Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

ザ・ワークス Vol.16 Nikon View 5

ニコンの全てのデジタルカメラに付属される画像ブラウズソフトNikon View 5。多機能が備わってさらに使いやすくなったNikon View 5開発の裏側を設計者の高橋氏に聞いた。

高橋功(たかはし・いさお)

株式会社ニコン映像カンパニー第一開発部第三設計課。1992年、株式会社ニコンに入社。当時の中央研究所ソフトウエアセンターに配属、クライアント・サーバー型画像データベースシステムの開発について研究。その後、医療や報道関係向けの画像システムの開発に従事。昨年5月、現在の課に移りNikon View 5の設計に携わる。好きなカメラはF601。「入社してすぐに無けなしのお金で買った一眼レフのカメラなんです。未だに宝物です」

  • 当ページ内で使用しているNikonView操作画面は、全てMac版での操作画面を掲載しています。

イメージはハブ空港 Nikon View 5を拠点に、写真の転送、編集、管理が可能に

Nikon Viewは、現在Nikon View 5になっていますが、Nikon View 4から変わった点を教えてください。

「大きな違いは、Nikon View 4はデジタルカメラ内のカードリーダーの写真を見たり、パソコンに転送する機能だけでしたが、Nikon View 5では、転送した後の画像を管理したり、撮影した写真をパソコンで活用するソフトウェアになっています。  コンセプト自体が全く違っています。Nikon View 5のイメージとしてはワクワク感を持ってパソコンで写真を扱うことですね。そのため、NikonView 5はハブ空港的な役割を担っています」

ハブ空港?

はい。ハブ空港とは、人の乗り換えや貨物の積み替えを行う中継拠点となる空港のことです。つまり、各地から飛行機が集まってきて、それに乗っていた人々がそれぞれ別の場所へ向かう飛行機に乗り換えるところです。  Nikon View 5に当てはめますと、カメラが飛行機で、写真が人に例えることができます。撮影された写真がカメラからNikon View 5に集まってきます。集まった写真を交通整理(編集)して、例えば印刷をしたり、メールで送ったり、いろいろな用途に使っていくというわけです」

なるほど。Nikon View 5が拠点となり、さまざまなことができるようになったのですね。

お勧め機能はニコントランスファ 大量に撮影した時も、写真整理が簡単です!

送先とファイル名が設定できるニコントランスファ。カメ
ラとパソコンをつなぐと自動的に開くしくみになって
いる。
転送先のサブフォルダ名を設定するダイアログ。プレ
フィックスを“ ”(空欄)、サフィックスを“運動会”、命
名法則を“日付”にすると、例が“YYYY-MM-DD-
運動会”となる。これで、もし2002年10 月10日に転送した
写真であれば、フォルダ名が“2002-10-10-運動会”
となる設定ができた。
転送先のサブフォルダ名を設定するダイアログ。プ
レフィックスを”(空欄)、サフィックスを“運動会”、命
名法則を“連番”、桁数を2桁にすると、フォルダ名が“01運
動会”となる。フォルダ設定も自由自在だ。

多くの機能が増えたNikon View 5ですが、オススメの機能は何ですか?

「たくさんありますが、ぜひ活用していただきたいのが、ニコントランスファの機能です。今まではカメラから写真をパソコンに転送する際、そのつどフォルダを作成し、写真を転送していたと思います。Nikon Viewでは転送前にフォルダの名称ルールを細かく指定でき、一貫したルールで新たに作成したフォルダに写真を転送することができます。フォルダ名称の一貫性は写真を整理する上で重要なことだと考えています。なぜなら、秩序立ったフォルダ名称を付けることにより、簡単にフォルダ単位で撮影した写真を並び替えることができるからです。さらに、フォルダの中にどのような写真が保存されているのか判断できる情報がフォルダ名に付加されていると便利だと考えています。仮に、フォルダをネガフィルムに例えると、そのネガフィルムに日付を付けたり、簡単なメモを付けるような感じです。  Nikon View上の実際の画面で説明しますと、「フォルダ名の作成ルール」画面において、「プレフィックス」、「サフィックス」、「命名方法」というのがあります。例えば、「プレフィックス」をブランク(空欄)、「サフィックス」に“運動会”、「命名方法」に“日付”を指定してみますね。もし、2002年10月 10日にカメラからパソコンに写真を転送すれば、“2002-10-10-運動会”という名称のフォルダが新たに作成され、そのフォルダに写真が保存されます。このようにフォルダ名称の前半を日付、後半を意味のある説明的な文字を付加することにより、日付で並び替え後、大まかにフォルダに保存されている写真をイメージすることができるようになります。非常に、地味で目立たない機能ですが(笑)、将来に渡って写真を整理し、目的の写真を手早く簡単に絞り込むには、この地味な機能が重要だと考えています」

なるほど、ずいぶん細かくフォルダの設定ができますね。

「そうなんです。プロの方が1日に何百枚もの写真を撮る際、毎回手作業でフォルダ名やファイル名を作っていくと非常に手間がかかるし、間違いもおこりやすいものです。この機能であらかじめ細かい設定をしておけば、簡単かつ確実に作業ができるので、プロの方にはご好評いただいております。また、趣味でデジタルカメラを楽しんでいらっしゃる方の写真の整理にも、便利な機能だと思います。1日に何百枚もの撮影をするようなプロの方から、お子様の運動会や旅行といった趣味等でカメラを利用される方まで、幅広くこの機能を活用していただけると思っています。私自身も先日の子供の運動会で、3時間ほどで約200枚撮影しました。単純計算で1分に1枚です(笑)。デジタルカメラを使用してからは銀塩カメラでは想像し得なかった枚数を撮影していますので、整理に重宝しています」

転送もカメラ上のボタン操作で簡単にできますよね。

「Nikon View 5はニコンのデジタルカメラをより便利にする機能を持っています。例えば、カメラとパソコンをつないで電源を入れるとNikon View 5が自動的に起動し、カメラ上のトランスファボタンを押すだけで、簡単に転送ができるようになっています。また、あらかじめカメラ上の操作でパソコンに転送する写真を選択し、選択した写真だけをパソコンに転送することもできます。これにより、「撮影」「写真選択」「転送」までの一連の操作を、全てカメラ上の操作だけで行うことができます。特に、パソコンの操作に不慣れな方が大切な写真のバックアップまでを手馴れたカメラ上の操作で確実に行うことができると考えています。一方、パソコンの操作に熟練している方であっても、パソコンを写真の大容量バックアップメディアとして利用する方にとっては手間なく撮影した写真の完全バックアップができ、さらにバックアップ後にCFカードから転送済みの写真を削除することもできます」

「Nikon View5を利用すればニコンイメージングのオンラインアルバムへの写真登録が簡単に行えます。ニコン ブラウザでサムネイル画像(縮小画像)を見ながら写真を選び、「Web登録」ボタンを押すだけで写真をオンラインアルバムに登録することができます。さらに、カメラからパソコンに写真を転送する際に転送した写真を一括でオンラインアルバムに登録することもできます。これにより、カメラ上で選択した写真を全てパソコン上の操作なしでアルバムサイトに登録することができます。一連の処理が終わるまで他の事をしたり、コーヒーを飲んで一休みできます」

他にニコンユーザーにとって、便利な機能はありますか?

「写真の回転機能です。Nikon ViewではJPEG圧縮された写真を再圧縮することなく回転(ロスレス回転)することができます。一般にJPEG圧縮されている写真を回転するためには、(1)圧縮されているデータを解凍する、(2)データを回転する、(3)データを圧縮してファイルに保存する、ことになり回転するたびに再圧縮されます。圧縮は不可逆圧縮が故に圧縮する度にデータが劣化し写真の品質が低下します。つまり、写真の品質を保持するには、再圧縮を可能な限りさせないことが重要です。そこで、Nikon Viewの回転機能では再圧縮が発生しないロスレス回転をサポートしました。これにより、撮影した写真の品質を劣化させずに回転することができます。何回回転しても劣化しません。100回しても劣化しません(笑)。実際のNikonView操作としては、回転だけをしたい場合は「ニコンブラウザ」の回転機能を使用、回転以外の画像処理をしたい場合に限り「ニコンエディタ」を使用するのがコツです」

「撮影情報の表示もその一つです。カメラの機種・画像サイズ・コンバータレンズの使用有無・露出モード・測光モード・ホワイトバランスなど、かなり詳細な情報がわかるようになっています。写真と撮影情報(撮影条件)を見比べて次回の撮影の参考にすることもできます」

便利なだけでなく楽しめる機能も増えましたよね。

「そうですね。画像ブラウザとしてのベーシックな機能に加えて、写真を活用して楽しむための機能を持っています。例えば、レイアウト印刷、スライドショー、メール送信、ニコンイメージング(オンラインアルバム)登録、を入れました。  特にメール送信とニコンイメージングへの登録については、先ほどのハブ空港の考えに基づいています。いちいちメールのアプリケーションを立ち上げたり、 WWWブラウザでオンラインアルバムに登録するページまで行かなくても、Nikon View 5で写真を見ながら操作ができるようにしたかったのです」

初心者にはワンボタンで操作が簡単に  プロやハイエンドの方には、RAW調整が魅力

編集する際のツールパレット。自動
コントラストと色調整がワンボタンで
設定できる。RAW調整が簡単にで
きるのも魅力だ。

Nikon View 5は転送後の後処理ができるようになったというお話でしたが、特に編集ができるようになったのが魅力的ですよね。

「そうですね。編集に関しての基本的な機能は大体入っていると思います。簡単な色の補正もできるようになりました」

ボタンひとつで簡単にできて、使いやすいですね。

「画像処理にあまり詳しくないお客様にも使っていただきたいので、ボタンを見やすく、わかりやすいデザインにしたり、ワンボタンで操作できるような工夫をしました。  例えば、トーンカーブで曲線を操作してコントラストや色の調整をするのは、使い慣れない方には難しいですよね。Nikon View 5では、自動コントラストボタンをクリックするだけで、コントラストの調整が自動的にできるのです。コントラストと一緒に色の調整もワンボタンで実行できるようになっています。  他にも、画像サイズは数値入力ではなく、いくつかの選択肢の中から選べるようにしたり、全体的にわかりやすく簡単に操作できるように設計しました。また、D1シリーズや一部のCOOLPIXシリーズがサポートしているRAWデータの露出補正やホワイトバランスの調整機能もサポートしています。RAW データに関してさらに詳細な設定を調整したい方には別売のNikon Captureがあります。Nikon Captureでは輪郭強調、階調補正、さらにホワイトバランスの微調整も可能です。