Nikon Imaging
Japan
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Lesson5:観光地で撮るポートレート

撮影シチュエーション

撮影場所:趣ある建物が立ち並ぶ観光地

時期:日の長い夏の時期

時間帯:日中、日差しの高い時間帯

天気:曇り

江戸時代にタイムスリップしたかのような趣ある建物や商店が軒を連ねる観光地では記念写真を撮りたくなりますね。
観光地でのポートレート撮影は背景選びが大切です。その場所の雰囲気を伝えながら、人物がバランスよく入るロケーションを探すとよいでしょう。今回の撮影地であれば、見どころでもある趣ある建物を背景にした写真はおさえておきたいところ。また、観光を楽しむ様子をスナップで捉えるのもいいですね。どちらも旅先のワンシーンを切り取ったようなステキな作品になるはずです。撮影するときは他の観光客への配慮や店舗などへの許可を得るなどマナーを守って楽しみましょう。

撮影監修:斎藤 勝則
撮影地協力:千葉県香取市佐原(水郷佐原観光協会)

今回選んだレンズ

広角ズーム

AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR

  • 人物と一緒に、建物の全景や町並みを広々と写すことができます。
  • 広角レンズの遠近感効果で、奥行きを感じるダイナミックな画づくりができます。
  • 店舗の中など撮影スペースが広く取れない場所でも、無理なく人物と背景を入れることができます。
単焦点

AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

  • 単焦点レンズならではのボケ味を活かし、人物の背景を美しくぼかし印象的なポートレートを撮ることができます。
  • 明るい単焦点レンズで、光量が少ない店舗の中などでも手持ち撮影がしやすく撮影の幅が広がります。
  • 焦点距離35mm(35mm判換算で52.5mm相当)の標準レンズで、見た目に近い自然な描写のポートレートやスナップを撮ることができます。
撮影場所と撮影位置

撮影場所に選んだのは、木造瓦屋根の古民家の前です。ここは割烹を営むお店で、軒先にかけられた暖簾と提灯に情趣を感じます。被写体となる女性にはお店の前に置かれた木造の長椅子に座ってもらい、奥行きを出すよう斜めから撮影します。
ポートレートは逆光撮影で顔にコントラストの強い影が出たりするのを防ぐことができますが、背景となる建物は逆光になると色が出にくくなるためこのような場合は順光や斜光を選ぶとよいでしょう。今回撮影時は曇りだったため、日の向きをさほど気にすることなく撮影場所を選ぶことができました。
今回持ってきたレンズを使うと写り方にどのような違いが出るのか、みてみましょう。

撮影した写真の比較

広角ズーム

AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR

焦点距離20mm、絞りはf/8で撮影。人物だけでなく木の格子窓や店の前に置かれた鉢の様子などもしっかりと広く写し込むことができ、また建物に奥行きも感じます。広角レンズの遠近感を利用することでダイナミックな画づくりを楽しむことができますが、レンズの近くや周辺部に人物の顔があるとゆがみが目立ってしまうことがあります。その場合は人物をレンズから離す、画面中央に顔を配置するなど調整しながらフレーミングするとよいでしょう。

単焦点

AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

趣ある格子状の窓と、ふわりと揺れるグリーンの暖簾を背景に入れ撮影。人の視野に近いとされる焦点距離約50mm(35mm判換算)で、いいなと思った構図や表情をそのまま切り取ることができました。さらに明るい単焦点レンズならではの美しいボケ味を活かすため絞りは開放気味に。人物を印象的に浮き上がらせています。

FXとDX、写る範囲の違い

こちらの写真は「FXフォーマット」のカメラとレンズ「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED」で、同じ位置から撮影したものです。「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」で撮影した写真は「DXフォーマット」のレンズとカメラで撮影したもの。どちらも焦点距離35mmのレンズですが、比べてみるとFXフォーマットのほうが広い範囲を写しているとことがわかります。

同じ焦点距離のレンズなのに、なぜ写る範囲が変わるのでしょうか。
FXフォーマットとDXフォーマットというのはそもそも、デジタル一眼レフカメラの内部にある「撮像素子(レンズから取りこんだ光を電気信号に変える、撮影をするための部品)」の大きさの違いのことを指しています。FXフォーマットの撮像素子に比べDXフォーマットの撮像素子のほうが小さく作られているため、その分写る範囲もFXフォーマットよりDXフォーマットの方が狭くなります。
レンズもそれぞれのフォーマットに合わせ、FXとDXがあります。レンズ名に記載されている焦点距離が同じでもFXとDXで写る範囲が変わるのはこのためです。FXとDXの写り方の違いは今後レンズを選ぶ上でもひとつのポイントになりますので、ぜひ覚えておくとよいでしょう。

なお、このようにDXレンズでは焦点距離と実際の画角が違うため「35mm判換算で●mm相当」という表記で、実際に撮影した際のおおよその画角が仕様表に記載されています。“35mm判換算”とはFXフォーマットで言うと、という意味です。DXレンズを選ぶ際に参考にするとよいでしょう。

DXとFXの違いについての詳細はこちら

こんな写真も撮りました

使用レンズ・機材

AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR

10-20mm(35mm判換算で15-30mm相当)の超広角域をカバー。最新の光学設計により画像周辺部まで像の歪みや諸収差を抑制し、細部までシャープな描写を実現しています。小型・軽量なので旅行などの持ち歩きにも便利。本格的な超広角撮影を気軽に楽しむことができるレンズです。

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AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

見た目に近い自然な描写が得られる、焦点距離35mm(35mm判換算で52.5mm相当)の標準単焦点レンズ。開放F値1.8の明るいレンズで、光量が少ない室内も手持ち撮影がしやすく、また美しいボケ味を生かした写真を撮ることができます。軽量・コンパクトで持ち歩きにも便利、スナップ撮影や風景撮影にも最適です。

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AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED

スナップ撮影、夜景、風景、ポートレートなどの多彩なシーンで活躍。単焦点レンズならではのシャープな描写だけでなく、開放F値1.8の明るいレンズでぼけ味を活かした表現も楽しめます。優れた光学性能により、焦点ズレによって発生する色のにじみや開放絞り時に点光源がにじんだように写る収差を軽減。高い解像力を発揮するレンズです。

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ギャラリー

このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。

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