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At the heart of the image.

talk! talk! talk! ミュージシャン・カヒミ・カリィさん


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ミュージシャン・カヒミ・カリィさん

ミュージシャン

カヒミ・カリィさん

独特の歌唱表現と雰囲気を持ち、カリスマ的な人気を博すミュージシャン・カヒミ・カリィさん。第一線で活躍する海外アーティストたちとのコラボレーションを積極的におこない、日本語、英語、フランス語と3カ国語で紡がれる音楽は唯一無ニ。そんな彼女はフォトグラファーとして仕事をしていた経験を持ち、写真はライフワークと語る。写真との出会いから現在までの付き合い方、その魅力を存分にお話いただいた。

プロフィール

Kahimi Karie 1968年生まれ。1992年に本格的なソロ活動を始め、以降、海外アーティストとの共同プロデュース作品を中心に数々の作品を発表し、'98年 '99年、全米でベストアルバムを発売。NYCを皮切りにUSツアーを行う。'03年アルバム「Trapeiste」をリリース、これまでにない作品作りで、また新たな世界を繰り広げている。この年から菊地成孔氏、大友良英氏のソロアルバムや、ONJOのメンバーとして欧州ツアーにも参加。昨年モロッコで撮影された映像と大友良英氏とレコーディングした楽曲を収録したDVD、大友良英氏、ジム・オルーク、ヤン富田氏との共同プロデュースによるアルバム「NUNKI」をリリースし既存のボーカリスト/アーティストの領域にとどまらない鮮烈なまでの存在感を示したとの評価を得る。他、FMのパーソナリティーやドイツ映画の字幕監修なども手掛け多岐にわたる活動を続けている。公式サイト(http://www.kahimi-karie.comイメージ:ポップアップウィンドウ

Beginning 出会い

偶然出会った写真に心惹かれてから フォトグラファーになるまで

写真に興味を持ったのはいつごろですか?

高校生のときです。もともと絵画に興味があり、鑑賞するのが好きで時々地元の美術館へ行っていたんです。たまたまその美術館でデビッド・ホックニーというアーティストの写真作品を目にして、それから写真に興味を持つようになりました。彼の作品はポラロイド写真をコラージュしたものだったのですが、写真が絵画的に使われていて「こういう写真もあるんだな」と強い印象を受けたんです。

その写真との出会いがきっかけだったのですね。

はい。それからいろいろな写真展を見に行ったり、本屋さんや図書館で写真集を探して見るようになりました。その頃は学芸員やキュレーターになって美術館で働きたいなと思っていたので、撮るより見ることに夢中でしたね。高校3年生の終わりに父親からニコンFEをもらって、それから本格的に撮るようになりました。高校を出た後は写真の専門学校へ1年間通って、基本的な知識やカメラの扱い方を学びました。

学校での思い出で印象に残っていることはありますか?

カメラについて知らないことばかりだったので、学校で学ぶことは全て楽しかったですね。高校生の頃は興味のない勉強もしなくてはいけないけれど、授業が全て写真のことなので、全部が興味深いし面白く感じました。でも、自分の技術が追いつかず、思いどおりになかなか撮れなかったことが悲しかったです。自分で撮ったものを見てがっかりしたりして(笑)。

暗室作業も学ばれたのですか?

はい。白黒もカラーも自分でプリントしていました。カラーは自動現像機を使っていて、半分は機械まかせだったので、私は現像もプリントも全部自分でできる白黒の方が好きでした。現像液の温度を変えて階調の出方を実験したり、この写真家のプリントにできるだけ近づけるにはどうしたらいいのかなど、細かいところまでこだわって焼くのが好きでした。でも、学校は結構お金がかかりますし、学費をフィルム代にまわしてその分たくさん撮影をした方が自分には合っているんじゃないかなと思って1年間で辞めてしまいました。

その後はどのように写真と関わっていかれたのですか?

学校を辞めてからも、しばらく音楽雑誌の写真を撮る仕事などをしていました。

アシスタントではなくて、いきなりプロとしてお仕事されたのですか?

はい。専門学生だった頃にレストランでアルバイトをしていて、そこで音楽雑誌のライターの方と知り合ったんです。その方はアルバイトの仲間だったんですが、休憩時間に「普段は何をしているの?」って聞かれて「写真を撮っています」と。それで写真を見せたりしているうちに「インタビューの写真撮ってみない?」というお話をいただいたんです。その頃私は技術も経験もなかったんですけど「やります」って言っちゃって(笑)。ストロボの使い方など、短期間に必死で練習をして仕事に臨んだんです。そしたらなんとか上手く撮ることができて、それからお仕事をいただくようになったんです。

アルバイト先での奇遇な出会いから、フォトグラファーとしての仕事が始まったのですね。

そうですね。しばらくその音楽雑誌の撮影の仕事をしていたんですが、そのうち音楽関係の知り合いが増えて、私自身も音楽の方にだんだん惹かれていったんです。当時は女性が写真をやっていること自体すごく珍しくて、写真業界も男性ばかりでしたね。写真への興味は変わらずあったんですが、私には音楽の方が向いているのかなという気がして、音楽寄りになっていったという感じです。