、子供たちと一緒に遊んだという経験が大きかったのだと思います。 静香先生にとっても、中村さんにとっても転機となる重要なシーンだったのですね。
※注2 『富江』(1998年)=ホラー漫画界で実力、人気ともにナンバーワンと絶賛される伊藤潤二の人気コミック「富江」を映画化。死んでもなお再生を繰り返すという美女・富江にじわじわと追い詰められてゆく月子(中村麻美)の恐怖を描いたSFホラームービー。 ※注3 『東京ゴミ女』(2000年)=愛する人のすべてを知りたいという思いから、同じマンションに住む男の捨てたゴミを拾って集めてしまうみゆき(中村麻美)を通して、不器用だけれども、どこかいとおしくなってしまうような女の子の日常を繊細に表現した青春映画。 ※注4 『火星のカノン』(2002年)=30歳を目前にした絹子の実らない恋愛と、彼女に秘めた片思いをしている少女・聖(中村麻美)を通して描かれるリアルで切ない恋愛ストーリー。 | ||||



