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talk! talk! talk! 農産物流通・ITコンサルタント・山本謙治さん


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農産物流通・ITコンサルタント・山本謙治さん

農産物流通・ITコンサルタント

山本謙治さん

農業、農産物のコンサルティングサービスを提供する、株式会社グッドテーブルズの社長として、全国の生産地を飛び回る山本謙治さん。出張先で出会う美食を紹介するブログが人気を呼び、食の批評家、食のジャーナリストの顔も持つ。料理や農作物の写真撮影をライフワークとし、腕前はプロ級。今回は撮影テクニックから、食と対峙する日々のことまでをたっぷりと語っていただいた。

プロフィール

やまもとけんじ。1971年、愛媛県生まれ、埼玉県育ち。高校時代に学食で食べた有機野菜がきっかけで農業に興味を持つ。慶應大学環境情報学部在学中には、畑を作りたいと思いたち、キャンパスの土地を借りて開墾。80種の野菜を育て、畑サークル「八百藤」を作る。同大学修士課程修了後は株式会社野村総合研究所、株式会社シラフと籍をおき、農業団体、流通会社、販売店と、作る側、出荷側、販売側のすべての仕事に関わる。その経験を活かし、2004年に農作物の生産から販売までを包括してコンサルティングを行う会社、グッドテーブルズを設立。年間120日程度は出張にでかけ、商品開発やビジネス支援など多忙な日々を送る。
自身のブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」(http://www.yamaken.org/mt/kuidaore)にて、さまざまなおいしい食べものや食文化、農業の現状などを文章と写真で伝え、食生活ジャーナリストとしてリアルな情報を発信し、多くの読者から支持を得ている。
著書に「日本の食力」(家の光協会)「日本の食は安すぎる」(講談社)「実践農産物トレーサビリティ」(誠文堂新光社)「やまけんの出張食い倒れ日記 東京編」(アスキー)「やまけんの全国出張食い倒れガイド」(フォーバイフォーマガジン社)がある。現在、「NHKきょうの料理」(NHK出版)、「専門料理」(柴田書店)、「おかずのクッキング」(テレビ朝日出版)、「やさい畑」(家の光協会)に連載を持つ。

Beginning 出会い

「うまかった~!」を写すために

山本さんは自身のブログで写真をたくさん掲載なさっていますが、もともと写真がお好きだったのですか?

いえ、カメラはほとんど使ったことのない人間でしたね。でもブログを始めたときに写真も載せられるということで、デジタルのコンパクトカメラで出会った食べ物の写真を記録的に撮るようになったんです。それが2004年の後半あたり。以降、ひとつの記事にたくさん写真を載せるようなスタイルになりました。今では料理の写真をアップでブログに載せること自体、ごく当たり前になりましたが、当時は珍しかったと思いますよ。

ブログを拝見すると、現在は一眼レフカメラをお使いのようですが、どのようなタイミングでコンパクトカメラから移行されたのでしょうか?

写真を始めた当初、僕は一眼レフカメラで撮る意味って何なのかわからなかったんです。コンパクトカメラでもちゃんと撮れるから十分! と思っていました。ただ、ひとつきっかけがあったんです。ありがたいことに、ブログに載せてきた内容を「やまけんの全国出張食い倒れガイド」という本にしませんか、とお声をかけていただきまして、その際に文章と写真素材を全部くださいと言われたんです。それで今まで撮影してきた写真を渡したんですが、何枚かは写りの問題で再撮が必要でした。編集の方からは「一眼レフカメラを買った方がいいですよ」と説得されて。僕は「え~やっぱり買わなきゃダメなの?」って思っていたんですが、結局そのとき1台買うことにしたんです。

しぶしぶという感じだったのですね(笑)。そんな中で初めて一眼レフカメラで撮ってみた感想はいかがでしたか?

それが撮ってみてびっくり! 全然違う! と思いました。その瞬間からカメラが違うと、こんなにも仕上がりが違うんだということが認識できたんです。今考えれば当たり前なんですけど(笑)。一眼レフカメラを買ってからは、コンパクトカメラで撮った写真はほとんどブログにアップしませんでした。それくらい“写りの違い”が衝撃的でした。

一眼レフカメラを使うようになって、さらに写真の面白さを実感されたのですね。

まさしくそうです! どんどん夢中になっていきましたね。一眼レフカメラを買ったら、今度は「やまけんさん、レンズは何mmと何mm買った方がいいよ」と言われ、レンズも買いました。でも僕の写真に対する知識はまだその頃、mmって何? というレベル。まったくわかってない状態でした。レンズ選びも予算の都合だけで超広角レンズを買って、使ってはみるものの「あれ? もっと寄りたいんだけど……」なんて困っていたくらいですね。

撮影に関しての知識はどのように学ばれたのですか?

一眼レフカメラを買って1年半くらいは、絞りもシャッタースピードも決めてくれるプログラムモードで撮っていたんです。だから知識も技術も身につけないまま撮っていました。でもある日、マクロレンズを買って、かぼすを撮ろうとしたとき気づいたんです。かぼすに近づけばその分レンズに光が入らず暗くなりますから、プログラムモードで撮っていると絞りは当然浅くなりますよね。でも僕は原理をわかっていなかった。かぼすをアップで“シャープ”に撮りたいのに、なぜかピントは一点にしか合わず、あとはボケている。「おかしいな~」と思って、そのときやっといろいろ本を見るなりして勉強したんです。

撮影を実践していく中で、経験上学ばれていったのですね。

そうなんですよ。絞りを考えたいならAモードで撮るべきなんだ! と1年半かけてたどり着きましたからね。あとは、雑誌でコラムの連載を持たせてもらっていたので、取材に行く際にフォトグラファーの方と接する機会があったんです。そこでいろいろと情報を聞かせてもらったり、教えてもらったりしました。そうする中でだんだん自分の撮影スタイルが確立されて、一眼レフカメラも何台か買い替え、今は主にNikon D700を使っています。