Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

ザ・ワークス Vol.50 D5000

ニコン初の、バリアングル液晶モニターが採用された一眼レフカメラD5000。撮影アングルを自在に変えることができ、撮る自由と楽しさが一段と広がりました。中級機と同じ高画素&高性能を盛りこみながら、手軽に使用できる新機種の魅力について、プロダクト担当の方々にお話を伺いました。

田澤 昌(たざわ・まさし)

映像カンパニー マーケティング本部 第一マーケティング部 第一マーケティング課 主幹
1986年入社。当時の担当はメカ設計で、初代の電子カメラQV-1000Cが原点。その後、フィルム電送機やフィルムスキャナの設計に関わり、2002年にマーケティング部へ異動。D5000ではプロダクトマネジャーとして全体の取りまとめを行う。休日には山登りやゴルフ、スノーボードを嗜む行動派。

大貫 正夫(おおぬき・まさお)

映像カンパニー 開発本部 第一設計部 第一設計課 主幹
1989年入社。当時の電子画像事業室に配属。クールピクスの初期モデルや一眼レフカメラD1などのデジタル回路の設計を務める。入社20年目の2008年にD5000の製品担当となり、電気系の取りまとめを行う。趣味は料理、旅行、野球。

渡部 剛(わたなべ・つよし)

映像カンパニー 開発本部 第一設計部 第三設計課 副主幹
1993年入社以来、一眼レフカメラのボディのメカ設計一筋に従事。フィルム時代のカメラを経て、デジタルカメラではD200、D300までさまざまな機種に携わり、D5000ではメカ系の取りまとめを行う。趣味は天体写真で30年続く本格派。最近はもちろん、D5000がお気に入りだ。

鮫島 冴映子(さめじま・さえこ)

映像カンパニー 開発本部 第一開発部 第二開発課
2005年入社。当初はカメラ機能の要素開発に携わり、2007年より製品の画像設計を担当。D5000では製品の仕様検討をはじめ、画像の各設計のまとめ役として活躍。旅行が趣味で、国内・海外問わず街歩きをするのが好き。

D90の高性能を踏襲した、“本物の良さを軽快に楽しめる”エントリー機が誕生

D5000は、ニコンの一眼レフ初のバリアングル液晶モニターが話題になっていますが、まずは製品の概要を教えてください。

D5000のコンセプト、本物の持つ
性能と自由に楽しめる気軽さにつ
いて説明する田澤さん
設計を担当した渡部さんがまずこ
だわったのは、フレーミングのし
やすさ。液晶モニターを下開きに
したわけには様々なメリットがあ
った。

田澤 「この機種はポジショニングとしては、エントリークラス向けのカメラになります。一眼レフで撮れる写真のすばらしさや撮影の楽しさを、一般ユーザーの方に広く提供したい、という思いから誕生しました。上位機種にD90があるのですが、性能面が優れているゆえに、一般ユーザーには使いこなすのが難しい。その高い性能を、エントリー層の方がどうやったら使いやすいか、といったところに焦点を当てて開発しました。撮像素子やAFセンサーなどは基本的にD90と同様のものを採用しています。“本物の良さを軽快に楽しもう”がコンセプトです。」

ターゲットは、エントリー層ということですね。このD5000の後にD3000が発売されましたが、その辺りのすみわけはどうなっていますか?

田澤 「D3000は、エントリー機の中でもより初級者向けになります。D5000の場合は、ある程度知識はあるが、中級機だと少し難しいと感じている方がターゲットですね。また、D40やD60のユーザーで、さらに高性能なカメラに買い換えたいという方も視野に入れております。」

なるほど。機能的にもD40やD60に比べてレベルアップしていますよね。D5000の具体的な特徴はどういったところでしょうか。

田澤 「一番の特徴は、やはりバリアングル液晶モニターですね。一眼レフにもライブビューを搭載するようになり、さらにD90では初めて動画が撮れるようになったのですが、その辺りの機能をより使いやすくしていこうということで、採用しました。ファインダーを使って、ローアングルやハイアングルから撮るのはなかなか難しいのですが、逆にそういったアングルで撮った写真には、思いもよらない新鮮な驚きや発見があります。そういった写真の楽しみ方をより手軽に具現化することが、バリアングル液晶モニターによって可能になりました。そしてもう一つの大きな特徴は、シーンモードの充実です。従来6種類だったのを、大幅に増やして今回は19種類を採用しています。エントリー層の方が、自分の撮りたいシーンに合わせて、最適な絵を簡単に撮っていただくのが狙いです。大きな特徴はその2点ですね。」

バリアングル液晶モニターで、メカ的にこだわったのはどんなところでしょうか。

渡部 「レイアウト的なところで言うと、開く方向ですね。下に開くのか、横に開くのか、というところで分岐点がありました。下にした大きな理由は、レンズの光軸と液晶の中心軸がズレないのでフレーミングがしやすい、というのがまずひとつ。そして2つめですが、横に開くとボディの左端に操作ボタンを搭載できなくなってしまうんですね。従来のニコンユーザーの方に違和感なく使っていただくために操作系を変えないよう、下開きを選択しました。その他のこだわりとしては、液晶モニターを裏返して格納した際に、ボディとの一体感を持たせるために、モニターの裏側を若干斜めに面取りしています。一体感だけではなく、カメラバッグに収納する際に、するっと出し入れしやすい、という利点もあります。」

画像については、いかがでしょうか。

鮫島 「初めて一眼レフカメラに動画機能を搭載したD90では、関係者やユーザーの方々からライブビューおよび動画に関して色々とフィードバックをいただきました。そのご意見を今回のD5000では生かしています。例えば、木々の緑などの細かいディテールの再現性が向上し、よりリアルな画像を提供できるようになりました。」

今までにないベストショットを狙える、バリアングル液晶モニターを楽しむアイデア

デジタル回路の設計に携わった大
貫さんもプライベートでD5000
を愛用、その魅力を語る
旅行先で使い勝手の良さを実感し
た鮫島さんは、女性への使いやす
さをアピール

市場に投入されてからの、バリアングル液晶モニターに対する反応はいかがですか。

田澤 「D5000を購入された方々に感想をお聞きする機会があったのですが、8割位の方は、特にバリアングル液晶モニターに魅力を感じて購入を決めたということでした。花を撮る際のローアングルが非常に楽になったという意見や、他にはペットやお子さんなども、相手の目線で撮影できるので、いい写真が撮れたと言っていただきました。」

大貫 「テレビで鉄道写真をデジタルカメラで撮るという企画の番組があり、D5000を使っていましたね。鉄道や車などをバリアングルを使ってローアングルで撮影すると、かなり迫力のある写真が撮れますので、そういった需要も多いのではないかと思います。」

製作者としての目線での楽しみ方の提案や、皆さんが実際にプライベートで使われた際の良かったポイントなどはありますか?

渡部 「私も趣味で写真を嗜みますが、カメラを高い位置で三脚に固定すると、画面を覗きにくいんですね。それが画面が少しでも傾くと、非常に見やすくなります。ローアングルほどではないにしろ、中腰位の高さで撮る場合でも、非常に楽な姿勢でフレーミングできますので、そういう意味でもライブビュー撮影にはバリアングル液晶モニターは非常に有効だったと思います。」

鮫島 「D5000を持って行った旅先に、壁面のレリーフが素晴らしい場所があったのですが、人が大勢いて写真を撮りづらい状況でした。私は身長が高くないので、そのままの位置から撮ると人の頭を避けられないのですが、ハイアングルにしてバリアングル液晶モニターで画角を確認しながら撮ったら、人の頭も入れずにきちんと撮ることができました。そういうちょっとしたシーンにも便利だな、と実感しました。」

ハイアングル、ローアングルで撮る場合の、一眼レフならでは利点はありますか?

渡部 「例えば、背景をボカして花などを撮影する時。マクロレンズを使ってローアングルで撮れるのは、一眼レフならではですよね。ハイアングルでの面白い撮影法としては、魚眼レンズを使って子供が見上げたところを真上から撮ると、頭でっかちのユニークな絵になります。プロの方々が脚立に乗って撮るところを、手軽にできるのは便利で画期的だと思います。」