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talk! talk! talk! 映画監督・草野陽花さん


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映画監督・草野陽花さん

映画監督

草野陽花さん

映画、ドラマ、オリジナルビデオなど多くの映像制作の現場で活躍する映画監督・草野陽花さん。今回は、ニコンデジタル一眼レフカメラD90の動画撮影機能「Dムービー」による映画、「あたしとあたし」の監督を務めた感想を中心に、D90の新しいメディアとしての魅力や普段の生活の中での写真の楽しみ方まで、いろいろと語っていただきました。

プロフィール

くさのようか。1975年生まれ。兵庫県宝塚市出身。日本映画学校卒業後、25歳のときに「青の瞬間(とき)」(01年)で劇場映画デビュー。同映画で、第35回ヒューストン国際映画祭シルバーアワード、第11回あきた十文字映画祭観客賞受賞。その後も精力的に作品を生み出している。
劇場映画に、「悲しいボーイフレンド」(08年)「ブラブラバンバン」(08年)。
連続ドラマに、「チョコミミ」(07年~08年/テレビ東京)「恋する!?キャバ嬢」(06年/テレビ東京)「Pinkの遺伝子」(05年/テレビ東京)。
オリジナルビデオに、「僕らの愛の奏で」(08年)「禁断の恋」(08年)「ナース白書」(06年)がある。
またシナリオ作品として、連続ドラマ「週刊赤川次郎」(07年・テレビ東京)と「遠くの空は燃えているか(仮題)」(公開未定)がある。

Beginning 出会い

D90との出会いは衝撃的!

今回草野監督には、ニコンD90を使って撮影する映画製作をお願いしましたが、「一眼レフカメラで映画を撮りませんか?」という話を聞いたときの率直な感想を教えてください。

一眼レフカメラに動画機能がついていることを知らなかったので、まずそれに驚きました(笑)。その後単純に頭に浮かんだのが、「一眼レフカメラで撮った一枚の写真が動き始める」というイメージでした。だから写真に精通している映像カメラマンと組めたら、面白いものができるのではないかなと思ったんです。

今回の撮影カメラマンは早坂さんですね。

はい。彼は映像を撮るかたわら、写真もセミプロとして撮っているんです。声をかけたら、すぐに「いいよ」という返事をもらえたので、この新しい試みに挑戦してみようと決めました。

映画「あたしとあたし」の物語は、どのような経緯で製作されたのですか?

早坂さんの撮る写真の世界を僕なりに動かしてみたい、それが出発点だったので、パステル調で色が美しい彼の画の特徴を生かせるような物語にしようと思ったんです。それで浮かんできたのが太宰治の小説、「女生徒」でした。「女生徒」は全編を通して女の子の一日の心情が語られている、僕自身とても好きな小説。この本に表現されている思春期特有の不明確な気持ちや毒気のある感情、そんな心のヒダをうまく早坂さんの撮る映像にのせられたら、すごくいいものができるのではないかと思いました。そういった逆算から「あたしとあたし」を作ったんです。

実際にD90での撮影に入られてからはいかがでしたか?

一番に感じたのはビデオカメラにはない奥行き感がすごく出るということです。僕はビデオカメラで映像を撮る場合が多いんですが、比較すると結構な違いがあって、D90はボケの感じがとてもいいんですよね。簡単に言うと、フィルムのムービーカメラのニュアンスに近いんです。「あたしとあたし」では主人公の女の子がトンネルを通るところから撮り始めたんですが、その最初のカットをビューアーで確認したときには鳥肌が立つくらい感動した記憶があります。

D90とはそれくらい衝撃的な出会いだったのですね。

そうですね。他にも良いなと思ったのは、撮った映像そのままを確認できることです。だいたい映画を撮るときはモニターを出して、それで撮っている映像を確認するんですが、モニターに出せる映像はあくまでもガイドであって、実は実際に撮れる映像そのものではないんですね。それがD90の場合だと、撮れた映像がそのまま表示されて見ることができます。これは映画の現場では経験したことのないことなので、本当に新しいメディアだと思いました。だから今回撮影現場にモニターは持ち込まず、全部カメラのビューアーで確認しながら撮影したんですよ。