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talk! talk! talk! 俳優、タレント・金子貴俊さん


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俳優、タレント・金子貴俊さん

俳優、タレント

金子貴俊さん

男のシンクロナイズド・スイミング映画として一大ブームを巻き起こした「ウォーターボーイズ」で、愛らしくも真の強い男の子を演じ話題となった金子貴俊さん。俳優としての才能を開花させ、その後数々の作品で活躍を続けている。絵画や映像、脚本制作など様々なジャンルでも自己表現を続けてきた金子さんは今、昨年出合った“写真”という表現方法に夢中なのだという。金子さんが写真にのめり込んだ理由とは、そして写真はどんな存在なのか?今回はその思いをたっぷりと語っていただいた。

プロフィール

かねこ・たかとし。1978年、東京都生まれ。18歳の頃にスカウトされ、翌1997年に俳優デビューを果たす。2000年「死者の学園祭」(篠原哲雄監督)で映画デビュー。2001年、映画「ウォーターボーイズ」(矢口史靖監督)の早乙女聖役で注目を浴びる。その後、映画、ドラマ、バラエティなど幅広く活躍を続ける。
主な出演に映画「あずみ」(北村龍平監督)、ドラマ「すいか」(日本テレビ系)「はるか17」(テレビ朝日系)、バラエティ「踊る!さんま御殿」(日本テレビ系)「世界ウルルン滞在記」(TBS系)など。また、著書にフォトメッセージブック「僕の眼~こころが凹んだ日には~」(メディアファクトリー)、自伝的エッセイ「僕が笑っている理由」(集英社)がある。
現在はNHKの「中国語会話」にレギュラー出演中で、今後は全国学園祭にも出演予定(11/5奈良「白鳳女子短期大学」、11/6京都「華頂短期大学」、1/11東京「実践女子大学」、11/18長崎「長崎大学」、11/19大阪「大谷女子大学」)。2006年2/15~2/20には、名古屋三越栄本店で「金子貴俊個展」を開催。2/19には握手会も行われる。

ファインダーを覗くたびに感動し 撮る瞬間、瞬間にときめきがある

「フランス~モロッコ旅行にて、その1」写真に目覚めたモロッコ旅行と同時期に行ったフランスで撮られた
「フランス~モロッコ旅行にて、
その1」写真に目覚めたモロッコ
旅行と同時期に行ったフランスで
撮られた

写真を撮るようになったきっかけは何ですか?

去年のお正月にモロッコに行ったんです。そのときになんとなく景色を撮ってみたら、自分でもびっくりするくらいのいい写真が撮れたんです。「自分でもこんなにきれいな写真が撮れるんだ」って思って感動してしまって、それが写真を撮り始めたきっかけになったんです。

それまでに写真を撮る機会はなかったんですか?

僕のウェブサイトに写真を載せるためにカメラを持ってはいたんです。でも、「仕事でこんなことをしました、こういうところに行きました、イエイ!」みたいな感じで使っていたので、景色を撮ったりはしませんでした。モロッコに行くときも、そんな感覚でカメラを持って行ったんです。ところが景色を撮ってみたら、自分を撮るよりその方が面白くなってしまったんです。

それほど感動する写真が撮れたんですね。

あくまでも僕の中では、ですけどね(笑)。モロッコは砂漠なので、空気が乾いている。空の色も日本とはまったく違いますし、全体の空気感が映画の「バグダッド・カフェ」みたいにきれいで「これはおもしろいぞ」って思ってしまったんです。そういうモロッコの素晴らしい景色に感動して、それを写真に収められたということがとても大きかったんです。

それから写真を撮ってみようと思った。

「フランス~モロッコ旅行にて、その2」
「フランス~モロッコ旅行にて、その2」

ええ、景色を撮ってみようと思って。でも、そう思っていたら帰国後すぐ、カメラの入った鞄を盗まれてしまったんですよ!カメラが手元に無くなったと思ったら、余計に「大事なものだったのに、撮りたかったのに」っていう気持ちが強くなって、どんどん思いが募りました(笑)。そこから一気にたくさんの写真を撮るようになって、どんどんハマって行きました。

ハマッていった一番の理由はどんなところだったのでしょうか?

普段生きている中で、心を動かされるような気持ちになることってそんなにないと思うんです。でも、写真を撮り始めてから、ファインダーを覗いていろいろなものを見ると、かわいいなと思ったり微笑ましいなと思ったり、いろいろ感じることができるんです。
それから、カメラのおかげでいろいろなものを見ようとするようになりました。普段はただ何も変わらない景色でも、撮ろうと意識することで小さな変化や発見に気づくんです。撮る瞬間、撮る瞬間、ときめくんですよね。都会にもこんな一面があったんだなって感じたり、うれしい気持ちになったり、それがおもしろくてハマッていきました。

暗いものから明るさを、寂しさから美しさを モノが持つ二面性を写したい

俳優、タレント・金子貴俊さん

被写体は景色が多いのですか?

ええ、景色、自然のものばっかりですね。あとはゴミとか……。

ゴミですか?

たとえば、汚いイメージのものをきれいに撮りたいと思うんです。僕はモノには何でも二面性があると思っていて、明るい部分と暗い部分だったり、表と裏だったり。人間もそういう二面性を持っているし、花や緑や海などの自然もそうだと思うんです。
ゴミだったら、ただ汚いものではなくて、たとえば見方を変えるとすごくやり切った感があるというか、生き抜いた感じがするんですよね。そこに美しさを感じて、そういう美しさを写真に残せたらと思うんです。枯葉にも同じように感じます。寂しくはかなげなイメージだけでなく、最後まで生きた達成感があったり、そこに人間の一生を重ねて見てしまったりもします。僕の場合は特に、暗い中に明るさを見たり、寂しい中に美しさを感じたりするようなものが好きです。暗いトンネルの中にひとすじの光りが見えたり、夕焼けの中に希望を感じたり。

最初からそういった写真を撮りたいと思っていたのですか?

いえ、最初は普通に景色を撮っていたんですが、ある日夕焼けをバックにクモを撮ったことがあったんです。僕は虫が大っ嫌いで、特にクモはものすごく気持ち悪いものだって思っていたんですね。でもその写真を撮ったときに、クモはこんなにも美しいものなんだなって思えて、そこからモノの二面性というようなことを意識するようになりました。

今はどれくらいのペースで撮影を楽しんでいるのですか?

「熱帯植物園にて」
「熱帯植物園にて」

そんなに多くはないかもしれません。ただ、カメラはいつも車に置いてあるので、撮りたいって思ったら持ち出して撮るという感じですね。写真を撮りに行こうと思って出かけるのは、月に1回行ければいいかなという感じです。最近は南国の花を見たいなと思って、夢の島にある熱帯植物園に行きましたよ。

人物を撮ったりはしないのですか?

今のところは人を撮るつもりはないですね。普段僕自身が撮られることが多いので、撮るのは人以外がいいと思ってしまうというのもあるのかもしれません。ただ、僕は今、自分探しのために写真を撮っているんです。人を撮るということは、自分だけでなく相手を知る作業も入ってくるんじゃないかなって思うので、今はそこまでする余裕が持てないですね。自分のことだけで精一杯という感じです。