Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

ザ・ワークス Vol.06 テレスコマイクロ8×20D

「望遠鏡としても顕微鏡としても使えて、デジタルカメラにも使える単眼鏡って何?」と注目度大の『テレスコマイクロ8×20D』。 オンラインショップで変わらぬ人気を保つ便利製品の、使い方から誕生秘話まで、徹底的にご紹介します。

本多修治(ほんだ・しゅうじ)

栃木ニコンRayfact事業部営業部東京営業所所長兼第2営業課マネジャー。昭和41年に株式会社ニコンに入社。研究所において、光学設計のソフト開発に携わる。NASAの270度魚眼レンズなど特殊なレンズの開発にかかわったのち、品質管理部門、電子画像事業部を経て、栃木ニコンに。現在は設計、技術の経験を活かしながら、栃木ニコンの営業を担当する。趣味は釣りとお酒。バドミントン関連の役員を務める横顔も。テレスコマイクロ8×20Dでは開発、営業両面で携わる。

小松敬保(こまつ・よしお)

栃木ニコンRayfact事業部営業部課長。製造部門、品質管理部門、営業部門を経て、栃木ニコンに。現在は本多氏とともに、新規事業である2001年10月1日に発足したRayfact事業部において営業に携わる。趣味は山登りと家庭菜園。「いちばんのポイントは土作りだと思いますよ」との談。

見える距離は無限遠から114ミリの至近フォーカス環を直進粗動、回転微動をしてピント合わせ

テレスコマイクロ8×20Dは、2000年6月の発売以来、大人気の商品です。まずは、この製品の特色から聞かせてください。

本多「はい。本製品のもっとも大きな特色は、無限遠から近接までの物体を、これ1本で連続的に拡大観察できるということです。たとえば、山の頂上、高い木の上にとまる鳥、池の中の魚、機械や工具などの細部、ミジンコなどの微生物など、すべてピント合わせを変えるだけで自在に観察できます。また、ニコン・デジタルカメラのCOOLPIXの880(別途アダプターリングUR-E2が必要)、910、 950、990、995に装着できるので、画像をデジタルカメラで記録できるのも大きな特色です」

【望遠鏡として使用時】
【望遠鏡として使用時】
【顕微鏡として使用時】
【顕微鏡として使用時】

どうやって使うんですか?

小松「目当てのゴムがついているほうが接眼部です。望遠鏡として使う場合はそのままのぞき込み、目的物が見えたら、フォーカス環を回してピントを合わせます。無限遠から1m程度まで、回転微動だけでピント合わせができます。顕微鏡として使う場合は、フォーカス環を延ばして胴を長くして、同じく接眼部からのぞき込みます。こまかなピント合わせは、フォーカス環を回すことで調節します。テレスコマイクロ8×20D本体だけでも25倍までの倍率で見えますが、クローズアップレンズを付ければ、60倍まで拡大することが可能です」

本多「普通の顕微鏡ですと、たとえば25倍とか50倍とか、顕微鏡倍率が決まっていますよね。しかし、テレスコマイクロ8×20Dは、目的物までの距離によって、倍率を自由に変えることができます。」

梱包物
中央から反時計周りに、キャップを付けたテレスコマイクロ本体、専用三脚座、クローズアップレンズ、ストラップ、ステップアップリング、ケース。ステップアップリングを使えば、各種フィルターを付けることが可能。
クローズアップレンズ
クローズアップレンズを先端にねじこめば、60倍まで被写体を拡大して見ることが可能!

COOLPIXのレンズ部にねじ込むだけで装着可能撮影時には三脚を使うことをオススメ!

三脚座
三脚座は接眼部にねじ込む。先端
部と間違わないようにご注意を。

デジタルカメラにはどうやって装着するんですか?

小松「接眼部の目当てゴムをとって、COOLPIXのレンズ部に、ねじ式に回し入れて留めるだけです。テレスコマイクロに三脚を付けるときには、接眼部に付属の専用三脚座をねじ込んで、三脚座を装着してからCOOLPIXに固定します」

見るものに合わせて、フォーカス環でピント調節を行うんですね。

本多「そうです。ピントをあわせる範囲が無限から至近と長いので、先ほど述べましたように、フォーカス環は直進と回転という二つの動きができるようになっています。これは、望遠鏡から顕微鏡に移行するとき、ねじ式に回転させるだけの動きしかないと、ひたすら回し続けて、胴の長さを調節しなくてはいけないでしょう(笑)。それがたいへんなので、直進の動きを取り入れて、スムーズに胴を長くできるようにしました。もちろん、直進の動きだけでは微調整しづらいので、ねじ式の回転の動きでピント合わせをします」

小松「扱いにあまり慣れていない方は、最初のうち少しピント合わせに戸惑われると思いますが、コツがつかめれば、楽にピント合わせができるようになりますよ」

「栃木ニコンならではのオリジナル商品を」“ホームページで試作品公開”など新しい試み

栃木県大田原市にある栃木ニコン。
広々とした好環境のなかで、レンズ
生産やオリジナル商品開発が進
められる。

このテレスコマイクロ8×20Dは、ニコングループである「栃木ニコン」のオリジナル製品なんですよね。

本多「はい。栃木ニコンは、もともと、主にニコン製品の一眼レフ用レンズなどを作る工場からスタートしています。現在も得意なレンズの生産工場としてだけでなく、もっと“栃木ニコン”としての独自性を出していこうと、オリジナル製品の開発に乗り出したんです。そこで、開発部門を中心に、いろいろなオリジナル製品の案が出まして、そこからテレスコマイクロ8×20Dが生まれました」

開発途上の時点から、インターネットを通じて、製品の開発計画を公開していたんですよね?

本多「そうです。“望遠鏡としても顕微鏡としても使える単眼鏡”を開発いたしまして、試作ができた時点で、『こういう製品を開発中です』ということを、弊社のホームページで公開したんです」

試作の段階で公開するなんて、とても珍しいケースですよね!

本多「なかなかないですよね(笑)。しかしそうすることで、ホームページをご覧になった方から“そんな製品なら早く出してほしい”とか、“こういう機能を付けてほしい”などの多くのご反響をいただきました。そのご意見がその後の製品開発のたいへん大きな参考となり、本当にありがたく思いました」

オリジナル製品ということで、こだわった点がありますか?

本多「やはり、レンズから生まれた会社ですから、レンズの品質に対するこだわりが一番にあります。やはり、半端な製品を作りたくはなかったんです。しかし、お客様には、使用用途や性能などを考えた上での適性価格がありますよね。お客様がお求めになりやすい手頃な価格にすることも、大前提としてありました。価格は下げられないけど品質も満足のいくものを作りたい。しかし良いレンズにはお金がかかる。でも出来るかぎりコストダウンをしたい……。そういったことに苦心しました。  また技術面では、単眼鏡にクローズアップレンズを付けて固定倍率の顕微鏡になる商品がすでにあったため、連続的にどんな距離であっても拡大観察できるという新しい試みにこだわっておりました。もちろん、どんな距離であっても満足できる性能を出すことにも力を注いでいます」