Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

ザ・ワークス Vol.44 NIKKOR 発売75周年

カメラにとってかけがえのない存在のレンズ。日本が世界に誇るレンズブランド「NIKKOR」が今年で75 周年を迎えました。ニコンのカメラと歩み続けてきたNIKKORレンズの魅力とともに、長い年月に渡り支持され続けてきたその秘密、また記念イベントや NIKKORへの熱い思いを、マーケティング部のお二人に語っていただきました。

三好 秀幸 (みよし・ひでゆき)

映像カンパニー マーケティング本部 第二マーケティング部 コミュニケーション戦略課 副主幹
1991年入社後、宣伝課で半導体露光装置や測量機などの販売促進を経験。1993年にカメラ担当となり、プロネア600i、D100、D70、D70s、F6、D200、D2XSなどのカタログ作りに携わる。現在はレンズ及び一眼レフカメラのプロモーションを担当。旅先で猫を撮影するのが趣味。愛機は、D40、AI Nikkor 45mmF2.8P、COOLPIX S500。

水口 圭子 (みずぐち・けいこ)

映像カンパニー マーケティング本部 第二マーケティング部 コミュニケーション戦略課 副主幹
1990年入社。知的財産部を経てレンズ設計業務に従事、交換レンズの設計を担当する。2007年10月にマーケティング部へ異動。設計者としてモノ作りに携わった経験を活かし、魅力的なプロモーションをしたいと意欲に燃える。レンズのプロモーション全般を担当している。

常に時代をリードしてきたレンズ -NIKKOR75年間の歴史と神話

NIKKORの歴史を話す三好さん
NIKKORが世界に知られるように
なった、D・ダンカン氏のエピソード
を話す水口さん

今年でNIKKORが75周年を迎えたということですが、どのような歴史をお持ちなのでしょうか?

三好 「ニコンでのレンズ設計は1917年の会社設立から間もない1920年代がはじまりで、光学系ごとに、アニター(Anytar)、ドッペル・アナスチグマー(Doppel anastigmat)など、6つの名称で20種程生産されていました。一部のレンズは単にレンズタイプ、例えばテッサータイプ、トリプレットタイプなどと呼ばれ、統一されていなかったとの記録があります。会社として写真用レンズを本格的に始動する際に、系統的なシリーズにしようと計画が立てられました。当時の社名『日本光学工業株式会社』の略称『日光』の英語表記『NIKKO』に、写真レンズの名称に良く使われていた『R』をつけ、『NIKKOR』(ニッコール)というブランドが誕生したのが1932年。そして、1933年に初めて航空写真用レンズを『Aero-Nikkor』と名付けて販売したのがはじまりです。つまり、今年はNIKKOR製品化から75周年にあたるわけです。Fマウントのレンズを現在までに400種類以上設計・製造してきました」

NIKKORが、世界的に有名になったきっかけはなんですか?

水口 「昭和20年代に、カメラマンのD・ダンカン氏がライカのカメラにNIKKORレンズをつけて撮った写真がライフ誌に掲載されたことが、世界に認められたきっかけと言われています。日本人カメラマンがNIKKORレンズで撮った写真をダンカン氏に見せる機会があり、室内の暗い所で撮ったにもかかわらずシャープに撮れていることから、関心を持っていただき、翌日にはNIKKORレンズ2本を購入されたと言われています。」

まさに、NIKKORの神話が生まれた瞬間ですね。ほかにも特徴的なエピソードはあるのでしょうか?

三好 「よく語られているのですが、ニコンのカメラとNIKKORレンズは、宇宙に行ったことがあります。まず最初は1971年のアポロ15号で使用されました。その後はスペースシャトル用にF3が作られて搭載されています。2007年にはNASAよりD2XSとNIKKORレンズの発注を受けました。船内から窓越しでの撮影はもちろん、マイナス150度以上の宇宙空間に出て撮る場合もあります。しかも宇宙へは荷物量の規制があるので、予備のカメラ機材を持っては行けないのです。過酷な条件の中で故障率ゼロ、という非常に高い品質を求められ、それに応え続ける信頼を得ていることを表すエピソードではないでしょうか。どんな環境や状況の元でも一度のチャンスを逃さない、これがニコンのカメラとレンズの使命だと思います。」

NIKKORの歴史を支えつづける、もの作りの姿勢と品質へのこだわり

NIKKORの性能・品質の高さへのこだわりを語る二人

NIKKORというレンズブランドは、他に類を見ない歴史の古さと厚い信頼を得ているようですが。

三好 「ドイツなどには、ニコンより歴史の古い会社はあるのですが、国内でレンズに愛称をつけて現在まで使っているのは、我が社が唯一ではないでしょうか。ニコンはもともとレンズが先で、その後にカメラが生まれたという経緯もあり、『光学の会社』という部分を非常に大切にしています。」

カメラよりもNIKKORの方が古いのですね。それはあまり知られていないのでは。

水口 「そうですね。カメラの存在が大きいため、レンズの存在がカメラの脇役という立場になってしまったからでしょうか。最近行った調査によると、NIKKOR という名称はあまり知られていないという残念な結果が出ました。この75周年をきっかけに、NIKKORレンズの存在を皆様に再認識していただきたいと考えております。ニコンユーザーの方は既にご存知だと思いますが、それ以外の例えばカメラ付き携帯ユーザーや、コンパクトカメラで満足されている方にも、まずは『NIKKOR』という名前を知っていただき、さらにNIKKORレンズの素晴らしさをこの機会にぜひ実感していただけるようにアピールしていきたいと思います。」

NIKKORの良さというのは、具体的にどのようなことでしょうか?

水口 「NIKKORにはプロ仕様のレンズから手頃な価格のレンズまで揃っていますが、いずれも光学性能には妥協しておりません。全ての製品において、最高の性能を追求し、その実現に向けて真摯に取り組んでおります。このような製品に対する姿勢は、会社創立以来ずっと変わりません。今回、75周年の記念活動をするにあたり、図書館から『40年史』『50年の歩み』『ニコン75年史』という社史をお借りしました。これら社史の中には一貫して品質と性能へのこだわりが書かれています。特に目を引いたのは、“利用者にとって、カメラ、レンズは高性能であるとともに、使用しやすく、しかも信頼できる品質のものでなければならない”という一文です。製品に対する姿勢は今後も変わらないと思います。」

三好 「光学性能はもちろんのこと、品質、耐久性には絶対の自信を持っています。工場から出荷されてお客様に渡るレンズの性能が均一でバラつきがない、という点に非常に気を使っています。全数検査、つまり全ての商品に対して1つ1つ品質の検査を細かく行っているのです。手間とコストがかかりますが、より良いものをお届けしたいという考え方を何よりも優先しています。」」